現在ビデオマーケット、Rakuten TVにて配信中の台湾BLドラマ『HIStory5 未来の君と出逢って～Love in the Future』など、人気ドラマの買い付けを手掛け、またプロデューサーとしても活躍するアニタ・ソンさんに、仕事をする上でのこだわりを伺った。

■アニタさんは、『HIStory』シリーズとしての魅力をどう捉えていらっしゃいますか？

「いろんなストーリーがあるところです。第1弾は3話のオムニバス作品であったり、『HIStory2』では年齢差のCPだったり。たくさんの人間ドラマがあったり、いろんな題材を使って作ってきたシリーズですね。激し過ぎない、BLとしてワクワクするスキンシップや、 ストーリーとしてもCPの愛がちゃんと伝わってくるところは、シリーズに共通した魅力だと思います」

■作品の買い付け、そしてプロデューサーとして作品を作る際の、アニタさん的なこだわりを教えてください。

「プロデュースを始めたきっかけはコロナなんですよ。もともと、台湾の作品をもっと日本のみなさんに届けられたらいいなという想いがずっとあったんですが、日本のコンテンツはしっかりとしていて、なかなか台湾のコンテンツは入りづらい部分があって。コロナ禍になった時に私は台湾にいたのですが、一時期日本に帰れなくなってしまったんですね。その頃に“日本で楽しんでもらえる作品を自分で作るしかないなぁ”と考えるようになったんです。それでプロデュースを始めました。私のこだわりはBL作品ですね。シンプルに愛が伝わるのがBLじゃないかな？と思っているんです。私はいわゆる腐女子ではないですし、『HIStory』が最初に公開された頃はまだBLの知識がなかったんですよ。でも周りにはLGBTQの友達が多くて、男性2人が恋愛する話をこんなにもかわいくドラマにすることができるんだったら、世間にもっと普及できればいいなと思ったんですよね。2010年にこの業界に入って、これまでアジアドラマをやってきて、今思うのは、“一部の人が満足できるコンテンツが提供できたらいい”ということ。それが私のこだわりです。シンプルに“愛を伝えたい”と思っています」

■シンプルに“愛を伝えたい”って、素敵なことですね！　では、新作を立ち上げるために俳優さんを起用される際にはどんなところを観ていらっしゃいますか？

「オーディションがとても大事です。先ほどもちょっとお話しましたが、BL作品は新人で若い人が多いですから、オーディションでじっくり観る必要があるんですよ。以前台湾でオーディションを行なってきた際には、100名以上の書類審査の後、さらに映像を送っていただいて、最後は30名くらいオーディション会場に来ていただいたんです。台本をお渡しして演じていただき、その後、16人くらいでワークショップを行ないました。そこでまず見るのは、写真や映像と顔や雰囲気が違っていないかです（笑）」

■たしかにそれは大事ですよね（笑）。

「そこで残った方々の、今回の役にふさわしい顔かどうかを含めたビジュアルは必須条件。そして最後、私のやり方としてはカップリングの化学反応があるかどうかを観ます。そこは私にとってすごく重要なことです。なのでいろんなワークショップをやって、たとえば、“この2人が手を繋いでいる時のフィーリングがいいか”どうかなど。その化学反応にはかなりこだわりました」

■今後、さらにやりたいことなどはありますか？

「あとは日本でも2.5次元舞台などありますけど、台湾でBL作品を舞台化できないかな？と考えていて」

■それはすごいです！

「私、大学で舞台の演出を勉強していたので、台湾ならではのBL込みの舞台ができたらいいなと思っているんですよ。BLドラマを舞台化して、さらにファンサービスになるイベントなどできたら、ファンのみなさんにも喜んでいただけるんじゃないかな？と。将来的にはそれが目標です」

■実現しましたら、ぜひ日本でも配信お願いします！　では最後に、アニタさんが仕事をする上で、一番大切にされていることはありますか？

「やはり、“人との関係性”ですね。常日頃から周りの人とのネットワークを築いて、いつでも動けるようにしています。プロデューサー業としてもそうですけど、いつ誰とどのような形で関わるかわかりませんから、出会った方々を大切に、長くお付き合いができるように心がけています」

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【共通テーマ音楽コラム「あなたにとってのラブソング」】

DREAMS COME TRUE 「LOVE LOVE LOVE」

大学時代から日本のドラマが大好きでよく観ていました。『愛していると言ってくれ』は大好きなドラマの１つなんです。2人それぞれ違う仕事をしていて、それぞれ夢を持っていて、お互いにまったく違う人間で、男性が聴覚障害ということもあり、どうやって心を通わせるの？とか。ストーリーの中に素晴らしい要素がたくさん散りばめられていて、私にとって大切な作品。このドラマに憧れすぎて、吉祥寺に住んだこともあります（笑）。

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【プロフィール】

アニタ・ソン（宋鎵琳）
映像プロデューサー。日本でも人気の高い台湾ドラマ「HIStory」シリーズや「We Best Love」シリーズの買付を担当し、「Be Loved in House 約・定～I Do」「隔離が終わったら、会いませんか」「正負之間～Plus & Minus」などの制作を手掛けている。

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【DRAMA INFORMATION】

「HIStory5 未来のきみと出逢って～Love in the Future」
ビデオマーケット、Rakuten TVにて配信中

配信ページ
ビデオマーケット　https://www.videomarket.jp/title/415038
Rakuten TV　https://tv.rakuten.co.jp/content/438218/

原題：HIStory5-遇見未來的你／英題：Love In The Future
監督：陳怡妤（チェン・イーユー）
出演： 張碩航（ショーン・チャン）、王肇緯（ワン・チャオウェイ）、徐韜（シュー・タオ）、陳璽安（アンソン・チェン）
©CHOCO Media Co.,Limited.

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【クレジット】

Text 三沢千晶

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