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    2024年1月26日 見上愛 ドラマ「春になったら」インタビュー

     結婚を3ヶ月後に控えた娘と、余命3ヶ月の父親が織り成すハートフル・ホームドラマ「春になったら」。見上愛は、奈緒が扮する主人公・瞳の大学時代からの友人・美奈子役を演じる。自らの結婚と、父の余命に向き合う瞳にとって、一番の理解者である美奈子だが、実は、瞳に想いを寄せる同じく大学時代からの友人・岸(深澤辰哉/Snow Man)に片想い中という複雑な心境の役どころだ。現在、撮影真っ只中の見上に、本作を通して感じていることや、現場での様子などを語ってもらった。

    ■出演が決まった時の印象は?

    「28歳という自分(23歳)より年齢設定が上の役をいただけたことが素直に嬉しかったです。それから、作品の大まかなテーマと、主演のお二人(奈緒、木梨憲武)の名前も伺って、“どんなふうになるんだろう”とワクワクしました」

    ■「台本を読んで、コメディー的な要素もありつつ、家族や自分の生き方について、すごく深く考えさせられる作品だなと感じました」とコメントをされていましたが、具体的にはどんなことを考えましたか。

    「私はこれまで家族、友人とか、身近に死というものがない環境だったので、そのことについて考えることがなかったし、たぶん考えないようにもしていたんだと思うんです。だけど両親の年齢などを考えると、突然ガンになるとかはあり得るなと。急に身近な人の死について考えさせられました。1話で瞳(奈緒)が、お父さん(木梨)がガンであることを信じないという場面が描かれているんですけど、私もきっと信じられないだろうし、“何言ってるの?”とかって言ってしまうだろうなと思いました」

    ■演じる「美奈子」についてはどんな人だと思いましたか。

    「不器用ですよね。友人同士の3人(瞳、岸、美奈子)の調和と取る役割をしているけど、いろんなことがちょっとずつ上手くできないところが愛おしいと感じました。演じるに当たっては、自分の好きな男の子が、自分の親友のことを好きという、悲劇的な状況ではありつつ、悲劇のヒロインっぽく見えるのは嫌だなと。その状況を悲観するのではなく、それでも強く生きていて、少し生きるのが下手だなと感じるくらいに見えたらいいなと思いました」

    ■共感できるところはありましたか。

    「私自身は今までに恋愛と友情の狭間で悩むという経験はないんですけど、自分だったらと想像した時、本当にキツイだろうな、美奈子の気持ちはすごく分かると思いました。私も美奈子と同じように、瞳にも、岸くんにも言えないだろうなって。これは私自身の感覚ですけど、恋愛で好きな人を失うより、友人を失うほうが辛いと思うので、大事な親友3人組を失ってしまうことはすごく怖いだろうなと感じました。好きな人だからこそ相手の気持ちを尊重したいし、自分の気持ちを押し付けたくないですね」

    ■本作はオリジナル脚本の作品です。キャラクター作りの参考にしたものはありましたか。

    「撮影に入る前に、プロデューサーさんや監督からいろいろとヒントになるようなことをいただきました。3人は大学の中ではメインストリームにいるようなタイプではなく、ちょっと変わっているけど、そんな3人が意気投合したんじゃないかとか。だから3人にしか分からないノリとかもあるとか。美奈子は瞳の理解者であるとともに、常に3人のバランスを取る役割でもあってほしいとか。それから、衣装合わせの際に用意していただいたものが、わりと派手で個性的なものだったので、美奈子はこういう服を選ぶような、芯が強くて、自分を持った人なんだろうなとか。そういうものをいくつかいただくなかで、組み立てていきました」

    ■美奈子は大学時代から岸のことをひそかに好きというキャラクターですが、岸のどんなところに惹かれたと思いますか。

    「実はちょうどこの前、現場でもその話になったんです。岸は、結構、デリカシーのないことを言ったりするので、“こんな岸のどこがいいの?”みたいに、みんなでふざけながら(笑)。その時、奈緒さんとは、そのウソがつけない、不器用さが好きなんだろうねという話にはなりました。瞳のことを大切に想っているんだけど、美奈子と同じように不器用でうまく表現ができない。不器用の方向性はちょっと違うけど、そういう部分にも共感しているし、ツッコミを入れたくもなるんじゃないかと」

    ■美奈子は岸のことをほっておけないんだろうなと感じるようなやり取りも多いですね。

    「“岸くん!”ってツッコミを入れるようなセリフが多いんです。そこは本読みの時に、瞳と美奈子は岸に対して強めの対応で、ちょっと雑に扱っているような感じが出るほうが、3人のグルーブ感が生まれるというお話があったので、意識してやっています」

    ■撮影は前半戦だと思いますが、ここまでで印象に残っているシーンはありますか。

    「1話に、瞳と岸と美奈子の3人で写真展を観に行くという場面があったんですけど、そこで初めて3人でのお芝居をしたんです。お二人とも私より芸歴も、年齢も先輩なので、緊張してしまうかなと心配もあったんですけど、お二人が、私が気を遣わなくてもいいような空気を作ってくださって。なのですごく自然体で居られて、昔から一緒の3人の空気感みたいなものをお芝居しながら感じられました。このあとの撮影も、こんなふうに今まで3人の中で流れてきた時間を感じられるシーンがあるんだろうなと思って、とても印象に残りました」

    ■そのシーンの前に3人が顔を合わせる機会はなかったんですか。

    「奈緒さんとは番宣の撮影でお会いして、そこで少しお話をする時間があって。深澤さんとは一緒に本読みをさせていただいたんですけど、その時は奈緒さんがいらっしゃらなくて。だから3人が一緒に集まるという機会はなかったんです」

    ■合間など、撮影以外の時の3人の雰囲気はどんな感じですか。

    「お二人が全く壁を作らない方達なので、とても和やかな雰囲気です。気まずいから気を遣って話すことってあると思うんですけど、全くそういう感じではなく、しゃべりたい時にしゃべっている感じで。だから何を話したかを聞かれても全く覚えていないような、くだらない話をよくしています(笑)」

    ■役を離れても同級生のような感覚なのですか。

    「それはまだちょっと(苦笑)。私からの敬語は払拭できていないんですけど、仲のいい大学の先輩くらいの感覚にはなれています(笑)」

    ■奈緒さんとお芝居を通して向き合った時の印象はどうでしたか。

    「瞳とお父さんがやり取りをする場面に、美奈子も居合わせることがあったんですけど、その時、憲さんが出してくるいろんなお芝居のカードに、奈緒さんがすごく俊敏に反応しているのを見て、その場で起こることを大切にされる方なんだと感じました。監督とも脚本に書かれていることを、実際に演じてみて感じたことを交えてお話をされていたり、とても柔軟な方なのだと思いました」

    ■脚本を読んだ時点で感じていた瞳のイメージと、実際に奈緒さんが演じた瞳とで、違いを感じるところはありましたか。

    「私が思っていたよりも芯が強いと感じました。瞳は抜けているというより、自分の芯を持って突き進んだ結果、それが少し世間とズレているみたいな。すごく人間っぽくて、可愛くて、素敵な人だと思いました」

    ■岸役の深澤さんの印象も教えてください。

    「年齢は3人の中で一番上になるんですけど、いじられ上手と言うか(笑)。それはご自身でもおっしゃっていたんですけど、最初にお会いした時に“今は敬語を使ってくれているけど、気付いたらいじってると思うよ(笑)”と。その時は“そんな、そんな”って否定をしたんですけど、隙を作るのが上手というか、いじらせてくださるんです。わざとちょっとボケてくださったりするので、こっちもツッコんでしまうみたいな。その関係性が岸と美奈子にもつながっていて、お芝居をしていない時にも関係性を保ってくださっているんだと思いました。いじられキャラが天性のものなのか、考えてやっていらっしゃるのか、どちらなのかはまだ分からないんですけど(笑)、人の良さが溢れていらっしゃって、とても魅力的な方だと思います」

    ■見上さんから見た本作の見どころを教えてください。

    「瞳と雅彦さんは人を巻き込む力がある親子で、その二人に巻き込まれていく周りの人達も含めて、いろんな生き方が描かれている作品だと思います。その中でも終活というか、死を踏まえての生き方がテーマにはなっているんですけど、死ぬまでのお話というより、生きていくお話なんだなと。私はそう強く感じたので、毎話、一緒に笑ったり、泣いたりしながら、皆さんにとってこのお話が、自分も強く生きていこう思える力になれたら嬉しいなと思います。あとは美奈子と岸、それぞれの恋模様も気にしていただけたらと思います(笑)」

    ■見上さんにとって「親友」とはどんな存在ですか。

    「親友達が居なかったら生きていけないと思うくらい大切な存在です。家族のように血がつながっているわけでもないし、絶対的な何かがあるわけではないのに、自分の全部を共有できるし、相手のすべてを受け止めたいと思える。相手の人生にも責任を負えると感じる人が親友だと思います。私は出会った瞬間から“友達になれる”と感じるタイプではなくて、最初は仲良くなれると思っていなかった人達と、気付いたらすごく仲良くなっていたというパターンが多いです。第一印象が変わることは多いし、相手からも第一印象とは違うと言われることも多いです。でも打ち解け合えたと思えた瞬間からは、深くなるのはすごく早いと思います」

    ■「春になったら」やってみたいことはありますか。

    「最近、油絵を始めたんです。友達と一緒に自然のある場所にデッサンに行って描いているんですけど、秋冬に始めたので、景色が紅葉とか枯れ木とかで。だから“春になったら”桜を描きに行きたいです。コラージュをしたり、陶芸をしたり、そういうことは好きでやっていたんですけど、絵は学生時代の美術の時間に描いたぐらいの経験しかなくて。でもやってみたらなかなか上手くいかないことも含めて、すごく楽しくなって、油絵キットを買って、家でもずっと練習をしています(笑)」

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    共通テーマ音楽コラム「あなたにとってのラブソング」

    The SALOVERS「喉が嗄れるまで」
    すごくストレートに“この声はあなたにだけ伝わればいいんです”と歌っている曲です。高校生の時に初めて聴いたんですけど、それまで私が聴いていた曲にはなかった真っ直ぐさがありました。曲調はポップで聴きやすくて。この曲を聴くと、恋愛に限らず、誰かに自分の気持ちを伝えたいと思えます。友達に普段は言葉にして伝えられていない“ありがとう”と言えるようになるとか。すごく前向きになれるラブソングです。なかなか想いを言葉にできない美奈子にも贈りたい曲ですね(笑)。


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    【プロフィール】

    見上愛(みかみあい)
    2000年10月26日生まれ。東京都出身。最近の出演作は、ドラマ「往生際の意味を知れ!」、「liar」、映画『レジェンド&バタフライ』『異動辞令は音楽隊!』『658km、陽子の旅』、Netflix「幽☆遊☆白書」など。大河ドラマ「光る君へ」が放送中。今後は、映画『すべての夜を思いだす』(3月2日公開)などが控える。

    公式HP
    https://www.watanabepro.co.jp/mypage/20000047/

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    【DRAMA INFORMATION】


    ドラマ「春になったら」
    毎週月曜日22:00〜カンテレ・フジテレビ系にて放送中

    公式HP

    脚本:福田靖
    主題歌:福山雅治
    音楽プロデューサー:福島節
    監督:松本佳奈 穐山茉由
    プロデューサー:岡光寛子(カンテレ) 白石裕菜(ホリプロ)
    出演者:奈緒 木梨憲武 深澤辰哉 見上愛 西垣匠 影山優佳 矢柴俊博 光石研 橋本マナミ 筒井真理子 小林聡美 濱田岳
    制作協力:ホリプロ
    制作著作:カンテレ

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    【クレジット】

    Photo 大川晋児
    Text 瀧本幸恵
    Hair&Make-up 宮本佳和(BE NATURAL)
    Styling 下山さつき


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