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    2025年5月19日 ONE N’ ONLY 「LIVE TOUR 2025 ||:ONE N’ ONLY:||」 日本武道館ライブレポート!!



    5月9日 日本武道館

     overtureが流れる中、紗幕に映し出されたのは五線譜とリピート記号に挟まれ鎖の巻きついたONE N’ ONLYのロゴ。リピート記号が砕け散りメンバー紹介映像が流れる。緊張と興奮が高まったところで特効とともに幕は振り落とされた。そこには5つのリフトタワーの天辺に立つメンバーの姿が。

    「LIVE TOUR 2025 ONE N’ ONLY ファイナル日本武道館、さぁ、はじめようぜ」 リーダーHAYATOの声をきっかけに「BOOM BASH」がスタートすると、リフトが降下して地上へと舞い降りた5人。ファイヤーボールが上がる中、5人の完璧にシンクロしたダンスを観ているだけで鼓動が高鳴るのに、力のこもった歌声、ギラギラとした視線とセクシーすぎる表情で頭がクラクラしてしまう。彼らはこの日本武道館で、最高のBOOM BASH(衝撃的なパーティー)を繰り広げる気でいるのだ。

     続く「YOUNG BLOOD」が、そんな彼らの意志と覚悟を熱く伝えていた。それを受け止めるSWAGは大合唱で応える。 「さぁ始まったぜ武道館。俺たちについて来いよ」とREIがクールに誘い、EIKUは「ブドーカン! もっと声聴かせろよ!」と煽る。「DOMINO」で魅せた大胆不敵なステップは、ラインストーンが散りばめられた衣装とムービングライト&レーザー光線の交差すべてが相まってさらに華麗に見えた。何よりも心を躍らせるのは、彼らの真骨頂であるラテンのリズムだ。

    「Set a Fire」ではメンバーがスタンド席に手が届く近さまで伸びた両ウィングまで広がっての歌唱。武道館中が白いペンライトを上下に動かす景色はとても美しい。メンバーもやっとここで笑顔が全開になる。 燃えるようなラテンの血を湧かせる「Fiesta」は、ここがクライマックス?と錯覚してしまうほどの熱量だった。 「約束の地、武道館に来たぞー!」と叫んだのはNAOTO。EIKUも「俺らマジで、本気の覚悟で来たので最後まで楽しんでください!」と思いの丈を伝えた。SWAGからはoh-e-oコール。みんな幸せそうだ。会心のソロパフォーマンスでファーストブロックを締めくくった。

     誰もいなくなったステージに映像が流れ始める。「時間とは不思議なものだ。たしかに先に進んでいるはずだが 繰り返しのような感覚だ」と語りかける。NAOYAは本のページをめくり、TETTAは扉を開け、服を着たトルソーを見つめる。リピート記号がまとわりつく鏡の中の自分を見つめるEIKU、REIは雑踏の中に佇む。HAYATOは宙を舞い、時計の上に落ちていく…。

    EIKU

     時計の音が鳴りやむと、ステージには白い衣装に着替えた5人の姿があった。静かに始まった「DEJAVU」は、幻想的に武道館の空間に溶け込んでいく。掴めないものを掴もうとするような官能的なパフォーマンスと、ミステリアスな歌声が、先ほどの映像の続きを見せているかのようだ。五線譜のリピート記号にデジャヴ…。彼らはどうやって、この繰り返しから抜け出すのだろう?

    TETTA

     TETTAのファルセットから始まった「The Light」では、それぞれの声の特徴を生かしたボーカルリレー。HAYATOとNAOYAも交互にラップを刻んだ。可動式のセットが迷路のように彼らを惑わすが、“追いかけて 手に入れるまで 進むだけ”という歌詞のとおり、未来へと進む覚悟を見せる5人。ラスト、光を掴んだ彼らに、1つの物語を観終えたような感嘆の声と拍手が贈られていた。

     HAYATOのラップがリードする「Hunt」は、男女の駆け引きを赤裸々に描き出す。ラストのダンスはしなやかにワイルドに、セクシーに。音が途切れると、暗いステージに1人残ったHAYATOが、背後からの光の中に消えていった。

    REI

     ツアータイトルの核心に迫ったこのブロックにピリオドを打ったのは、バラード曲「Only One For Me」。TETTAの美しい声から始まり、5人で歌を繋ぎ、素直に綴られていくSWAGへの想い。それぞれの柔らかいダンスと歌声はだんだんと力強さを増し、眼差しの真っすぐさと相まって想いをさらに増幅していった。そしてHAYATOの“絶対になってやる one and only”の誓いは、まるで愛の告白。歌の始まりの仄暗いライトもやがて明るくなり、ONE N’ ONLYとSWAGがしっかりと見つめ合う。それはお互いの存在を再確認する瞬間のように感じられた。

     オフィシャルキャラクターの“スワッくん”と、キャラクター化されたメンバーがスクリーンに登場し、会場を和ませたあとは、EIKUがデザインを担当したというデニムを基調としたカラフルな衣装に着替えた5人がステージに戻ってきた。「Video chat」を、キューブ型のステージセットの上で歌う。リラックスした表情で階段を降り、REIが「楽しんでる?」と問いかける。SWAGは手振りを真似して楽しく踊り、Lala lalalala~の大合唱となった。「LUCKY」ではゆったりしたテンポで身体を揺らしてダンス。見つめるSWAGも幸せそう。

     直後のMCで、ONE N’ ONLYはメジャーデビューが決定したことを発表した。「もっともっとSWAGに愛される音楽を届けていきたいと思い、ユニバーサルミュージックより6月18日に「BLAST」というシングルをリリースします!」とHAYATOが告げると祝福の大歓声が上がった。

    NAOYA

    「まだまだいけるでしょ? 自分の殻を、壁をぶち壊す気持ちで盛り上がっていきましょう」とTETTAの言葉で始まった後半戦は、SWAGとともに未完成の地図でも一緒に進んでいこうと絆を確かめ合う「Map of The Mind」からメドレーに突入。「HOLIDAY」ではワンエンとメンバー名のコール&レスポンスも発生。

     NAOYAが「全員見えてるよ――!!」と煽り、タオルを手に取って始まった「Step Up」。疾走する爽やかなサウンドの中BOOM BASHは最高潮へと突入し、タオルを回しながらお互いに思いの丈をぶつけ合う。HAYATOは後ろからNAOYAの首に手を回し、TETTAはEIKUを引っ張って下手へステップしていく。「この瞬間、最高に楽しんでいこうぜ! 回せ~!」とNAOYA。メンバーはステージいっぱいに広がり、すべてのSWAGを抱きしめようとしているようだ。

    HAYATO

     灼熱の炎が上がり、イントロで騒めき立ったのは「Fight or Die」。表情は一転、情熱色の汗が飛び散るハードロックゾーンへ。「OPEN」、「Burn it out」と、さらにギアを上げていく。そして“JOIN”(一緒に)の文字がスクリーンに映し出されたラスト曲「EVOL」。5人の歌声とSWAGのHey!が溶け合って、とても心地いい。この空間に熱風が吹き抜けている。どこか哀愁を感じるメロディラインに、ただの達成感だけではない、7年間の様々な出来事が胸の中を巡っているような感動を覚えた。5人とも、今日で声がなくなっても構わないと思っているのか。

     最後にHAYATOは、「SWAG、愛してるぜ!」と、メンバー全員の想いを叫んだ。

     アンコール、REIが「今日はこの曲を届けたいと思います。SWAG1人1人に届きますように!」と紹介したのは、REIが出演するドラマ「子宮恋愛」の主題歌「Bittersweet」。愛しいSWAGへの気持ちを伝えるバラードだ。リフトタワーは愛のバロメータ?と思うくらい高くそびえ立ち、眼下のSWAGへLOVEを降り注いでいた。

    HAYATO「ONE N’ ONLYが結成して7周年。みんなで手を取り合いながら地道に歩んできて、やっとこの武道館に辿り着くことができました。本当にたくさんの応援ありがとう!」 NAOYA「いやぁ、ここまで来るのに7年かかりました。地道に一歩一歩ワンエンはSWAGと歩み続けて、だからこそこの達成感になりました…」
     涙を堪えようとするNAOYAに、隣からそっとタオルを渡すEIKUがいた。
    NAOYA「ワンエンの文字に鎖が絡みついていたんですけど、それがこのツアーで一気に解放されました。僕はSWAGもメンバーも本当に大好きです。僕たちはここで止まるわけにはいきません。もっともっと上にいって、SWAGと最高の景色を見たいと思います」
     REIは足のケガで大阪、愛知で部分休演していたことに触れ、SWAGやメンバーからの励ましで本当に痛みが引いていったことを明かす。
    REI「7年前は1人で何でもできると思ってました。でも本当に陰でメンバーが支えてくれています。すごくいいヤツらに囲まれたなと…(涙で声を詰まらせながら)こういう出会いは…絶対大事にします」
     EIKUは話し始めてすぐに涙が溢れ出してしまい、NAOYAがそっとタオルを返し、それを見つめるSWAGも泣き笑いする。
    EIKU「上手くいかないことも多かったし、いろんな試練があって。でもこのメンバー全員でどんなことも乗り越えてこれたし、SWAGがどんな時も笑顔で応援してくれるから頑張れました。昨日のリハであらためて映像を観てワンエン、カッケーなと思ったしスゲーなと思った。これから先もいろんな試練があって、もしかしたら、みなさんの中にも辛いけど笑顔でいようと思っている方もいると思います。そんな時は僕たちがみんなのことを支えますので、これからも応援よろしくお願いします」
    TETTA「マジで簡単な道のりじゃなかったなって思います。何かを乗り越えたらまた苦難がきて…っていうのをずっと繰り返してきて。その度にメンバーみんなで支え合って乗り越えてきて。そしてSWAGのみんなが毎回元気になれる言葉をくれてここまで来れて。コイツらとおじいちゃんになってもずっと一緒にいたいし、本当にみんなのこと大事にしないとなって心から思います。みんなのことが大好きです」
     そう涙ながらに告げるTETTAの手は、マイクを両手でギュッと握りしめていた。そしてHAYATOに至ってはメンバーのコメントを聞いて、すでに鼻声になっていた。「7年も活動していればいろんな出会いや別れがあります」と切り出し、まず、ここまで支え続けてくれたスタッフやファンに感謝を伝えた。
    HAYATO「メンバーも、どんなに変化しても、僕らは変わらず唯一無二のアーティストを目指し続けます。ここまでたくさんの愛をもらって何とか踏ん張ることができました。なのでこれから先SWAGが辛いことや逃げたくなるようなことがあっても、僕らが全力で守るので。辛かったらいつでもライヴに遊びに来てほしいし、SNSで連絡してきてください。マジで全部見てるから(笑)。この手をしっかりと握りしめて、強く歩んでいきたいと思います。ONE N’ ONLYはもう立ち止まらないから。今回は本当に覚悟のツアーでした。あらゆる覚悟を決めてONE N’ ONLYとして、もっと大きなステージに連れていくんで、絶対についてきてください。みんなの夢も全力で応援するから! ラスト1曲、今日ここまで持ってきたすべての愛を、全力でみんなに届けていきたいと思います」

    「My Love」を歌う彼らは、言いたかったことをすべて吐露し、晴れやかな表情だ。解放感100%、本気度は5人で500%。NAOYAはほっぺに指をあてて「笑おう!」と呼びかける。最後は5人で肩を組んで。HAYATOが「一緒に歌おうぜ」とSWAGを誘うと、大合唱が始まった。この日はいったい何度“ありがとう”と告げたのだろう。なんだか1年分…いや、彼らが今まで生きてきた分すべての“ありがとう”で満たされていたのだと思う。

    「武道館、本当に素晴らしい初日になったと思います」とHAYATOは笑った。

     今日贈られたすべての曲が、この特別な一日を綴るための大切なポエムであり、情熱であり、愛と葛藤。そして彼らが何度も口にした“覚悟”。そう、これは彼らの真実の物語だったのだ。 彼らが去ったステージには、中盤の映像の続きが流れている。そこに映し出されていたのは、壊されたリピート記号と、次のステージへと歩み始める5人の姿。そして“TO THE NEXT EPISODE”とのメッセージである。




    Photo:笹森健一 / 小坂茂雄
    Text:三沢千晶

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    【set list】
    01.BOOM BASH
    02. YOUNG BLOOD
    03. DOMINO
    04. Set a Fire
    05. Fiesta
    06. DEJAVU
    07. The Light
    08. Hunt
    09. Only One For Me
    10. Video chat
    11. LUCKY
    12. Map of The Mind~Good Day~Nice Guy~YOU???~HOLIDAY~Freaking Happy
    13. Step Up
    14. Fight or Die
    15. OPEN
    16. Burn it out
    17. EVOL

    <アンコール>
    18. Bittersweet
    19. My Love



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    【プロフィール】
    ONE N’ ONLY
    ワンエンオンリー。ダンス&ボーカルユニット。2023年には47都道府県ツアーやラテンアメリカツアーを廻るなど日本全国のみならず世界各国から注目されている。今後は、6月18日にメジャー1stシングル「BLAST」をリリースし、9月20日からは最大規模となるぴあアリーナMMをツアーファイナルに据えた『LIVE TOUR 2025 「LUMINA」』の開催が決定している。

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