甲斐翔真 NHK連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー
現在放送中のNHK連続テレビ小説「風、薫る」で朝ドラ初出演を果たした甲斐翔真が、今、話題を集めている。主人公の1人である大家直美(上坂樹里)の夫で陸軍二等軍曹・小川吾郎を演じた甲斐に、撮影当時のエピソードをうかがった。

■22週までの台本を読ませていただいて、号泣してしまいました……。
「ありがとうございます。ドラマを観た視聴者の方々にも届くといいなと思います」
■朝ドラへの出演は、ご自身の中で目標の1つだったのですか?
「そうですね。役者として、全国放送で国民に愛されている朝ドラという枠にいつか出演したいという想いはありました。今回はすごくいいご縁に恵まれて、作品的にも、役柄的にもすごく魅力的なキャラクターを演じさせていただいてうれしかったです」
■陸軍二等軍曹の小川吾郎は本当に素敵でした。
「最初は軍人の役と聞いていて、もっと戦争のシーンがあるのかな?と思っていたんですよ。でも、まったく違いましたね。直美さんとの日常的なシーンが象徴的に描き出されていました。小川吾郎という役柄を見た時に、キャラとしては自分自身が持っているものを使える気がしたんですよね。あとは当時、軍人になることがどういうことなのか?というところで、明治維新以降の歴史の動きは少し勉強しました。小川吾郎の人となりに関しては、受け入れやすい役でしたね」

■たしかにとても素直な好青年でしたね。直美さんと一緒にお団子を食べるシーンなんかは、とてもかわいかったです(笑)。
「もぐもぐキャラと言われています(笑)。そんなことはないと思うんですけど……」
■(笑)。
「演出としては、吾郎はとても真っ直ぐで健気という人物像を、現場の皆さんと一緒に作り上げていった感覚がありますね。軍人としての描写はありませんでしたけど、たとえば訓練に行った時には、もっと厳しい表情だと思うんですよ。きっと直美さんに見せるような笑顔は絶対にないはずです。軍人としての所作は宝塚歌劇でも指導されている軍事所作指導の方がいらっしゃって、背筋、歩き方、手の伸ばし方、帽子の角度や被り方、脱ぎ方とかすべて指導していただきました」
■細かいんですね。大変そう。
「最初はけっこう大変でしたね。自然と身につくまで、やたらと敬礼していました(笑)」

■そうでしたか(笑)。あと、吾郎さんといえば歌を口ずさむシーンが多いというのが印象的でした。
「そうなんですよ。『埴生の宿』という曲を歌うんですけど、歌の指導の方もいらっしゃって。それは上手く歌う指導ではなく、当時の日本人の歌い方というか。今みたいなポップス系の歌い方とは違うので、ビブラートはかけないとか、母音で音を移動するっていうのがあるらしく、それはけっこう練習しましたね。あとは“本当にうまく歌わないで”と言われました(笑)」
■素晴らしい歌唱力をお持ちの甲斐さんにとっては、演技とはいえ大変だったのではないですか?
「いえいえ。でも、なかなかテクニックが必要でした。直美さんも口ずさんでいましたから、是非みなさんも『埴生の宿』を口ずさんでほしいですね」
■直美役の上坂樹里さんとのお芝居はいかがでしたか?
「まだまだお若くて可能性の塊みたいな方でした。役柄としては、肝が据わっていて竹を割ったような主人公なんですけど、ご本人が持っている強さとか優しさがそのまま直美の人格に反映されていたなという印象です。吾郎としても、直美さんのキリッとした性格がカッコよくて魅力的だと思っているんですよね。なので、上坂さん演じる直美さんのおかげで吾郎も助けられていた気がします」

■吾郎さんの出現で、直美さんの笑顔が増えていったのがまた素敵でした。お2人の空気感は自然とできていったものなのですか?
「そうですね。僕も上坂さんもあまりお喋りなタイプではないので、2人のシーンが増えていくにつれて自然な空気感で共に行動していたという感じです。カメラの位置が決まると役者がスタッフさんに呼ばれるんですけど、僕は声がかかる寸前に動き出すんですよ。そうすると上坂さんも自然と後をついてきてくださって」
■なんて素敵なエピソード!
「そういう阿吽の呼吸はあった気がしますね。役が連れていってくれた2人の距離感といいますか」

■印象的だったシーンはありますか?
「結婚式のシーンでは、直美さんの昔からの知り合いが集まってくるんですけど、みなさん心から“よかったね”って祝福している空気が流れていて、普通に泣いちゃっていたりして。僕はこのドラマに途中参加でしたから、その光景を観て日々の現場の素敵な空気感を感じて、勝手に感動してました(笑)」
■本当にいい現場だったんですね。
「そうですね。あとはやっぱり出征するシーンですね。吾郎としては軍人としての誇りを持って行くんですけど、1人の視聴者として観た時に切ないな、どんな想いで観るんだろう……と考えてしまいました」

■吾郎さんが亡くなるシーンはハードだったのでは?
「戦死ではなく病死だったので身体を絞ったりしましたし、脚気という病気も調べて参考にしました。かなり切ないですよね。戦争から還って来ることができて、直美さんと未来を築けたかもしれないのに」
■ボタンのエピソードには泣けました。
「本当に素敵な脚本でした。吾郎のちょっと意地悪な愛情というか、直美さんを心から愛していたことが伝わりますしね」
■きっと“吾郎ロス”が日本中で巻き起こると思いますよ。
「もしもそうなったらうれしいです(笑顔)。でも明という子供の存在は、ある意味小川吾郎の分身でもありますしね。最後まで見守っていただきたいです」

■今回の朝ドラを経験して得たもの、または新しくできた目標などはありますか?
「いろんな方に観ていただいて、甲斐翔真がどんな役者なのかということを知っていただけたらいいなと思います。知名度がほしいとかじゃなくて、素直に、みなさんの生活の中にあるエンターテインメントの中にいたいです。今回、僕は『風、薫る』に全身全霊をかけたので、そこから見えてくるものがあるんじゃないかなと思っています」

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■共通テーマ音楽コラム「MY FAVORITE MUSIC VIDEO」■
ホイットニー・ヒューストン
「The Greatest Love Of All」Live In New York 23 Jul ’91
大好きなホイットニーの代名詞的な名バラード。もうすべてが素晴らしくて鳥肌が立ちます。エンターテインメントを超えた本物! 僕の心に刻まれた映像です。
■プロフィール■
甲斐翔真
かいしょうま。1997年11月14日生まれ。東京都出身。近年の出演作品は、映画『君は月夜に光り輝く』、ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』『エリザベート』『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』『キンキーブーツ』『マタ・ハリ』、ドラマ「元カレの猫を、預かりまして。」「ラジオスター」など。2026年10月よりミュージカル『ミス・サイゴン』が控えている(10月16日~11月29日:東京 東急シアターオーブ/12月5日~12月17日:大阪 梅田芸術劇場 メインホール/12月24日~12月27日:福岡 福岡市民ホール 大ホール/2027年1月8日~1月11日:静岡 アクトシティ浜松 大ホール/2027年1月17日~1月24日:北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru)。

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■クレジット■
Photo コザイリサ
Text 三沢千晶
Hair & Make-Up 堀川知佳
Styling 村田友哉
Costume ニット ¥40,000、パンツ ¥72,000、靴 ¥72,000(全てTHE VIRIDIANNE/TEL 03-5447-2100)
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■DRAMA INFORMATION■
連続テレビ小説「風、薫る」

総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分
※土曜は1週間振り返り
NHKBS、 BSプレミアム4K 毎週月~金曜 午前7時30~7時45分
※NHK ONE で同時・見逃し配信予定
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる「明治のナイチンゲール 大関和物語」
音楽:野見祐ニ
主題歌:「風と町」Mrs. GREEN APPLE
語り:研ナオコ
出演:見上愛 上坂樹里 佐野晶哉 生田絵梨花 甲斐翔真 平埜生成 井上祐貴 小林虎之介 多部未華子 中村倫也 水野美紀 坂東彌十郎 ほか
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