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    2025年3月30日 萩原利久 映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』インタビュー

     お笑いコンビ・ジャルジャルの福徳秀介による小説『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が、萩原利久の主演で映画化される。国宝級イケメンと称される顔立ちながら、どんな役にもハマるプロフェッショナルな仕事ぶりで、様々な作品に引っ張りだこの萩原。そんな彼が今作で挑むのは、理想の大学生ライフとはかけ離れた日々に、暗澹たる想いを抱え生きる小西。掴みどころのないキャラクターに難しさを覚えたという萩原は、どのように小西を自身に投影し、作品の世界を生きたのだろうか。

    ■今作を恋愛映画だと思って観たのですが、それだけではなくて、生きることの尊さを考えさせられました。小西をどう理解して演じられましたか?

    「最初に台本を読んだ時に、演じる上では難しいなという印象がありました。 “冴えない毎日を送る” “日傘をさす”とか、小西を断片的に言い表すことはできるんですけど、どの言葉もピンとこないんですよね。だから作品について言語化しようとした時に、小西の性格や行動を上手く表現する言葉が見つからないんです」


    ■普段は事前に役を固めてから現場に入るところを、今回は現場に入って役の解像度を高めたとか。

    「もともと役を固めていくのも、僕が心配性で不安に引っ張られやすいので、可能な限りそこを排除したいからで、いつも自分の中での一歩を現場に入る前には作っているんです。ただ小西についてはなかなか現場に入る前には出きらず、とにかくいろんな選択肢を準備しておく状態でした。だから現場の空気を感じたり、実際にお芝居していくなかで、手探りで小西を掴んでいく撮影期間でした」

    ■その中でも、小西という人間を掴めたと感じた瞬間は?

    「大学の同級生で、小西が想いを寄せる桜田さん(河合優実)と行った水族館でのシーンは小西的には大きな出来事だったので、撮影の序盤からあのシーンに挑んだことで、少し彼の実体をキャッチできた気がします。とは言え、最後まで大半を現場で見つけていく作業ではあったので、撮影全体を通して小西のフォルムは、最初に抱いた印象と大きく変わらなかったです」

    ■水族館では小西の感情を発信する、いわゆる攻めのお芝居ですが、小西は受けのお芝居が多いキャラクターでもあります。どちらにより難しさを感じましたか?

    「小西は基本的に1人の世界にいるので、彼の中での出来事とか、行動を起こすことは、基本的に全て起こったことを受けてのことなんです。だから受けの芝居のほうがより大事だったのかなと思います」

    ■クライマックスの長台詞が印象的でした。

    「長台詞に関しては、僕に限らずキャストそれぞれに山場があって。みなさんそうだと思うのですが、僕も撮影の総合スケジュールが出た段階で、そのシーンに向かって撮影を重ねていく意識がありました。その上で、ひとつひとつのシーンに同じ臨み方はしていなくて、イメージで言うと毎日身体の違う部分を使っているような感覚でした。もちろん常に頭は使っているのですが」

    ■共演した河合優実さん、伊東蒼さん、黒崎煌代さんの印象もお聞かせください。

    「撮影は山根(黒崎煌代)と屋上で寝転がるシーンからスタートだったのですが、山根のキャラの面白さもあって、僕が想像してなかったものが飛んできたし、何かをやってやろうという内なるエネルギーをすごく感じました。本人は山根弁(妙な関西弁)をどう消化したらいいか悩んでいたけど、初日からめちゃくちゃ山根だったし、常に何かを追求し続ける姿は刺激になりました。バイト仲間のさっちゃん役の伊東さんは、本編史上最も長い台詞があるのですが、あれに対して、まったくレスポンスがない小西という構図があって。しかも撮影時は雨が降っていて、撮影がスムーズではなかったんです。さらに僕と伊東さんの間には距離や暗さもあったのですが、彼女の言葉はとてもよく聞こえたし、彼女から出るものは十二分に刺さってきました。すごい才能を目にした気がします。プレイヤーとしては、あのシーンはとても響いたのですが、最も小西と自分が乖離した瞬間でした。特に自分に台詞がほぼなかったので、演じる上では聞くに徹していて。小西があれをどうキャッチしていたかは別として、あれだけ長い時間一方的に人がしゃべるのを聞き続けるって、僕の中でも過去最長です。しかもあのシーンは本当に長くて、一連で頭から尻まで撮っているんです」

    ■かなりエネルギーが要りますね。

    「1人の人間が1人の人間に向けて放つエネルギーとしてはとてつもなく膨大だし、彼女は紛れもなく小西にしかそれをぶつけてないし。だからあのシーンに関しては、観た人が小西にイラッとするのは間違いないと思います(笑)。僕も罪悪感すら芽生えます」

    ■あそこでさっちゃんの魅力にグッと惹き込まれますし、伊東さんが大阪弁ネイティブということも役の説得力を増していると感じました。大阪が舞台のお話ですが、黒崎さんもネイティブですよね。

    「面白いのが、リアルに大阪弁をしゃべる黒崎くんなのに、大分出身という設定の山根が発する独特な大阪弁に苦しめられていて。だからみんな、おのおの何かと戦っていた気がします。その中でも河合さんは本当に強いです。存在自体に説得力があるんです。小西は桜田さんにとても大きな影響を受けて、彼女との出会いで日常が大きく色が変わるんです。教室で初めて桜田さんを見かけるシーンも、ただスタスタ歩いて一番に教室を出ていく姿を見ただけなのに、小西は桜田さんに興味を持つんです。そこにちゃんと説得力があるのは河合さんの強さだな、と。すごく丁寧だけどお芝居で出すエネルギーはいろんな形を纏っていて、突き刺すような強さもあれば、広がる強さもあって。小西と桜田さんのシーンは、圧倒的に桜田さんがしゃべっているんですけど、そのひとつひとつをちゃんと言葉として当てる強さだったり、感情を爆発させることもできて、受けもできる。そこに僕も確実に引っ張られていたと思います」

    ■登場人物それぞれが魅力的で、愛すべきキャラクターでした。

    「完成作を観て、素晴らしい共演者のみなさんと現場にいられたんだなと改めて感じました。このキャスティング以外は考えられないぐらい、それぞれがちゃんと生きている作品です」

    ©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

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    【音楽コラム「MY HAPPY SONG」】
    安全地帯「I  LOVE YOUからはじめよう」
    もうタイトルからしてハッピーじゃないですか? 曲中でもずっと“I  LOVE YOU”というフレーズが出てきますし。僕は音楽を聴く時、歌詞をひとつひとつ丁寧に読み解くというよりは、耳から入ってくるリズムやフレーズも含めトータルの雰囲気で聴いている人間なので、もしかしたら歌詞をじっくり読むとハッピーとは違うかもしれないんですけど、僕的には聴くとハッピーになる曲です。


    【プロフィール】
    萩原利久
    はぎわらりく。1999年2月28日生まれ。埼玉県出身。主な出演作は、ドラマ「リラの花咲くけものみち」「おむすび」「降り積もれ孤独な死よ」「めぐる未来」「たとえあなたを忘れても」「真夏のシンデレラ」「月読くんの禁断お夜食」「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」「美しい彼」、映画『世界征服やめた』『キングダム 大将軍の帰還』『朽ちないサクラ』『ミステリと言う勿れ』など。今後は、映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(4月25日公開)、長編アニメーション「花緑青が明ける日に」(2025年公開)などが控えている。2nd写真集「W」が発売中。

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    【クレジット】
    Photo コザイリサ

    Text 花倉有紀子
    Hair&Make-up Emiy(Three Gateee LLC.)
    Styling  Shinya Tokita
    Costume
    シャツ ¥28,600、パンツ ¥40,700/ともにタンジェネット、その他スタイリスト私物
    タンジェネット mitsuruyoshiya@gmail.com

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    【MOVIE Information】

    ©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

    映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

    4月25日(金)全国公開


    原作:福徳秀介「今⽇の空が⼀番好き、とまだ⾔えない僕は」(⼩学館刊)

    監督・脚本:大九明子
    出演:萩原利久 河合優実 伊東蒼 黒崎煌代 安齋肇 浅香航大 松本穂香/古田新太
    挿入曲:スピッツ「初恋クレイジー」(Polydor Records)
    配給:日活
    ©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

    ©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
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    ©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
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