美しく、切なく、心を奪う「ポルノグラファー」がついに映画化!
2018年に公開され、FOD史上、最速で100万回再生を突破した大ヒットドラマ「ポルノグラファー」。ひょんなことから知り合った官能小説家・木島理生(竹財輝之助)と、大学生の久住春彦(猪塚健太)が、 “官能小説の口述筆記”のバイトをきっかけに距離を縮め、お互いが大切、かつ、替えの利かない存在であることを認め合うまでの物語は、ドラマにてじっくり、しっかりと描かれ、観る人達に感動を与えた。さらに今作の監督を務める三木康一郎監督は、圧倒的に美しい情景描写の中での2人の愛を描き、幻想的でありながら、でも、生々しく、時にリアルに心情の揺れを映し出し、熱狂的なファンを生み出したのだ。
ドラマは公開以降、SNSを中心に盛り上がり続け、続編「ポルノグラファー~インディゴの気分~」(2019年)も映像化。木島の過去の恋愛を描いた内容は物語にさらに深みを与え、これもまた多くの支持を受けている。
原作のオリジナル漫画がアジア中で愛されている名作であるだけでなく、ボーイズラブ作品として初の連続ドラマ作品となったことも相まって、このドラマのファン達の熱量はとても高い。その熱い声は原作者の丸木戸マキ氏まで届き、なんと、その反響を受け、木島と春彦のその後を描いた続編が誕生したのだ。猪塚はこの続編を、映像化が決定する前から自分が演じる前提で読んでいたという。だからこそ、この続編が映画『劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜』として制作されることが決まった時は、とても驚いたようだ。
本誌のインタビュー(awesome!Vol.40)で映画の撮影当初を振り返ってもらうと、久々に再会した2人の間には奇妙な距離があったと話す。しかし、演じるのは木島と春彦。その距離感は絶対的に必要のないものと確認し合い、その気持ちのまま抱擁シーンを撮影したんだとか。
ちなみに、劇場版のプロローグであるドラマ「ポルノグラファー~春的生活~」では、久々に会うことができて嬉しくてたまらない感情をそのまま表情に出した春彦と、表情にはあまり出さないものの、嬉しさがにじみ出ている木島が心と身体を交わし合う姿が幸せに満ちている。竹財が“子犬のよう”という、納得しかない猪塚の全開の笑顔もぜひ観てもらいたい。
しかし劇場版の本編では、竹財いわく“こじらせすぎた木島”と、想いを伝えに来たのに上手くとりあってもらえない、真っ直ぐな春彦との気持ちのすれ違いがじれったく続いていく。
心から愛しているのに、“こんな自分でいいのか?”と自問自答し、春彦に対して上手く気持ちをぶつけられない木島と、2人の大切な想い出である“官能小説の口述筆記”を自分以外にさせている姿を見て、踏みにじられた気持ちになり傷つく春彦など、「どうしてそんなにうまくいかないの!」と思わず叫んでしまいそうになるくらい。
今作では、そんな2人を取り巻く個性的なキャストも登場する。木島が妹との関係に悩み、家を出た後に出逢う明実春子(松本若菜)と、その息子、静雄(奥野壮)。この2人の家に、木島と連絡が取れなくなった春彦が駆けつけたことでさらに物語は絡まり…。
その他、担当編集である城戸士郎(吉田宗洋)も、木島の心を動かす大きな言葉を投げかけていく。これもまた! 切ない!!!
インタビュー時に、竹財はこの映画に対し、“結局2人のイチャイチャを見せつけられているような感じ”と話していたが(笑)、恋愛は往々にしてそういうもの。お互い愛し合っているにもかかわらず、相手からの自分への気持ちに自信が持てず、確認しては思うような答えが得られず、さらにこじれ…。気持ちは伝えているはずなのに、違う人間だからこそ、それが充分になることは難しい。でもだからこそ、儚く、切なく、美しいのだ。
劇場版では、この2人が、周りに助けられながらも、自分の心の中にある愛を確認し、さらにお互いの愛を確認するまでがしっかりと描かれている。ぜひ、映画館でその気持ちをじっくりと味わってもらいたい。
さらに、その苦しくなるほど切ない気持ちを増長させてくれるのは、その場の匂いや光の美しさ、気温、湿度などをすべて感じさせるような美しい映像と、鬼束ちひろの音楽。エンドロールで流れる主題歌「スロウダンス」に、きっと身体ごと、心ごと包まれるような感覚に陥るはずだ。
現在発売中の本誌では、2人による対談にて、映画の裏話や、木島と春彦への想い、さらに竹財と猪塚、2人のプライベートでの関係性などもしっかりと聞いているので、ぜひ映画と一緒に読んでもらいたい。(Text ⇒ 吉田可奈)
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【MOVIE Information】
『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』
2月26日(金)より新宿ピカデリーほか 全国映画館にて3週間限定上映
監督:三木康一郎
原作:丸木戸マキ「續・ポルノグラファープレイバック」(祥伝社onBLUE comics)
出演:竹財輝之助 猪塚健太
松本若菜 奥野壮 小林涼子 前野朋哉/吉田宗洋 大石吾朗
主題歌:鬼束ちひろ「スロウダンス」(ビクターエンタテインメント)
音楽:小山絵里奈
製作:松竹開発企画部
配給:松竹映画営業部ODS事業室/開発企画部映像企画開発室
HP:https://pornographer-movie.jp/
©2021松竹株式会社 ©丸木戸マキ/祥伝社
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【MAGAZINE Information】
★awesome! Vol.40
発売中!!
B5変型/176ページ/¥1,500+税
スペシャル撮り下ろしグラビア+ロング対談 16ページ掲載
https://awesomemagazine.jp/2021/02/10/
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