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思春期に初めて感じる人を好きになる想い、夢に対しての希望、そして自分と向き合い、感じる絶望――。成長と共に思い通りにはならない気持ちの行き場を失くし、それでも願いたい、相手に触れたいと思う素直な感情。そんな振り子のように常に揺れ動く気持ちを鮮やかに、美しく描いた「I Told Sunset About You 〜僕の愛を君の⼼で訳して〜」。
先週、先々週とこの連載にてインタビューを公開したBillkinがPPと共に主演した今作について紹介します。
中国ドラマのヒーローに憧れ、俳優になることを夢見ている中学生のテー（Billkin）。親友のオーエウ（PP）と共にドラマの再現をして遊んでいましたが、とあることをきっかけに決別。そのあることによって、2人は別々の道を歩くことになってしまうのです。
そんななか、高校3年生となった2人は、中国語の塾で再会することに。お互いにわだかまりを解くことができないどころか敵意をむき出しにして一発触発……。しかし、同じ大学を目指すというライバル関係となった2人は、勉強が苦手なオーエウの家庭教師をテーが請け負うことによって、また以前のように友達の関係に。でも、2人は以前の親友同士の時とは違う感覚が芽生えていくのです。
この縁が切れていた3年の間に、テーはクラスメイトで愛らしいターンに猛烈アプローチ。夢に向かって受験を頑張るターンは、受験が終わるまで恋愛はおあずけと言っていますが、2人の関係はとっても可愛らしく、いい雰囲気に。対するオーエウも、優しい同級生、バスのことが気になり、片想い中。2人とも恋人同士に発展していないものの、“人を好きになる”ということを経験。しかし、オーエウはテーと勉強を通じて距離を縮めていくうちに、いつしか特別な想いが芽生え、その想いを確信していくのですが…。
誰かを大切に思う、独り占めしたいと願う想いは、相手に自分を好きになってもらいたいという願いと同じ。相手の気持ちが分からないからこそ、気持ちが混乱し、溢れ出していく様子が、とても繊細に、しっかりと描かれていきます。
今作では、Instagramにある24時間後には消えるストーリー機能が2人の心をかき乱していく要素としてうまく描かれています。これまでのタイドラマでもFacebookなどが多く使われていましたが、ストーリー機能で相手が見ているかどうかの反応を何度も確認しては、相手にだけ分かるものをアップしたり、自分の行き場のない想いを衝動的に載せ、波乱を起こしたりと、2020年代だからこその描写に、より共感出来る仕上がりに。
ロケ地であるプーケットのレトロで美しい風景と、美しい海、そして抒情的な音楽と共に彼らの物語が進んでいきますが、全5話とは思えないほどの深い爪痕を観た人達に残す、切なく、美しい作品となっているのです。2人がそれぞれ好きになったターンとバスの心情の変化や、切なさ、苦しさもしっかりと描かれ、恋愛の残酷さや美しさも表現。さらに、オーエウが見せる迷いやあざとさも夢中になるポイント。
果たして2人は想いを重ねることができるのか、自分と向き合い、本当の自分の想いを受け入れることができるのか――。
映画のような美しい映像と共に、Billkinが前回のインタビューで “PPがいなければ、ここまでこられなかった”と話す関係性を作り上げた今作を、ぜひ観てみてください！（Text ⇒ 吉田可奈）
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【DRAMA Information】
I Told Sunset About You 〜僕の愛を君の⼼で訳して〜
Rakuten TVにて、全話配信中!!
【配信サイト】
https://tv.rakuten.co.jp/special/itsay/
本編全5話+メイキング特別編
監督：ナルベート・グーノー
脚本：ナルベート・グーノー、アラッチャポン・ポーキンパーコン、ガラゲート・ナラセーパーポン、ナロン・チャートスーンヌーン
出演：プティポン・アサラタナグン（ビウキン/Billkin）、グリット・アムヌアイデシャゴン（ピーピー/PP）
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【ライタープロフィール】
吉田可奈（よしだかな）
⇒ エンタメ系フリーライター。B-PASS、awesome!、ファッション誌ほかで執筆中。『2gether』をきっかけにタイＢＬの沼にドボン。報告・連絡・相談がウルトラ下手くそなカップルに萌えますが、毎回テレビに向かって「ＬＩＮＥ使って！」と叫んでいます。オススメのタイＢＬ教えてください。@knysd1980（著書本「うちの子、へん？」発売中!!） https://www.amazon.co.jp/dp/4594084079/
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