素顔で話すことを大事にした作品なので、
もしかしたら今作では何よりも僕に近いものを
お見せできるんじゃないかなと思っています
「騎士竜戦隊リュウショウジャー」でテレビドラマに初出演して以降、数々のドラマや映画作品に出演し、最近では「ブルーバースデー」で学生役を演じている兵頭功海。そんな彼がオーディションで掴んだという、初めての主演映画『消せない記憶』が3月31日に公開される。切なくも美しい今作について、撮影のエピソードなどを教えてもらった。
■今作の撮影はいつ頃だったのでしょうか?
「2021年の10月でした。僕の役は、ワークショップ型のオーディションで、1000人くらいの中から選んでいただいたようなんです」
■ワークショップ型のオーディションは珍しいですよね。
「そうですね。僕が演じた“西潤一”という役は、路上で一人芝居をする役で。相手役の女性がシンガーソングライターで、路上で弾き語りをしている役だったんです。なので、その2人が話すシーンの台本をいただいて、お芝居の準備をしていきました」
■一人芝居って難しいですよね。
「そうなんです。でも、課題をいただいたからにはやらなくてはと思い、いろいろ考えて挑みました。いざ、オーディション会場に行ったら、女性の方達がギターの弾き語りでオーディションを受けていたので、“いいな”と思い、その場でギターを借りて、僕も弾き語りをしたんですよ」
■いきなりですか⁉
「即興でやらせていただきました(笑)。そしたら、それが“西っぽい”ということで、監督が決めてくださったようです」
■確かに、西はどちらかというと積極的なところがありますよね。
「そうなんです。なので、一人芝居をするよりも、絶対にこっちのほうがいいだろうと思って、勢いでやっちゃいました(笑)。もちろん、それが全てではないと思うのですが、少なからず、この行動が関係していたなと思っていて」
■監督から選ばれたポイントは聞きましたか?
「その自由さや、目の奥の感じが西っぽい、と言っていただきました。西は役者を目指していて、劇中の監督と、言い合いをする箇所があるんです。実際にも、僕は監督さんと同じように話し合いができていたように思っていて」
■西は、その話し合いの中で、強い口調になることも多かったですよね。そこは共感できましたか?
「僕はさすがに“俺はできません!”とは言わないですが、例えば “こんな感じでやってくれればいいよ”と言われちゃうと、言い返すよりも、冷めちゃうんですよね。悲しくなっちゃうんです。一緒に頑張って作品を作ろうと思っているはずなのに、そこは妥協してしまうんだと思うと、すごく悲しくなってしまう…。その表現の違いだと思います」
■となると、切り込める西はカッコいいと思いますか? もちろん、調和を乱すのは良くないけど、憧れる部分もあったのではないでしょうか。
「そうですね。僕的には、カッコいいというよりは、それを言ったとしても嫌われない人物って、すごく素敵だなって思いました。西はまさにそういう人なんですよ。映画では全部は描かれていないのですが、それをしていても舞台に出続けられるし、昔から縁があるプロデューサーがいて、友達もいて。西はすごくいい人柄なんだろうなと思いました」
■確かに、お芝居のことにはすごく厳しいですが、バイト先などではすごく優しい雰囲気ですよね。
「そうなんですよ。やんちゃなクソガキみたいなイメージなんですが、だから好かれるところもあって。バイト先の先輩にはすごくかわいがられているんだろうなということが伝わってきたんです」
■ちなみに、今作の魅力はどんなところにあると思いましたか?
「ある意味、王道なのではと思いました。拠り所がない男女が出会って、お互い惹かれ合う、すごく素敵なラブストーリーなんです。ただ、その先がこの物語の肝になっているんですよね。その先があることで、人が生きていく上で、“記憶”がどれだけ大事かということを改めて教えてくれるんです。記憶って、当たり前すぎて、そこに気付かないんですよね。だって、記憶がなくなるなんて思わないじゃないですか? “記憶”という、大切で、尊いもののお話なので、最初に台本を読んだ時から、セリフがどんどん入って来たんです」
■それはよくあることですか?
「いや、あまりないですね。でも、だからこそ、そういった役に出会うとピンとくるんです。そういった役のセリフってすごく話しやすいし、たとえ台本を読み込まなくても、その場で役になってしまえば出来てしまうことがあるんです。海で話す時はこんな感じの景色で、こんな洋服を着ていてというのがすごく浮かびやすいですし、もちろん匂いはしないですが、匂いまでなんとなく香ってくる気がするんですよね。今作の台本にも、それを感じたんです」
■兵頭さんと西の温度感がすごく近かったのかもしれないですね。
「実は、当時のマネージャーさんが、このオーディションの内容を観た時に、“絶対に功海のままでいけるから”って言ってくださったんです。譲れないところは譲らないし、人見知りもしないで喋れちゃうところは、西に近いんだろうなと自分でも思いますし(笑)。何かを作るというものではなく、何もない状態で、素顔で話すことを大事にした作品なので、もしかしたら今作では何よりも僕に近いものをお見せできるんじゃないかなと思っています」
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【プロフィール】
兵頭功海(ひょうどうかつみ)
1998年4月15日生まれ。福岡県出身。近年の出演作はドラマ「ドラフトキング」「ブルーバースデー」「片恋グルメ日記」シリーズ「インバージョン」「ブラックシンデレラ」「DIVE!!」「社内マリッジハニー」「騎士竜戦隊リュウソウジャー」、映画『五億円のじんせい』『レッドブリッジ/レッドブリッジビギニング』など。
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【MOVIE INFORMATION】
『消せない記憶』
2023年3月31日(金)より シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』 ほか全国順次公開
キャスト: 兵頭功海 桃果
山本亜依 八木拓海 山形美智子 志波景介 光徳瞬
白石優愛 篠田諒 みやたに 高川裕也 関幸治 秋田ようこ
田中栄吾 ゆかわたかし 古谷蓮 清水杏樹 江田來花 垣内健吾 佐々木ありさ
丸林孝太郎 元松あかね 西尾茉侑 早川みゆき アンディ本山 岩永達也 田村陸
高尾美有 細川佳央 オカモトジョージ 辻夏樹 髙橋祐美 山下ケイジ 岬ミレホ
三月達也 松木大輔 宇田川宰 鶴田翔
製作・脚本・監督・編集:園田 新
共同プロデューサー:小島英雄
アソシエイトプロデューサー:中小田聖一
撮影監督:嶋根義明
撮影助手:亀井耶馬人、板垣優天
照明:大柳玲於
録音:岡本洋平、佐々木誠司
美術:野中茂樹
衣裳:山崎惠子
ヘアメイク:宇都圭史
音楽:中里正幸(Lucid And The Flowers)
整音:家﨑大、安藤彩
スチル:増田彩来
美術助手:木俣恵太、鄧雅文、野中みつき
プロダクションアシスタント:岡部汐央里、高瀬岬
イラスト・デザイン:山口真理子
フードコーディネーター:住川啓子
AFF クラウドファンディング:MOTION GALLERY
製作・配給:CiNEAST
©2023 CiNEAST All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.cineast.jp/kesenaikioku/
公式Twitter:@kesenaikioku23
公式Instagram:https://www.instagram.com/kesenaikioku/
【クレジット】
Photo コザイリサ
Text 吉田可奈
Hair&Make-up Emiy(エミー)
Styling 岡本健太郎
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