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    2025年4月21日 原因は自分にある。 全国ツアー『嘲笑倫理学のすゝめ』完走! 東京公演を詳細レポート!!




     4都市全11公演で35,000人を動員した、原因は自分にある。の全国ツアー『嘲笑倫理学のすゝめ』が、4月20日に大阪・オリックス劇場でファイナルを迎えた。awesome!では、4月13日開催の東京・東京国際フォーラム ホールA公演第1部の模様をレポートする。

    桜木雅哉

     Overtureの中、ステージを覆う紗幕に映し出されたのは一冊の本だった。そのタイトルは『嘲笑倫理学のすゝめ』。ページをめくると文字が飛び出してくる。哲学的な歌詞が特徴の一つである彼ららしいオープニングだ。

     そして始まったイントロは、ゲンジブ史上最速曲「Operation Ego」。いや生で聴くとすごい。歌っている彼らだけでなく、こちらも宇宙人にコントロールされているような気分になる。幕で隔てられたショウケースの中でのパフォーマンスは、アンタッチャブルな空気感を醸し出し、観測者はそれを水月鏡花のように崇めると同時に近づきたい欲求を高めていったに違いない。ゲンジブの新しい扉を開けたともいえる「Operation Ego」からの、ファーストアルバム1曲目「柘榴」という展開も、当時からのファンにしてみれば素敵なタイムリープだったと思う。シャッフルのリズムの中、サビでゆっくりと幕が上がっていくと、今度は目の前で繰り広げられる7人のフォーメーションダンスが、赤紫のライト&モノクロ映像と相まって脳内モルヒネが分泌されていく…。

    武藤潤

     「Mr. Android」で魅せた桜木のロングトーンでお互いのハートが一気に近づいた気がする。大倉が「会いたかったぞー!」と叫び、観測者も感情のままに応える。そこからどんどんと劇的に展開していった。

     MCでステージ最前に出てきた彼らを「きゃー!」と笑いが包む。武藤が会場を見渡して「めっちゃ広くね?」と大興奮。また吉澤は4月6日に沖縄で行われた沖縄国際文化祭でレッドカーペットを歩いた時も、今日も雨だったことに触れ、雨男ぶりを発揮してしまったことでちょっぴり憂鬱。大倉は「昨日23歳になったよ!」と報告した。長野はツアータイトルの意味を紹介。

    長野凌大

    長野「嘲笑倫理学というのは、ゲンジブが考えた造語で、ゲンジブの世界観が存分に伝わる言葉にしました。ゲンジブのデビュー曲に入っている“嘲笑”という言葉と、僕たちを学んでほしいという“倫理学”と、“学問のすゝめ”をヒントに、『嘲笑倫理学のすゝめ』というタイトルにさせていただきました」
    大倉「凌大の言葉に、卒業式みたいに真っ直ぐな目を向けてる武藤潤がいた。直立不動だったよ?」
    武藤「春だし? 校長先生の朝礼の言葉みたいに聞いてました」

    「僕たちと今日は素敵な思い出を作っていきましょう」という長野の言葉を合図に、「青、その他」のキラキラとしたイントロが聴こえてきた。背後からの桜色のライトが青に変わると、杢代、大倉、小泉という“熱愛プリンス”トリオが切なく聴かせる。続いて長野、武藤、吉澤、桜木が柔らかい動きで「結末は次のトラフィックライト」を歌唱。疾走感の中に光る若さのようなものが感じられる、こちらも切ない歌だ。そして青春といえば「545」。彼らの歌声に甘酸っぱい気分になる。観測者はペンライトを振りながら、それぞれの“あの日”を思い浮かべていたのかもしれない。

    吉澤要人

     春らしいカジュアルなシャツにスラックスという少しレトロなスタイルに着替え、大倉の歌い出しで始まった「多分、僕のソネット」。背後のCG映像にはGNJBの文字が至る所にちりばめられ、パイナップルやクジラが空に浮かんでいた。ラストフレーズの♪嫌いじゃない~を大倉は笑顔とピースサインで決め、「チョコループ」へ。笑顔がさく裂し、メンバー同士が戯れる。会場はサビの手振りをみんな一緒に! 「GOD 釈迦にHip-Hop」では歌いながら“アイラブユーごっこ”なるものを、そこかしこで展開。笑っちゃってちゃんと歌えてなくてもOK。そういう戯れも観測者は嬉しいのだから。笑顔というより笑いながらエンジョイブロックを完走した。

     直後のMCでは口々に「楽しいね!」と顔を見合わせ、それぞれの“アイラブユー”を振り返った。またライヴの後半はMCを大倉以外の誰かが担当するというミッションを、ツアーを通してやってきたらしく、今回もジャンケンで決めることに(勝った人がMC)。ここまで杢代と吉澤はMCを免れてきたらしいが、激闘の末、吉澤に決定した。MC吉澤の最初の仕事は次の“日替わり曲”を曲名ボックスから引き当てることだ。選ばれたのは「ジュトゥブ」。

    小泉光咲

     「メンバーのかわいい姿を見る準備できてますか?」と桜木が煽り、曲がスタート。軽快なステップでアイドル全開! ステージも観測者も“楽しい!”の頂点で踊りまくっていた。ラスト、桜木が「大好きだよ~!」と言ったみたいだが、どうやら自分でツボったようで、決めポーズの後、笑ってその場に崩れ落ちた(笑)。メンバーもそれをイジるし、吉澤と杢代はハグを求めたらキスだったと嬉しそうに揉めているし、動揺した吉澤は次の曲の煽りで噛むし、この面白い流れから「LLL」って…とてもゲンジブらしいと思うし、ゲンジブにしかできないな。

     .ENDRECHERI.プロデュースによる「LLL」。ファンキーなイントロでミラーボールが回り出し、ステージはダンスフロアへと変わった。ジャケットを羽織ったメンバーは80年代のポップスターのよう。直前のMCが嘘のようにセクシーな彼らに釘づけだった。ラストフレーズ♪I love you forever~と歌う武藤は、ディスコブームに火を点けたあの映画のJ・トラボルタを彷彿とさせた。大人の色気で攻める吉澤のラップに対し、大倉は情熱を爆発させ、7人がそれぞれの艶めかしいダンスで客席を魅了した。

     続く「Foxy Grape」は、男っぽいダンスと表情で魅せ、「In the Nude」ではステージ上の2台のカメラへ想い想いにアピールする。モノクロの映像をバックに、ダンディーさが滲み出ていた。

    大倉空人

    「灼けゆく青」。この曲を後半戦の大事なポジションで披露したところには、“初心に還る”的なものを感じた。なんていうか、“僕たちは、経験してきたすべての喜怒哀楽を未来へ持っていく”と言っているような。

     ソロダンスパフォーマンスを経て、ここからクライマックスへと突入する。「原因は自分にある。」から始まったメドレーは、全7曲。まずは吉澤が“二択コール”を呼びかけ、会場を巻き込んでゆく。「ラストスパート、最後まで盛り上がりましょう!」と笑顔で叫んだのは小泉。杢代も「トーキョー、良かったよ」とハートを乱射する。桜木はウェーブが見たいと言って上手から下手へ大きな波を起こし、「ペンライト、最後まで高く掲げていてください!」と、その景色に感動した様子。「Go to the Moon」でタオルを手に煽り始めたのは武藤。ここでは7人がステージいっぱいに広がって小さくピョンピョン! 「僕が初めてライヴしたのがここなんですよ」と語りかけたのは長野。「みんなのペンライトが自分を輝かせてくれている気がしました。今日は僕の大好きなメンバーと観測者だけで最後まで盛り上がる準備できてますか?」
     その言葉に応えて始まった♪ラララの大合唱に、長野は「これからも僕たちのことだけ見ててね」と感謝を伝え、メドレーの最後に大倉が「この景色、忘れられないっしょ!」と心からの言葉を投げかけた。


    「無限シニシズム」で、“これがゲンジブの世界だよ”と念を押しといて「遊戯的反逆ノススメ」で思いっきり裏切るとは、なんという快感!

    杢代和人

    「俺たちは7人で売れてやるからな!」と大倉。ゲンジブイチのやんちゃ曲ではファイアーボールが上がった。いつものインテリジェンス集団から『ウエスト・サイド・ストーリー』みたいなバッドボーイズに変貌、その解放感を自由に楽しみ、「俺らが一番最強だ!」という吉澤の言葉が曲を締めくくった。

    吉澤要人

     そして彼らがラスト曲に選んだのは「Mania」。怖いほどミステリアスに、7人それぞれの狂気で幕を閉じるところも振り切っている。舞いながら大量発生した蝶が、オープニングでめくられたページの中に吸い込まれ、『嘲笑倫理学のすゝめ』は閉じられた。

     最後に感じたこと。らしい、らしくないは関係ない。今日、目に映ったものが真実であり、ゲンジブのすべてなのだ。ここで読み終えた一冊の本を抱えて、7月の『ARENA LIVE 2025 序破急』2Daysへと向かう準備は整った…。


    Photo:Hanna TAKAHASHI、松本いづみ
    Text:三沢千晶

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    【set list】
    01. Operation Ego
    02. 柘榴
    03. Mr. Android (feat.izki)
    04. 余白のための瘡蓋狂想曲
    05. Museum:0
    06. 青、その他~結末は次のトラフィックライト~545
    07. 多分、僕のソネット
    08. チョコループ
    09. 推論的に宇宙人
    10. GOD 釈迦にHip-Hop
    11. ジュトゥブ(日替わり曲)
    12. LLL
    13. Foxy Grape
    14. In the Nude
    15. 灼けゆく青
    16. 原因は自分にある。~嗜好に関する世論調査~シェイクスピアに学ぶ恋愛定理~マルチバース・アドベンチャー~Go to the Moon~原因は君にもある。~原因は自分にある。【別解】
    17. 無限シニシズム
    18. 遊戯的反逆ノススメ
    19. Mania


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    【プロフィール】
    原因は自分にある。
    げんいんはじぶんにある。 2019年7月7日にデビューした7人組ダンスボーカルユニット。今年、ユニバーサルミュージックとパートナーシップを締結。全国ツアー『嘲笑倫理学のすゝめ』を3月から4月にかけて廻り、7月12日(土) 13日(日)にはグループ史上最大規模となる国立代々木競技場 第一体育館でのワンマンライヴ『ARENA LIVE 2025 序破急』を2Days開催することが決定している。

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