タイの国民的シンガーソングライター、STAMP。この状況下になるまでは日本に3ヵ月に1回は来ていたという親日家の彼は、これまでもSKY-HIやYMCK、THE CHARM PARKなど日本で活躍するミュージシャンとコラボレーションを果たしてきた。そんな彼が、次にコラボレーションするのは前衛的で圧倒的なセンスを持ち合わせるヒップホップユニット、chelmico。今作について、コラボレーションに至るきっかけから楽曲の魅力までじっくりと話してもらった。
■STAMPさんがchelmicoを知ったのは何がきっかけだったのでしょうか。
「2019年に日本に来た時に、chelmicoさんが日本のメディアに出演していてすごく気になっていたんですよね。そんななか、この曲に女性の声を入れたいなと思った時に、すぐにchelmicoが浮かんだんです。彼女達の明るさ、エネルギーが溢れているパワーを取り入れたいなと思い、声をかけさせていただきました」
■実際にどんなディスカッションが行なわれたのでしょうか。
「まず、ラップパートが２つあったので、1人ずつオリジナルで歌っていただいたんです。彼女達が用意してくれたリリックからは、もともと僕が書いたメロディパートの歌詞の解釈がそれぞれ違っていることが分かって、すごくおもしろかったんですよ。レコーディングに関しては、僕が日本に行けない状況なので、とあるプログラムを使い、レコーディングスタジオの音を、現場にいるようかの音質で聴くことが出来たので、本当に側にいるような感覚で実現することが出来ました。ハモってほしいところや、細かい指示だけじゃなく、オンラインでしっかりとお話しながら進められたので、すごくいいものが出来たと思います」
■国境関係なく、レコーディングができる時代になりましたね。
「そうですね。すごく素敵な時代になったと思います」
■ちなみに、歌詞の解釈の違いはどのようなところに感じましたか？
「もともと僕はタイ語で歌詞を書いていて、その内容は“誰かを好きすぎて、その人を誰にも見て欲しくない、独り占めしたい”というストーリーだったんです。それをchelmicoさんに渡して、ラップパートを書いていただいたんですが、1つが“嫌だ”というものと、もう1つが“この気持ちを受けて、すごく嬉しい”というものだったんですよね。その正反対に分かれているのが面白くて！」
■あはは。その独占欲というのは、どこからアイディアが出てきたのでしょうか。
「この曲を作ったのは2018年くらいだったんです。その当時、僕の友達がBNK 48というアイドルグループにどっぷりハマっていたんですよ。その時はまだ、その友達の“推し”はあまり人気がなかったんです。でも、そこからどんどん人気が出始めて、複雑な気持ちになり、“独り占めしたい、という気持ちになった”と話していて。その気持ちがすごくおもしろいなって。僕的には、“応援していたインディーズバンドがメジャーになってしまうような感覚”に似ているのかな？と思ったんです」
■その気持ちは世界中であるんですね（笑）。
「あはは。そうみたいですね。僕は好きなアーティストが人気になると、“最初から目をつけていたよ！”って、嬉しくなりますけどね（笑）」
■それにしても、毎回日本のアーティストのピックアップがすごく素敵だなと思うんですが、今もいろんな国のアーティストをチェックしているのでしょうか。
「そうですね。今はメキシコの曲を良く聴いています。曲調もすごくナチュラルで、メキシコの言語もすごく素敵なんですよ。例えば、洋楽を聴くと、ステーキやバターの匂いがしていたんですが、メキシコはまた違う匂いがするんです。新鮮な気持ちになるので、すごく刺激をもらっています」
■ちなみに、chelmicoの匂いはどんな匂いでしたか？
「う～ん、パーティの匂いがします！（笑）」
■分かる気がします（笑）。STAMPさんが思う、chelmicoの魅力はどんなところでしょうか。
「chelmicoのお2人は、キャラクターが違ったり、ルックスのタイプも違うからこその、化学的な反応がすごくおもしろいんです。あとは純粋に、存在がオシャレですよね。現代の楽しみ方を知っている人達だなと思っています」
■この状況下になっても、STAMPさんは次々と新しい挑戦をされていますが、そのモチベーションはどこにあるのでしょうか。
「“好き”という気持ちだと思います。何をやるにしても好きな気持ちがないと続かないし、難しいんですよね。例えば、日本が好きだから、何度も足を運ぶし、日本の音楽を聴きたいんです。それがなによりもモチベーションになっています」
■もし次に日本に来られた時は、何をしたいですか？
「吉祥寺にある神社にお参りしたいと思っています。毎回行っては、“曲がヒットしますように”ってお願いするんですよ。最近行けていないので、ヒットが出来ないのではと心配になっています（笑）」
■ちなみに、私達がタイに行く時におススメしたい場所を教えて下さい。
「川沿いにあるリバーシティをオススメしたいです。最近リノベートされている場所が多く、アートギャラリーになっているんですよ。あとは、日本でも活躍しているイラストレーターさんが手掛けたマムアンちゃんのキャラクターショップも出来ているので面白いと思いますよ」
■ありがとうございました！ いつかライヴでSTAMPさんの音楽を聴くのを楽しみにしています。
「僕もです。早く日本に行って、ライヴがしたいと思っていますので、実現した時はぜひ遊びに来てくださいね」
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【音楽テーマコラム：旅立ちの季節に聴きたい1曲】
STAMP「It Cloud Be Love」
ドラマ「Love By Chance」の主題歌となった曲です。この曲は、人が好きなことをやり続けるモチベーションを歌っているんです。新しい季節にピッタリなので、ぜひ聴いてみてくださいね。
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Text ⇒ 吉田可奈
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【プロフィール】
■STAMP
Stamp Apiwat／’82年5月13日生まれ。タイ・バンコク出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサー。’18年には日本でのワンマンライヴ、’19年にはジャパンツアーを開催。’20年夏からは、本格的に日本での活動を開始。「日本語歌唱／日本人アーティストとのコラボ」をテーマに、既に2作品配信リリース。主催レーベル「123Records」のYouTubeチャンネルは、総再生回数1億2000万回を突破。
★STAMP Official
https://avex.jp/stamp/
★STAMP Twitter
https://twitter.com/StampApiwat
★STAMP YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCX8CoPcorL-apWj2JfKPwfA
★STAMP Spotify
https://open.spotify.com/artist/4e3QCzBNkr0t3GGqo86Ofl?si=B62JdhwWR8KLyye3myicxQ
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【Single Information】
第3弾日本語シングル「HIDE YOU feat.chelmico」
2021年2月17日配信スタート
★第1弾日本語シングル「ジェイルハウス feat.SKY-HI」
2020.9.18 Release
★第2弾日本語シングル「It takes two prod by THE CHARM PARK」
2020.11.27 Release
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