2月1日(月)より新橋演舞場で開幕する『喜劇 お染与太郎珍道中』に出演する三津谷亮。本格的な喜劇へ初出演となる彼に、現在の心境を聞いた。
■最初に台本を読んだ感想を教えてください。
「まず、渡辺えりさんと八嶋智人さんの主演作と聞いていたので、台本をお2人に置き換えて読み始めたら、隅から隅まで面白いことがすぐに想像できて。それと同時に、この作品に出るということは、相当なレベルまで実力を引き上げないといけないと思ったので、稽古場でいっぱい怒られたいなと思いました(笑)」
■怒られる覚悟が出来ているんですね(笑)。
「はい(笑)。この台本は、セリフのリズムがとにかくいいんです。僕は青森県出身で、話すリズムがどうしても東京の方とは違うんですよ。これまでもそこに気づいてはいましたが、今回、ついにこれが大きなハードルになるなと思いました。でも、いつか向き合わなくちゃいけないところだと思っていたので、この機会を存分に活かして頑張っていきたいな、と。それに、登場した時に見得を切るようなセリフが多いんですよ。僕は普段そういったタイプの話し方をしないので、新たな引き出しを開けなくては!と、今から気合いが入っています」
■新たな挑戦ができる舞台だからこそ、どんなことを楽しみにしていますか?
「これまでにたくさんの舞台を経験させていただいた中で、STAY HOME期間で急にお芝居ができない状況になったこともあり、どこか感覚が鈍くなった可能性があるんです。でも、その分、柔軟にもなっているとは思うので、吸収できるものはたっぷりしていきたいですし、フラットに新しいお芝居ができるんじゃないかなと思います。しかも、今までは引っ張る立場になることが多かったんですが、今回は僕がみなさんを頼る形になると思うので、上手く甘えていけたらいいな、と(笑)」
■今回、共演を楽しみにされている方はいらっしゃいますか?
「実は、深沢敦さんには、4年前にボイトレの先生をしていただいていたんですよ。それもあって、今回共演ができるのはすごく楽しみですね。他のみなさんは初共演になるので、本当にたくさん勉強できたら、と思っています。さらに、先ほど言っていた“リズム”をみなさんから習得できたらいいなと思っていて。僕はどうしても、セリフに間を持ち過ぎてしまうんです。早く球を投げたほうが面白かったりするのはわかっているんですが、そのクセが抜けないんですよね。なので、お客様の笑顔に繋がるように、セリフのエネルギーを膨らまして、どうやって素早く投げていくか? それを意識して演じていきたいなと思っています」
■お話を聞いているとすごく謙虚さを感じますが、今思う、ご自身の強みはどこにあると思いますか?
「う~ん。弱さを見せられるところ、ですかね。プライドも地位も名誉もない人間なので、そこは強みになっていると思います。若い時は弱さを必死に隠していたんですけど、今はもう言えるようになっちゃいました(笑)。でも、そうやって言うことで、自分が“より頑張らなくちゃ!”って思えるし、先輩を頼れるようにもなりました。弱みもすべて強みに変えて、この舞台の役も演じていきたいと思っています」
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【音楽テーマコラム:あなたにとってのハッピーソング】
NiziU「Step and a step」
STAY HOME中に『虹プロジェクト』にどっぷりハマり、見事NiziUのファンになってしまいました(笑)。このデビュー曲を聴いて“自分も頑張らなくちゃな”って改めて思えて、今の僕の応援歌です。ちなみに『刀剣乱舞』への出演が決まって、そのために体力をつけなくちゃと思い、ランニングを始めたんですが、この曲を聴きながらだと、いつもより走れる気がします(笑)。
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【プロフィール】
■三津谷亮(みつやりょう)
’88年2月11日生まれ。青森県出身。昨年の出演作は、舞台『文豪とアルケミスト 綴り人ノ輪唱』、STAGE GATE VRシアター vol.2 『Equal-イコール-』、朗読集『ヴィヨン』など。今後は、舞台『刀剣乱舞』大坂 夏の陣(’21年4月~6月 IHIステージアラウンド東京/骨喰藤四郎役)などが控えている。
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Photo ⇒ コザイリサ
Text ⇒ 吉田可奈
Hair&Make-up ⇒ 小林純子
Costume ⇒ JNBY/マツオインターナショナル
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【STAGE Information】
『喜劇 お染与太郎珍道中』
2021年2月1日(月)~17日(水) 新橋演舞場
作:小野田勇(『与太郎めおと旅』より)
演出:寺十吾
キャスト:
お染:渡辺えり
与太郎・お役者小僧:八嶋智人
べらぼう 半次:太川陽介
島田重三郎:宇梶剛士
地武太治部右衛門:石井愃一
小番頭 庄助:深沢敦
大番頭 善六:春海四方
山伏白雲坊:石橋直也
山伏黒雲坊:三津谷亮
弥左衛門:有薗芳記
巡礼お弓:一色采子
投げ節 おこま:広岡由里子
むかで丸後におむか:あめくみちこ
泡手 十郎兵衛:西岡德馬
製作:松竹