■初来日(ファンミーティング)はちょうどコロナ禍前の2019年3月、そしてこのたび初来日公演が今月2月26日(月)に東京リキッドルームで行われますが、はじめて日本でライブを行うことについてどのようなお気持ちですか? また、見どころは?
「このたび初の来日公演ができることになり、本当に興奮しています。キャリアをスタートした頃から、いつかやりたいとずっと思っていたことだったので、今回の『House on a Hill』ワールドツアーを東京で開催できることがとても嬉しいです。少し緊張しているけれど、素晴らしいショーになることを約束します。たくさんの曲、たくさんのダンス、すごくいい時間になることを楽しみにしていてください」
■日本のイメージや感想、そして日本のファン(ナム・ネーション)の印象はどういったものですか?
「正直なところ、まだ日本のファンに頻繁に会う機会がこれまであまりなくて。例えば2019年のように会いに行けることもあったし、他の国までショーを観に来てくれるファンに会うこともあったんだけど、日本でファンと時間を過ごす機会が少ないことが常に悲しかったので、これをきっかけに日本での活動や訪問が増えることを願ってます。日本のファンに会うときは、みんないつもとても親切で優しく、愛情深い印象です」
■日本滞在中、楽しみにしていることはありますか?
「とにかく食べることが大好きで。日本食は本当に大好きなので今回の来日でたくさん食べて確実に太ると思っています! また日本はショッピングが魅力的なのでいろいろなお店を探索するのがすごく楽しみです。できたらビンテージ品を見つけたいです」
■日本のアーティストで気になる人はいますか?
「最近ファッションウィークで宇多田ヒカルさんにお会いしたんですけど、子供のころに良く聴いていたアーティストでもあったのでとてもクールな瞬間だったし、彼女に会えて本当に嬉しかった。他にはONE OK ROCKも好きです」
■最新作のHouse On A Hillワールドツアー皮切りからちょうど半年となりますが、世界各地を飛び回ってきたこの6ヵ月は、振り返っていかがでしたか?
「ものすごく楽しかったし、もちろん圧倒されることもありました。まるで遠い昔のことのようであり、昨日のことのようでもあります。今回は南米の多くの都市で初公演することができて、それはとても特別なことでした。また素晴らしいショーといえば、特にニューヨークで、ピア17のルーフトップでの夜は、美しくて感動的でした!」
■そのワールドツアーは4月まで続きますが、終えたら楽しみにしていることはありますか?
「ツアーするのも大好きだけど、同時に自分の時間を見つけてまた様々なインスピレーションを受けるのは楽しみです。新しい音楽に取り組んだり、実は積極的に取り組んでいるTVや映画のプロジェクトがあるので。(まだ秘密なのでこれ以上は言えませんが、素晴らしいことであることは確約します!」
■あなたは韓国系アメリカ人として、韓国でデビューをしてご活躍されていましたが、アメリカで育ったアジアン・アメリカンとして何か苦労はありましたか?
「どちらにもそれなりの苦労や困難があったと思います。幼少期もキャリアを積む上でも、自分の完全なる居場所というものを感じることはありませんでした。僕が言葉や社会的・文化的背景を理解できないために、疎外感を感じたり、誤解されたりすることも多かったです。でも今となって思うのは、そうした経験のすべてが僕を強くしたし、自分自身についてより深く学ぶことができました。文化にどっぷり浸かり、その時間と努力を費やすことなしには得ることができない文化的スキルや理解を身につけることができました。韓国人として、アメリカ人として、そしてコリアン・アメリカンであることを誇りに思っています」
■韓国で活動中の期間中で仲良くなったアーティストや、ファンになったアーティストなどいますか?
「韓国で僕が友達になったアーティストは数えきれないほどいます。韓国で10年以上暮らし、音楽活動をしていれば、信じられないほど才能のある人たちと友達になるのは当然のことでした」
■前作アルバムからメジャーレーベルを離れてインディペンデント・アーティストとしてご活躍されていますが、メジャーとインディーズの垣根が低くなったと言われている今、ご自身の中で何か変化はありますか?
「自分の音楽をどのようにしてリリースするか、より計算高くならざるを得なかったし、ビジネスやキャリアをいかに構築するかなどもです。簡単なことなど何もありません。メジャーレーベルのシステムには困難や葛藤があるし、インディペンデント・アーティストにも同じことが言えると思います。メジャーレーベルのような資金と能力やキャパがもっとあればと思うことはあるかと聞かれれば、それはあります。しかし、インディペンデント・アーティストであることで得られる自由にも感謝しています。メジャーレーベルであろうとなかろうと変わらないことは、クリエイティブな仕事というのは、結果よりも、それを制作したり生み出すプロセスの方が重要だということです。それはしばしば予測不可能なことであり、自分ではコントロールできない多くのことに依存しています。(タイミング、運、その他の要素にも大きく左右されます)」
■今回のアルバムにおいてメンタル・ヘルスについて多く語られている印象ですが、ご自身が心のバランスの異変に気づいたのはいつ頃だったのでしょうか?
「メンタルヘルスは僕が長い間、向き合ってきたものです。今回のアルバムは、恐らく自分のメンタルヘルスとの向き合い方における葛藤と共に成功を、より直接的に認めた作品となります。世間の注目を浴びながら、もしかしたら自分には向いていないシステムの中で仕事をすることは、精神的、感情的、そして肉体的に動揺と摩擦を生むだけなんです。でも、メンタルヘルスはこの地球上のすべての人に影響しているもの。誰にだって良い日もあれば、悪い日があって、メンタルヘルスで苦戦するのです。それは、私たちが誰であるのか、何をするのか、誰を愛すのか、そしてどう行動するのかということの始まりにあり、終わりにも存在します。だから僕にとっては、自分のメンタルヘルスについてもっと正直になることは理にかなっているし、ファンやリスナーが自分のメンタルヘルスと積極的に向き合い、同じようにオープンで正直であることを奨励できればと思ったんです」
■ 『House On A Hill』は幸せとは何か?という自問から生まれたとのことですが、今は「自分にとっての幸せ」の答えは出ましたか?
「幸せというのは、ふと現れたり去ったりするもので、いろいろなことに影響されるものだと思います。はっきりさせたいのは、僕は決して自分が不幸だとは思っていないということ。僕は常に、一体何が自分をより幸せにするのかを考えています。何が僕をよりポジティブにさせるのか?何が僕をより充実させてくれるのか?何が僕により満足感を与えてくれるのか? 僕にとっての幸せとは、家族や友達、やりがいのある仕事。そして自分に充実感を与えてくれる情熱と、そこに費やした過程や努力した自分に感謝すること。自分が大好きな人たちに囲まれて、大好きな仕事をする。それが幸せです」
■最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
「ようやく日本で初めてのショーを開催することができて、とても興奮しているし、みんなに会えるのがすごく楽しみです。来日公演を実現させるまでにこんなに時間がかかってしまって、ごめんなさい。そして待っていてくれてありがとう。忘れられない時間を過ごすつもりです。どうかみんなが幸せであること、健康であること、そして自分が愛されていることを忘れないでいてください」
・・・
【プロフィール】
Eric Nam(エリック・ナム)
シンガー・俳優・タレントとして韓国と米国をベースに活躍する韓国系アメリカ人エンターテイナー。2023年に自身のレーベルから最新作となる3rdアルバム『House On A Hill』を発表。<House On A Hill World Tour>と題された世界ツアーを敢行中。
・・・
【LIVE INFORMATION】
ERIC NAM: HOUSE ON A HILL WORLD TOUR IN TOKYO
▼日時・会場
2024年2月26日(月) 東京・恵比寿リキッドルーム
開場18:00 開演19:00
お問い合わせ:ライブネーション・ジャパン
LIVENATION.CO.JP
▼チケット料金(税込)
スタンディング:8,500円(税込)
※要別途1ドリンク代 ※未就学児(6歳未満)入場不可
▼公演ホームページ
https://www.livenation.co.jp/ericnam2024
企画・制作・招聘:Live Nation Japan合同会社
・・・
【CD INFORMATION】
Eric Nam(エリック・ナム)
アルバム『House On A Hill』
2023年9月8日リリース
配信リンク:https://orcd.co/enhouseonahill