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    2023年9月5日 NORD アルバム『0909』 インタビュー

     北海道に拠点を置きつつ、ライヴに、舞台に、映画に、バラエティにと、NORDの活躍の場はもはや全国区。アーティストとしてさらなる飛躍を求めて完成させたニューアルバム『0909』について、メンバーに話を訊いた。

    ■オープニングナンバー「Aftergrow」のイントロの時点でもう、これまでと違う景色を見せる気なんだというのが伝わってきました。

    一同「おおおお~!!!!」
    舟木健「5月末に演劇公演をやって、NORDは7周年を迎えたんですけど。7歳、小学校に入学するタイミングってひとつのポイントだから、何か新しい挑戦をしたいね、今までのNORDとは違った雰囲気の作品を出そうっていう考えがNORDチームにあって、それが1曲目から表れているなぁと思います」


    舟木健


    ■それにしても、それぞれがプロデュースして楽曲を完成させるというのは、かなり大きな挑戦ですよね?

    舟木「各々が外で得た経験とか、いいこだわりを初めて曲に出せる、やっとちゃんとアーティストになれるなっていう」
    安保卓城「アルバムタイトルの『0909』はエンジェルナンバーで、“大きな転機の前兆”って意味なんですよね。9月9日に開催する初めての野外ライヴを機に、NORDの新時代を作りあげるぞ!という気持ちも込めています」

    ■プロデュース曲は見事なまでに4人4様というか。舟木さんが作られた2曲がまたバラッバラなので、4人5様の曲たち。これはトラック選びの際に役割分担を決めてから、各々の制作に挑んだってことでしょうか?

    安保「まぁ健は本当に健らしい曲を作ってきてくれて。僕ら3人はたくさんのデモの中から、純粋に自分に似合うなっていう曲を選んだんです。なのでそれが全然違う曲だったのは、多分偶然な気がしますね」


    ■「Aftergrow」の新鮮な余韻が残る中、2曲目に待ち構えるのは安保卓城プロデュースのロックチューンでした。

    安保「ハイ! 今回のアルバムって結構大人なテイストじゃないですか。その中で唯一、“Jungle Rock”にはこれまでのNORDの感じも残せるような気がしたので、歌詞にそれぞれのファンネームを取り入れてみたり。過去と未来を繋ぐ曲にしたい、知り合う時期に関係なく、聴いてくれるお客様の心を掴みたいなっていう想いで、僕は“Jungle Rock”を作らせてもらいました。で、メンバーに完成した曲を聴かせたら、“ここは光っぽいねー、これは島っぽいねー”みたいな」

    安保卓城


    ■歌詞にはどんな壁も越えていくという情熱が描かれる中で、〈Jungle Rock〉と歌えば、〈Hey!〉と返したくなる。掛け合い必至の、新たなライヴアンセムでもあるのかなって。

    安保「もともとのデモでは、〈Hey!〉の部分はガルルーっていうライオンの鳴き声だったんです。けど僕がそこでお客さんと一緒に〈Hey!〉ってやれたらいいなぁと思って追加したので、気づいてもらえて嬉しいです」


    ■「Jungle Rock」が過去と未来を繋ぐ曲ならば、島さんプロデュースの「Lady 1st」は新境地へ誘う曲ですね。

    島太星「自分は中学校の頃からR&B系の曲を歌ってきたものの、NORDでまさかこういう歌に挑戦できるなんて思ってなかったので、あえてR&Bの中でも難しめの曲をチョイスしてみました。最初の〈Lady 1st〉でもう、 高音まで一気に引っ張りあげるので、心も耳もいきなりギュッと魅了できる曲ですし。とてもオシャレで、女性をエスコートする紳士的な内容になっているので。まぁ3人もしっかりエスコートして欲しいなっていう気持ちもあり、この曲をプロデュースしましたね」


    ■となると、レコーディングでは島さんのディレクションが炸裂ですか?

    島「まったくしてないです。いい言い方をすると、自分がディレクションしちゃうと、自分みたいな歌声になってしまうから。そうじゃなくてそれぞれの魅力を出したかったし、ディレクションはやっぱり大変だから」
    一同「あははははは」
    安保「なんて言いつつ、太星は“こう歌うといいよ”とか、“ここを伸ばしたほうが心地いい”とか、かなり細かく教えてくれて」
    島「そう! “lady1st”の卓城はめちゃめちゃいいんですよ。今までのハチャメチャな曲を聴いていた人が、この卓城の歌声を聴いたら相当驚くと思いますし。あと、健は3年くらい留学してて」
    舟木「そんなにしてない、3週間(苦笑)」
    島「英語の発音もいいですし。自分は抜群に歌がうまいから、この3人はやはり堅いなっていうふうに思いました。えっ、何? 光? あぁ、光はもうすごいんですから」
    瀧原光「雑すぎっ! ハハハハハ」
    島「いや、本当に4人は歌がお上手ですから、心委ねて聴いてもらえたらなぁと思ってます」


    島太星


    ■続く「ブラウン」は、瀧原光プロデュース。

    瀧原「自分がプロデュースするなら、自分のコアな部分を出したいって思っていたので、地元の通りの名前とか、近くの公園の名前とか、そのまま歌詞に出してるんですよ」
    島「お父さんのキャッチボールしたのも、事実なんでしょ?」
    瀧原「事実です。ノーフェイク」
    舟木「ノーフィクションじゃないのね(笑)」
    瀧原「実家がバレるくらい、ギリギリまでコアを責めた曲ですし。出し方は違うけど、各々の曲には各々のカラーや歴史が詰まっていると思います」


    ■まさに。実家を出て一人暮らしをしている26歳の瀧原さんだから作れた曲かなっていうふうに感じました。

    瀧原「一番最後の〈きっとまたこの場所に 帰るのかな〉っていうフレーズ。断言できずに、どうなんだろう?って、26歳の僕はまだ迷っているというか、いろんな想いを込めた終わり方にしているので。そのへんも同年代の人が聴いたら、自分自身と重ね合わせて感じてもらえるのかなと思っていますね」

    ■あとは密かに、「ブラウン」の間奏のギターソロ。あれが次の曲「Jackpot」への序章になっている気がしていて。

    舟木「確かに。“Jackpot”ってすごい邪魔な曲なんですよね。1曲だけ温度感が違い過ぎて、アルバムのどこに置くか迷うくらい。でもアレンジが“ブラウン”と同じ方で、(ナカムラ)ジュンキさんが“ブラウン”にギターソロを入れてくれたことによって、繋がりが良くなったし、アルバムのまとまりも良くなった。全体の底上げになったなぁと思います」

    ■そのすんごい邪魔な曲「Jackpot」を制作したのは、他でもない舟木さんです(笑)。

    舟木「僕も最初はデモの中から曲を選んで、仕上げていこうと思ってたんですけど、全然刺激が足りなかったんですよね。もっとこう、僕らも、お客さんも、頭のネジをぶっ飛ばして楽しめる曲にしたいっていう想いがあったから。舞台『嵐になるまで待って』の稽古で東京に行く1週間前に、“やっぱり自分で作ります”って言って。そこからめちゃくちゃ悩んで、メインのギターフレーズに辿り着くまで2日くらい掛かってしまって。それを糸口に歌詞も考えて出して、東京に行く前日の深夜に完成して。マジで大変でした」

    ■迷って迷って粘った甲斐のある、超攻撃的なカッコ良さでした。

    舟木「ありがとうございます。今まで僕が作った“未来図”や、“繋がろう”は、NORDの形にハマるものを作ろうという意識があったんです。でも今回はそれぞれのプロデュース曲なんだったらもう、いっちゃおうかなと思って、僕が本当に好きなやつを(喜)」
    瀧原「なんで“Jackpot”なの?」
    舟木「人生というか、この職業は特にギャンブル性があるなって思っていて。例え実力があっても、運に恵まれずに夢が叶えられない人がごまんといる世界だから。あとは純粋に刺激が欲しいっていう渇望感を表現する時に、ギャンブルは全然やらないけど、賭け事の一か八か感がマッチするなと思ったので。とにかく自分を信じて、頑張って、Jackpot=大当たりに入りたい、そして売れたい!という想いが詰まった曲です」


    瀧原光


    ■今の話にさらに色濃い情熱と覚悟が注がれたのが、ヒップホップナンバー「Bounce」。

    舟木「これももちろん今の僕だし、単純にNORD全員でゴリゴリのヒップホップナンバーをやるっていうのが、このアルバムを作る意味に一番適した挑戦的スタイルだなって思ったんです。だからヴォーカル・ディレクションもやらせてもらって。まず太星から始めたんですけど、いつもの天使みたいな歌声がいきなり悪魔的になった。そのギャップ、新しい一面を最初に聴けたので、あれは楽しかったねー」
    島「歌っててもすごい楽しかったよ。普段、聴いても、歌うことはないジャンルなので、どう表現すればいいんだろう?って思ったけど、マイクに向かって心の叫びを振り絞るかのようにラップしてみたら、すっごくいいのが出て。自分の無意識の皮をピロって1枚剥いてくれた、そんな曲かなと僕は思います」
    瀧原「歌の中に〈Bruh!〉っていう掛け声みたいなのがあるんですけど、それがちょっと苦手で、僕は苦労しましたね」
    舟木「そう! 僕が作った曲はミックス作業も全部自分でやっていて。“Bounce”はドラムの低音が響いて、声が近めでとか、いろいろこだわったんですが、光の〈Bruh!〉がへた過ぎて、少しボリューム下げました」
    瀧原「ええっ、そうなの!?」
    安保「光は巻き舌が苦手なんだよね」
    島「僕、巻き舌とか全然使ったことないから」
    瀧原「いや、彼(島)はお上手でした(苦笑)。ただまぁ最近、振りがついたんですけど、案の定、激しめのダンスになりましたし。新曲でお客さんが参加できるのが“Jungle Rock”の〈Hey!〉と、“Bounce”の〈3、2、1〉、〈Bounce〉になってくるかなと思うので。ライヴで披露するのがとにかく楽しみ、ワクワクだよね」


    ■この曲でアルバムが終わることで、これからNORDはどうなるの!?って思う。だってどこへでも行けちゃうわけじゃないですか。

    舟木「独自のカラーがキッチリあるアーティストも多いですけど、僕らはいろんなことをしたいというか。NORDと言えば、こういう曲みたいに固定したくなくて。それはこう、聴きたい音楽ってみんな、瞬間瞬間で変わるし。それでもどんな時もちゃんと寄り添える音楽を作っていきたいから。今回でグッと幅が広がったので、すごいいい転機になるんじゃないかなぁと思います」


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    プロフィール
    NORD(ノール)
    「北海道を拠点に様々なエンターテインメントに挑戦する」というコンセプトのもと、2016年に結成。メンバー全員が北海道出身・在住。北海道内で数多くのテレビラジオレギュラーを持ち、個々メンバーでも全国ネットTVの出演や東京大阪の舞台出演など、全国的な展開も行っている。 地元北海道を愛し、愛されるグループを目指し日々活動中。


    【初の野外ライブを開催!!】
    OUTDOOR LIVE 2023~おいでよNORDの森~
    9月9日(土)北海道・札幌芸術の森野外ステージ

    詳細はHPへ

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    【CD Information】

    アルバム『0909』 (ゼロナインゼロナイン)
    9月9日発売

    価格:¥2,530

    ▼先行配信中▼


    収録曲
    01 Afterglow
    02 Jungle Rock
    03 Neon Drive
    04 Good Bye
    05 Lady 1st
    06 ブラウン
    07 Jackpot
    08 Bounce

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    【クレジット】
    Text 山本祥子

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