2025月8月11日神奈川・横浜ランドマークホール
第一声は「ありがとうございます」だった。そして「YUです」「YUでっす」「YUですー!」三段活用みたいな挨拶で豪快かつ、晴れやかに盛り上げる。1年ぶりのトークイベントに不安を漏らした瞬間、「えーっ!」客席から総ツッコミが入ったのは、この挨拶ですでに会場の空気を掴んでいたからだ。三段活用に秘められた意図はのちに明かされますので、9月13日20時にライブ配信でご確認を。
MCの荘口彰久さんを迎えてのトークコーナーでは、台北で初日を終えて、翌日に2公演目の大阪と、超スタイリッシュ(YU語でハードの意)に始まったアジアツアーへの気持ちを語り、スクリーンに投影された月表や写真に沿って、「vs YU」をテーマに挑戦し続ける2025年を振り返る。年明け早々、横浜と大阪で内容を変えて敢行したバースデーライブの手応え、特にライブ演奏のみで勝負した大阪公演で得た高揚感は、人生初のツアーを開催する原動力になったとのこと。荘口さんから、2人編成でツアーを廻る大変さを問われた時の返答、「そこはやってきたぞって自信ですよね。こんなにやってダメならしょうがないじゃん」という覚悟に満ちた言葉はもちろん、スーッと肩の力の抜けたYUの笑顔と、見守る観客の誇らしげな表情が印象的だった。
2月14日リリースのシングル「nova/envision」とインストアイベントの裏話、FOD SHORT『トゥルー・ラブ・ストーリー〜究極の“愛”と“死”の選択〜』の撮影秘話、現在参加しているワークショップで講師から言われた意外な一言、今後やってみたい・観てみたい役など、客席を巻き込んで話はぐんぐん広がっていく。
1日3公演のファンミーティングなので、ツアーメイキングVTR を3分割。3部は後半戦の仙台、東京、名古屋バージョン。会場ごとに違う面白さや感慨があるに違いないけれど、名古屋はツアーファイナルにして凱旋公演でもあって。YU家族からの差し入れの鰻丼はめっちゃ豪華で、頰張るYUは幸せそうで、ライブは一体感が半端なくて、終演後にYUの瞳に滲んだ涙と想いは観ていて照れるくらい綺麗だった。さらにサイン入りオフショット写真がもらえるvs YUクイズコーナー、グッズ紹介を経て、いよいよ最後のライブセクションへ。
共にツアーを完走した相棒・杉本雄治(ONCE)を呼び込んで、2人で本当に本当のファイナルを寂しがる光景が微笑ましい。ツアーのために杉本がアレンジした「夢中」を1曲目に選曲、最大熱量で届けたのはリスペクトであり、愛だなと思う。エモーショナルなヴォーカルと歌心溢れる鍵盤と力強いクラップ、横浜ランドマークホールにいる全員で作り上げた「弱虫」。「みなさん、過去イチ盛り上がってくれますか!」なんて煽りにも一切負けない素晴らしきコール&レスポンスが響き渡った「envisoin」。そしてその真ん中には常に、内面も技術もスキルアップ、同時に音楽的純度まで急上昇させたYUがいて。楽しそうにギターをかき鳴らす姿はロック少年のようで。僕だけの音楽で、僕だけのやり方で、感謝を込めて僕と君(=客席)との距離を埋めていく。僅か3曲、されど3曲、ツアーの集大成みたいな濃密で幸福なステージだった。
「次は絶対に史上最高のものができると思う」と宣言したライブも、ツアー中に制作したという新曲も、当然俳優としてのニュースも! 全力で心待ちにしてます。5周年、おめでとうございます。
TEXT:山本祥子
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【プロフィール】
YU
ユー(楊宇騰YU/ヤン・ユータン ユー)。1995年1月3日生まれ。愛知県出身。2020年8月に台湾でミュージシャンとしてデビュー。2021年「We Best Love 永遠の1位 /2位の反撃」にて初主演でドラマデビュー。同作の挿入歌も担当。2021年8月から日本での活動も開始。日本での主な出演作は、ドラマ「祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~」「何曜日に生まれたの」、映画『みーんな、宇宙人。』など。現在、FOD縦型ショートドラマ「トゥルー・ラブ・ストーリー~”究極の愛”と”死”の選択~」に出演中。
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