昨年音楽界に突如として現れ、バズる曲を次々と世に送り出している超新星imase。8月19日にリリースされた新曲「NIGHT DANCER」は、5月に曲の一部が公開されると、曲をBGMに様々な場所で踊る動画の投稿が相次ぎ、すでに1.8億回以上も再生されている。そんな新曲の成り立ちについて、そして独自のスタイルを貫く音楽性についても自己分析してもらった。
■imaseさんの楽曲は、歌詞と声とメロディが三位一体となってノスタルジックな雰囲気を醸し出し、どこか肩の力を抜かせてくれるようなところが魅力的だなと思うのですが、曲を作る際に大事にしていることはなんでしょうか?
「いつも自分にしか表現できないリズム感、グルーヴ感を意識しています。僕の歌声的に、詰め込んだようなメロディがあまり合う声質じゃないと個人的には思っていて。R&Bのような、詰め込み過ぎずに上手くリズムにねっとりのっていくような、後ろノリのグルーヴが自分的には映えると思うので、そこを大事にしています。もしかしたら今後の楽曲では発想が変わってきて、違うものも出てくるのかもしれないですけど」
■ご自身の声質を活かせるものをと考えるなかで、独特なメロディラインが生まれたんですね。
「僕は他のアーティストよりも歌が上手いわけではないので、楽曲を作る上ではそれでも映える曲をというか。自分にしかできないことというよりは、自分が唯一できることを探していったら、上手く今のスタイルができたのかなと」
■“できること”を探し求めてたどり着いたのが、手元の機材で音を出して歌うという今のスタイルでもあるのでしょうか?
「ドラムパッド(サンプラー)のことですね。曲作りは普通のキーボードで打ち込んで作ったりしているんですけど、ドラムパッドに関しては、以前テレビで弾き語りのオーディション企画がありまして、そこで目立つために購入しました(笑)。何をするにも見切り発車でやるタイプなので先に購入して、知識は後からで、調べながら使い方をマスターしました。面倒くさがり屋でなかなかやる気が出ないので、普段から意識的に見切り発車にすることは多いですね」
■現在も生まれ育った岐阜にお住まいで、自宅で楽曲制作をされていますが、岐阜で音楽を作るということが、何かご自身の音楽に作用していることはあると思いますか?
「岐阜だからってことはないと思うんですけど、近所の家までも距離があるし、いつ音を出しても歌っても文句を言われないところは環境的にすごい恵まれているなと思います。岐阜だー!っていう感じの山奥に住んでいるので、その分、虫の音がやかましいのだけがちょっと懸念点ですけどね。それもまたいつか曲にできれば(笑)」
■虫の音を生かした楽曲、楽しみにしています(笑)。普段から曲や歌詞を書く時は、産みの苦しみを感じるタイプなのでしょうか?
「歌詞に関しては、結構スラスラ出てくるので産みの苦しみはないですね。メロディも得意な系統のジャンルに関しては超絶早いんですけど、自分があまり得意としない、ルーツでもないジャンル、テンポの曲だと結構苦しみますね。楽曲で言うと、最初の “Have a nice day”は苦しみましたけど、その後の“逃避行”はスラスラ完成しました」
■今挙げた曲はもちろん、CMソングになった「Pale Rain」や「でもね、たまには」も含め、どの曲もキャッチーでフックがあって、メロディが耳に飛び込んできます。聴く人の耳にいかに届くかというのは、曲作りにおいて大切にされていることなのでしょうか?
「曲においてのフックは大事で、フックが良くないと自分的には曲にあんまり美味しいところがないなと思っちゃうので、そこは大事に作っています」
■ではここからは新曲「NIGHT DANCER」について伺います。リリース前からSNSでの反響がすさまじいですが、制作にあたってジャンルなど、どんなことをテーマにしましたか?
「今まで作ってきた曲は結構チルい系が多くて、アッパーなテンポがなかったので、アッパーな曲を作りたいなぁと思って。かつR&Bが自分のルーツなので、その系統の曲をたくさん聴いてから、この曲を作り始めました」
■完成までは早かったですか?
「ドライブ中に作ったんですけど、自分のルーツ的なものを出せたこともあって、サビができたあとフル尺の制作になってからは早かったです。いつも曲作りの流れとしては、基本的に最初にメロディを付けて、コードを打ち込んでから最後に歌詞を付けるんですけど、この曲はメロディの段階から一部の歌詞が一緒に出てきて。〈どうでもいいような 夜だけど〉や〈踊ろう〉といったAメロは、一緒に出てきました」
■曲の核となっているサビから歌詞を広げたんですね。歌い方に独特の節回しがありますが、歌のアプローチで意識したことは?
「今回は前の曲よりも地声でリズミカルに歌うことを意識していて、ルーツのR&Bのテイストを色濃く、各セッションで出しています。この曲に関しては2番以降のBメロのメロディを大胆に変えてみたり、結構遊び心を出しています。上手いことR&Bのアングラな部分とポップスのメジャーな部分を配合できたら気持ちいいんじゃないかなと思ったので、今回それをメロディに落とし込んでいきました」
■乾いたような音だなとも感じたのですが。
「寂しさというか、儚さみたいなものは日本人特有の感性かなと思っていて。そういうのは、結構僕の楽曲どの曲でも出せるように意識しているんですけど、今回の曲の乾いている部分は、その儚さを上手く演出できたのかなと」
■さて、気が早いですが、次の曲も楽しみにしている方も多いかと。
「今ちょうど、これまでとは違うテンポ、リズムの曲を作ろうかなと思っていて、そこで結構苦しんでいるところです(笑)。そこを作れるようになったらまた一個幅としてはすごく広がるなと思っているんですけど。新曲を出すのであればいちアーティストとして、前回の曲よりもいいものを出したいとと考えるんです。例えば“逃避行”と“NIGHT DANCER”って、全く違う系統の楽曲じゃないですか。方向性が違うにしても同じようにクオリティのいいものを作りたいなですし、自分にとって許せるメロディと、許せないメロディっていうのがはっきりしてきていて、本当にいいと思ったものじゃないと、なかなかカタチにしたくないので、その産みの苦しみを今、味わっているところです」
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【プロフィール】
imase(いませ)
岐⾩出⾝の 21 歳の新世代男性アーティスト。 ⾳楽活動開始わずか 1 年で、TikTok に投稿したオリジナル曲の 総再⽣回数が 12 億回を突破しティーンから絶⼤なる⼈気を得ている。
最新情報は公式HPへ!
HP https://www.universal-music.co.jp/imase/
Twitter @imase_1109
Instagram @imase11_9
YouTube https://www.youtube.com/channel/UC4Kape5ARQ-konOZSw2yawA
TikTok https://www.tiktok.com/@imase119
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【MUSIC INFORMATION】
Digital Single「NIGHT DANCER」
2022.8.19 Release
配信URL
https://imase.lnk.to/night_dancer
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【クレジット】
Photo 大川晋児
Text 花倉有紀子
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