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    2023年8月16日 渋谷すばる 【渋谷すばる×TOWER RECORDS『すば基地~The Secret base~Vol.1』POP UP SHOP】インタビュー

    2019年からソロ活動をスタートさせた渋谷すばるが、アーティスト活動5周年を目前に、渋谷すばるの音楽とその全てにまつわる自身の全てが詰め込まれた遊び場を展開することとなった。

     【渋谷すばる×TOWER RECORDS『すば基地~The Secret base~Vol.1』POP UP SHOP】と称された遊び場は、8月16日から8月31日に渋谷タワーレコード渋谷店2階展示場にて開催される。ここでは、普段使っているギターやハープなどの展示はもちろん、本人が撮影した写真や、本人がこの遊び場の為に描きおろしたイラストなども展示される他、足を運んでくれた人達が楽しんでもらえるレクリエーション要素がたくさん仕込まれた空間となるのだという。

    今回は、そんな遊び場【渋谷すばる×TOWER RECORDS『すば基地~The Secret base~Vol.1』POP UP SHOP】の開催に先駆け、8月11日にタワーレコード渋谷店B1のライヴハウス『CUTUP STUDIO』にて初のアコースティック限定ライヴ『すばるの部屋・1回目~俺ん家、寄ってかへん?~』での様子を振り返りながら、渋谷が“作品”に向き合う想いについて訊いてみることにした。

    「渋谷すばるでーす!」

    ――自己紹介ありがとうございます(笑)。

    「どういたしまして(笑)」

    ――8月11日にタワーレコード渋谷店B1のライヴハウス『CUTUP STUDIO』にて行われた初のアコースティック限定ライヴ『すばるの部屋・1回目~俺ん家、寄ってかへん?~』、最高のライヴになりましたね。

    「もうほんまに楽しかった! めっちゃ楽ししかった! ほんまに最高やった! ずっとやりたかったことでもあったから。改めて、あー楽しいなぁ、これがやりたかったんやなぁって思った。別にバンドスタイルが嫌とかいう訳じゃなくて、バンドスタイルでの魅せ方も自分にとってはすごく大事なところであって、いろんな場所で渋谷すばるとしての音楽を広げていく為には本当に必要な場所やと思っているし、フェスとかに呼んでもらったときとか対バンとかで戦うときとかは、バンドスタイルの渋谷すばるで戦っていきたいと思っているから、そっちもすごく大事やし、自分にとって必要だし大事な場所でもあるんやけど、アコースティックライヴの方は、ほんまに、タイトル通り“俺ん家”感満載やったから、楽しいだけしかなかったというか(笑)。自分だけが楽しいって感じじゃなくて、距離感も含めてみんなもすごく楽しそうにしてくれていたし、こんなに楽しい場所もあったんやなぁって改めて思えたというか」

    ――リハーサルのときから楽しそうでしたもんね(笑)。

    「いや、ほんまにめっちゃ楽しかった。すごく自由な感じで、肩の力を抜いてやれるというか」

    ――ずっとやりたかった形だったのに、4年間ソロ活動してきた中で初だったんですよね。

    「そう! ほんまにやっと出来た感じやった。ほんまにタイミングやったんやと思う。ずっとやりたいって思ってたんやけど、やる機会がなくて今になったって感じ。ポップアップ展をやることになって、そこで自分の絵とか写真とかギターとかハープを飾ることになって、そのイベント開催に先駆けてタワレコのB1にあるライヴハウスで、250人限定のライヴをしようってことになって。初めはいつものバンドスタイルでやろうという話やってんけど、ポップアップ展で自分で描いた絵とか写真とか、より自分の内面に近い部分を魅せていくんだから、より歌が直に伝わる感じのアコースティックライヴという形でもええんちゃうかな? って思ってん。それで、スタッフに“アコースティックライヴってどうかな?”って話したら、いいね! ってことになって。通常のバンドとして動いてるメンバーとはまたメンバーが違うんだけど、昔一緒にやっていたメンバーでもあるから、リハーサルのときにいろいろとアレンジを変えていったりもして、アコースティックならではのアレンジに変えたりして。“こんなんいいんちゃう?”みたいな感じで。ほんまにめっちゃ楽しかった」

    ――本当に楽しそうでしたからね。本番も、MC中にゲップとかして、、、、(苦笑)。

    「あははは。家やもん。家でゲップするやろ(笑)? タイトルそのままやん。『すばるの部屋・1回目~俺ん家、寄ってかへん?~』やもん。ほんまに家にみんなを呼んだ感じのラフさでやったライヴだったんで(笑)。でも、音と歌はふざけてないですよ!」

    ――スパニッシュ的なアレンジやジャジーなアレンジも最高でしたね。

    「めっちゃ楽しかった!」

    ――歌の感じもいつもと少し違ってましたからね。本当にラフな感じが心地よかったです。アッパーチューンの「池」は本当に久しぶりに聴けた気がしましたが、客席もすごく盛り上がっていましたし、渋谷すばるのこういう曲をもっと聴きたいなと個人的に思ったりもしました。

    「やっててもその熱はすごく伝わって来たからね。ちょっと待ってて! 今、いろいろと考えてるから!」

    ――楽しみにしてますね(笑)。今回のアコースティックライヴでやった曲達は、普段バンドで演奏してる楽曲のアコースティックヴァージョンでしたけど、アレンジを変えて歌ってみてどうでしたか? すごく自由に歌えてる感じがしました。伸び伸びしていたというか。

    「アコースティックって音数が少ない中で表現するでしょ。だから、なんか、その曲を作った瞬間に戻った感覚になんねん。生まれたての感じに戻るというか。いつも曲を作るときは、自分で思いついたままを鍵盤とかギターで弾いて形にしていくんやけど、その状態って、服を何も着せてない状態やねん。そこからなんとなく自分でアレンジとかしていって、その作業の中で自分の好きな服を着せてあげてってる感覚やねん。自分好みの服を着せていく感じやから、ある意味自己満というか。そこからバンドメンバーに投げて、ギターとかベースとか鍵盤とかドラムとかが加わっていって、それぞれにメンバーが意見をくれて、そこからどんどんアレンジが変化していくんやけど、なんかな、それを見てるときは、嬉しくもあり、人の手に渡っていろいろとされてるのが、なんか、なんとも言えん“ぬおぉ~~~”って気持ちになんねん(笑)。嬉しいねんで。嬉しいっていう気持ちの方が断然強いんやけど、なんやろ、なんかいたたまれん感情に苛まれんねん(笑)」

    ――嫁に出すときの父親的な感情の様な(笑)?

    「あははは。そういうお父さんの気持ちにはなったことないけど、きっとそうなんやと思うわ! なんか、大好きな人のところに嫁に行くのは喜ばしいことなんやけど、もう自分だけの娘じゃなくなってしまう感覚、みたいなことやろ!? そうそうそう。ほんまにそういう感じなんやと思う(笑)。嬉しい様な、寂しい様な(笑)」

    ――服を着せてもらっている感覚なんですね。

    「そう」

    ――ギターというブラウス、鍵盤というスカート、みたいな?

    「そうそう。だから、中には、俺じゃ絶対に選ばない服とかを着せてもらってる感じがあって。あー、そういう服着せられるんやね。なるほど~、でも、案外似合ってるやん! みたいな感覚で見守ってる感じというか(笑)。それが、アコースティックアレンジをすることになったときは、みんなに選んでもらった綺麗な洋服を一旦脱がせて裸にして、改めて新しい洋服を着せてあげてってる感覚になるんだよね。それがなんかめっちゃ新鮮だし、めっちゃ楽しい。なんかな、“おかえり”って言ってあげたくなる感じになんねん」

    ――なんかすごくいい話ですね。

    「うん。なんか久しぶりに帰って来てくれたね、って感覚になる。なんか、この感覚すごくいいなぁって」

    ――みんなに着せてもらう洋服は、ある意味戦闘服でもあるのかもしれないですね。だから、帰ってきたときに、なんとなく“おかえり”っていう気持ちになるのかも。

    「たしかにそうかもしれへんね。ほんまにこれからも続けていけたらいいなって思えた時間だったので、この先も楽しみにしていてもらえたらと思います!」

    ――16日からは【渋谷すばる×TOWER RECORDS『すば基地~The Secret base~Vol.1』POP UP SHOP】が始まっていますね(8月16日から8月31日に渋谷タワーレコード渋谷店2階展示場にて開催)。ここではすばるくんが描いた絵や写真も展示されている訳ですが、昔描かれたものもありつつ、最近描かれた絵もたくさんある様で。

    「なんかいっぱい描きました! 絵を描く時間は、音楽と向き合っている時間とはちょっと違うというか。なんも考えない時間でもあるんですよね。だから、一切考えて描いてないというか。そのときの感情のままだったりする」

    ――新しく描いた絵は昔の絵のタッチと少し変わった気がしますね。何も考えずに描かれているとは思えないくらい、イラストが密に構成されている感じの絵もありますし。

    「たしかに、計算して描いてる感じにも見えるかもね。でも、ほんまに何も考えて描いてない。思うがままに、そのときに描きたいものを描きたい色を使って描いてるだけ」

    ――すばるくんが描いている人物の様な、ほわ~んとした印象の生き物は、何をイメージして描かれたものなんですか?

    「これはね、俺。自分自身なんです。だから、左耳に穴が空いているでしょ。それが俺である証拠なの」

    ――あ、昔空けてたピアスの穴ですね。

    「そうそう」

    ――10代の頃から空けてましたよね。ボディピアス。すごく大きな。0ゲージくらいの。当時、蛍光色のボディピアスだった様な。

    「そうそうそう(笑)! 今はピアスしてないけど、そのときの穴はそのまま残っているからね。その穴が俺である証拠。自分を描きたくて描いてるってわけじゃないけど、なんか、こういう感じのところに自分が居る感覚があって。ついつい描いてしまうというか。たまに穴のない子も居るんやけどね。それは俺じゃなくて、誰か。それもなんとなく。なんとなくそんな気分だから描いたって感じ。そのときの気分やから、いろいろとこの先も変わっていくかも」

    ――それも音楽や歌詞と同じですね。歌への向き合い方の話や、“どうして渋谷すばるの曲にはラブソングが存在しないのか?”みたいな話をさせてもらったこともありましたが、もう一つ、ずっと気になっていたことがあったんですよ。

    「何? 何? めっちゃ気になる(笑)。何が気になってるんやろ(笑)。何?」

    ――すばるくん、関西弁で歌詞書かないのかな? って。上田正樹さんの「悲しい色やね」とかも好きって言っていたし、DREAMS COME TRUEの「大阪LOVER」はカヴァーもしてましたよね。なのに、自分では関西弁で歌詞書かないんだなぁって。

    「なるほど。そこね! そう。それはね、自分でも思うところというか。関西弁は小さい頃から話してきた言葉やし、今も普段から関西弁で話してるし、逆に特にそこを意識したことってないねんな。“どうして関西弁で歌詞書かないの?”って聞かれることが、俺にとっては“あぁ、そういえばそうやね。たしかにね。そんなこと考えたこともなかったわ~! でも、なんでやろ?”って感じくらい、そこを特別に意識して避けてた訳じゃないというか。関西弁はほんまに俺にとって普通のことやから。でも、今そういう質問されて改めて思ったけど、だからなんやと思う」

    ――ん? だから、とは?

    「だから、より関西弁で歌詞が書けへんのやと思う。なんかな、そのまま過ぎるというか、なんていったらええんやろ? ありのままの自分過ぎて書けへんのかも。もちろん、普段話をするときとかも、ライヴ中のMCとかも嘘をついたことは一回もないし、もちろん歌詞でも嘘をついたことはないんやけど、関西弁で歌詞を書くとなると、更に自分そのものになってくるから、なんか書きづらいというか。言葉では説明出来ない感じなんやけど、逆に構えてしまうのかもしれへんなって思う。すごく不思議やけどね。だから、“関西弁で歌詞を書いてみよう”って思ったことがないねんな」

    ――なるほど。関西弁の歌詞を歌うことに抵抗はないのに、なんだか不思議な感覚ですね。

    「ほんまにそうやね」

    ――ラブソングも、人の書いてくれたラブソングならば、抵抗なく歌えるんですもんね。

    「そうやね。そこはやっぱり自分の言葉じゃないからかもね。お芝居とかだったら出来るのと同じ感覚なんかな? そこはずっとバンド一筋でやって来たミュージシャンとは異なる感覚なのかもしれへんね。まぁ、俺がそう思うだけなのかもしれへんけど」

    ――関ジャニ∞の代表曲でもある「大阪ロマネスク」は関西弁もあるし、ラブソングですからね。すばるくんにすごく似合う曲だなって思ってました。

    「すごくいい曲だよね。人の書いてくれた曲だし、聴いてくれる人のことを思って歌っていたから、そこにちゃんと気持ちもあったし、歌っていた自分に嘘はないんだよね。歌って不思議だよね。でも、今、ずっと自分の言葉と自分から生み出した楽曲でソロになってから約4年向き合って来て、徐々にいろんな歌が歌いたくなって来てるのは事実。自分の言葉じゃないと自分の歌じゃないって頑なに思っていた時期もあったけど、今は本当に“自分が歌うからこその歌”を歌いたいなって思う。だから、今までは考えたことなかったけど、考え方もいろいろと広がって、いろんな変化が生まれて来ている今は、楽曲提供という形や、共作という形もありなのかなって思えてきている自分も居て。そこで自分がどんな自分を発揮出来るのか見てみたい気がしてきたというか」

    ――すごくいいことですね。歌って、“誰が歌うか”だと思うんですよね。同じ曲でも歌う人が違うと全く違う伝わり方になると思っていて。

    「ほんまにそうやと思う。そこにどういう想いで向き合うか、どういう感情で向き合うか、だったりするよね。歌う人の経験や、その人の人生そのものが映し出される気がするから。それはカヴァーを歌ってみて感じたことだったりもするんだよね。聴いて“いい曲だなぁ”って思った曲を実際に自分で歌ってみたら、もっとその曲の良さに気付けたりとか。その人がどんな想いでこの曲を作ったのか、どんな想いで歌っていたのか、って考えたら、また歌い方も変わってくるし。自分の曲みたいに歌ったら、そこに自分の人生が乗るし。本当に歌ってすごいなって思う。この先、自分自身もそんな感動とたくさん出逢っていけたらいいなと思ってます。それで、聴いてくれる人達を幸せに出来るなら、そんな幸せなことはないなと思ってます」


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    【プロフィール】
    渋谷すばる(しぶたにすばる)
    1981年9月22日大阪府出身。15歳より22年間ジャニーズ事務所に所属し、2019年よりソロアーティストとしての活動をスタートさせる。8月16日にはミニアルバム「ALPACA5」をリリース。8月16日~30日にタワーレコード渋谷にてアート展を開く。また、8月11日に初のアコースティックライヴ、10月からは東名阪ツアー『渋谷すばる LIVE TOUR 2023「ん」』の開催が決定している。


    公式HP

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    【Information】

    ポップアップ展『すば基地~The Secret base~ Vol.1』

    8月16日(水)~8月31日(木)
    タワーレコード渋谷店にて開催中!!


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    ミニアルバム 『ALPACA 5』
    8月16日リリース

    収録曲
    M1.ぼーにんげん
    M2.これ
    M3.stir
    M4.7月5日
    M5.ないしょダンス

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    【クレジット】

    Photo 大川晋児
    Text 武市尚子
    Hair&Make-up 矢内浩美

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