4月27日、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールでONE N’ ONLYは、47都道府県ツアー『ONE N’ SWAG ~Hook Up!!!!!!~』のラスト公演となる単独ライヴ『ONE N’ SWAG ~All out~』を行った。ファイナルのステージに選んだパシフィコ横浜国立大ホールは、グループ史上最大キャパであったことからも分かるように、彼らは、自らに掲げた試練のラストにも、しっかりと自分達が今超えていくべき挑戦の場を用意していたのである。そう。その場所はかつて彼らが目指した場所でもあり、彼らが超えて行かなければならない場所の一つでもあったのだ。
2024年4月27日。ONE N’ ONLYは、この日のライヴタイトル『ONE N’ SWAG ~All out~』が示す通り、全会場をソールドアウトさせた初の47都道府県ツアーを全力で駆け抜け、そのファイナルに相応しい場所であるパシフィコ横浜国立大ホールも、見事にソールドアウトへと導いたのである。
定刻通りにライヴの幕は開いた。
6人の魂が宿っているかのようなシルバーの未来的な形をした6本のバルーンがステージから会場の天井に向けて飛び立つと、彼らは1曲目に選んでいた「Fight or Die」のイントロでステージへと姿を現した。
初披露曲と共に登場する6人にSWAG(ONE N’ ONLYのファンの名称)は悲鳴にも近い歓声を上げた。いつもよりも明らかに高い熱量を感じたその歓声には、きっと“おかえり”の意味も込められていたはずである。6人もまた、共にこの日を迎えてくれた、待っていてくれたSWAGに、「Fight or Die」という楽曲を届けたかったのだろう。
Fight or Die とは、“愛する者のためなら世界を敵に回しても構わない”という意味を持つスラング。日本中のSWAGと共にライヴを作って来た彼らが今、1番伝えたい想いだったに違いない。
決意表明とも取れる力強い楽曲からの始まりは、彼らがこの5ヵ月の間に身を持って学んで手に入れた新たな個性を感じさせたものであり、そこから間髪入れずに届けられた楽曲がデビュー・シングル「I’M SWAG」だったことも、彼らがこのライヴを通して集まってくれたSWAG達に届けたかった気持ちと、彼らのプライドであったのだろうと感じた。
ステージに過度なセットはなく、激し目なナンバーを攻め気味に届けた前半戦は、照明も暗めな演出で、TETTA、REI、EIKU、HAYATO、KENSHIN、NAOYAの6人のパフォーマンスと歌声が際立っていた。それは、確実に彼らの成長を示す体感だった。2023年10月石川県の金沢AZ公演を皮切りに、5ヵ月にわたって行って来た47都道府県ツアーが、彼らにとってどれほどまでに大きな経験になったかということが、この日のライヴを通して伝わって来た気がしたのである。6人のパフォーマンスの成長を特に強く感じたのは「Category」と「YOUNG BLOOD」。個々のパワフルさと個性がしっかりと活かされた上でのシンクロ率は実に素晴らしかった「Category」と、低音がズシンと響くダークなサウンドに、それぞれがこれまで以上に抑揚を加わえたパフォーマンスで挑み、表現力の振り幅が増したことを見せつけられた「YOUNG BLOOD」からは、自信が満ち溢れていたのを感じ取れたのだ。炎がぶち上がる深い赤に覆われたステージでアグレッシブなパフォーマンスを魅せる彼らと、客席を白く染めていたSWAG達のペンライトの光の対比は、言葉にできないほど美しかった。
ライヴ中盤へと向かうブロックはEIKUがデザインを担当したタイトな黒のスーツにボーラーハットという出立ちに着替えてのパフォーマンスへと景色を変えた。ここではスタンドマイクや光る椅子を使っての艶っぽいステージを魅せてくれた。「What’s Your Favorite?」での椅子を用いたショー要素を含ませたアダルトなフォーメーションは、新たなONE N’ ONLYの魅力を引き出していたと言えるだろう。47都道府県ツアーは本公演を除きライヴハウス規模でのツアーであったことから、自らの魅力で魅せるライブだったが、箱によって魅せ方を変化させていくという強みも、このツアーで掴み取った大きな学びなのだろう。
また、後半戦へと繋げる見せ場として用意されていたのは、和と南米が同居したメドレーコーナーだった。ここからはストリートな衣裳に着替え、ツアータイトルと同タイトルを持つ「ALL OUT」では、HAYATO、KENSHIN、NAOYAというワンエンが誇るラップチームが力強くリリックを歌い放ちSWAG達を釘付けにしていった。人気曲「L.O.C.A」での軽やかなステップと大きな振りで魅せていくパフォーマンスや、SWAG達が高く手を掲げて盛り上がっていた「Sexy Beach Party Yes!!」ではそれぞれが客席を挑発的に煽り、最高潮へと導いていったのだった。そんなメドレーの最後の位置に置かれていたのが彼らの強みであり武器でもある「DOMINO」だ。ラテンの中でもコア寄りのブラジリアンファンクを取り入れた楽曲「DOMINO」は、圧巻の盛り上がりを見せていたのも、このライヴを書き残す上で特筆すべき瞬間であったと言える。“ラテンこそは我らワンエンの武器”と言わんばかりに、南米での単独ライヴの経験を糧に届けられた堂々たるパフォーマンスは、実に素晴らしかった。
ライヴでのキュートタイムでもある「Video Chat」では、バルーンアートを用いた距離の近いパフォーマンスでSWAGを喜ばせ、「HOLIDAY」の後半から「GIFT」にかけてメンバーは客席に降りて歌を届けたのだった。
TETTAのアカペラから始まった、REI、EIKU、3人の声が美しく柔らかく響き渡ったバラードナンバー「You are」では、客席の白いライトがゆっくりと揺れていた景色と重なり、とても綺麗な空間を作り出していたのも印象的だった。ここから静かに終盤へと向かうのかと思った矢先、彼らは大きく舵を切り、ONE N’ ONLYの最強のロックナンバー「OPEN」へと繋げたのだった。ここでは、NAOYAがデザインしたという和と南米を調和させた衣装の上着を脱ぎ、メンバーの誕生日がワンポイントとして用いられたトップスとシルバーの太めのパンツで激しいパフォーマンスをより彩っていた。計算し尽くされた演出とも言えた衣裳チェンジは、この後に続けられた「Hook Up」と「EVOL」にも華を添え、盛大な盛り上がりで本編を締め括ったのだった。
アンコールでは「Step Up」と「Call me」を届け、再び客席に降り、2階席3階席のSWAG達の近くにも足を運び、隈なく愛情を注いでいた6人だった。
この日、彼らは最後に1人ずつMCを回し、47都道府県ツアーへの想いと、こうしてファイナルを無事に迎えることができた幸せと、“ずっとONE N’ ONLYで居続けること”を約束した。その言葉に大きな拍手を贈っていたSWAG達の嬉しそうな笑顔は、とても綺麗だった。
TETTA、REI、EIKU、HAYATO、KENSHIN、NAOYAの6人とSWAGで辿り着いた場所だったパシフィコ横浜国立大ホールで届けた47都道府県ツアーの集大成『ONE N’ SWAG ~All out~』は、この先への大きなステップになったと感じられる素晴らしいライヴだったと言える。
そして。彼らはこの日の最後に次なるステージとなる『ONE N’ SWAG 2024 ¿Fiesta?』の開催を発表した。
再会の場として選んだのは9月27日・28日に東京国際フォーラム ホールC(28日は昼夜2公演)、10月14日は愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール、11月15日は大阪・大阪国際会議場(グランキューブ大阪)。さらに、2025年1月18日に、グループ史上最大キャパを塗り替える東京ガーデンシアターにチャレンジすることを告知したのだった。
この告知に歓喜の声を上げたSWAG達。涙するSWAG達も多く居た。その涙に、47都道府県ライヴツアーのタイトルになっていた“Hook Up”はスラングで“仲間になる”という意味を改めて実感させられた気がした。彼らと全国のSWAG達が向き合って、さらに強い絆で結ばれた仲間になったことを、この日の光景が証明してくれていた。
彼らが目指す場所は、この先もどんどんと大きくなっていくだろう。彼らの歩幅で、一歩ずつ、SWAG達と共に、少しずつ大きくなっていくその夢を一つずつ叶えていって欲しい。そう思った夜だった。
Photo 笹森健一 小坂茂雄 草間智博
Text 武市尚子
・・・
【SET LIST】
M1:Fight or Die
M2:I’M SWAG
M3:Shut Up!BREAKER
M4:Category
M5:YOUNG BLOOD
M6:Beautiful
M7:QUEEN
M8:What’s Your Favorite?
M9:DEJAVU
M10:メドレー
ALL OUT
Turn it up
Set a Fire
L.O.C.A
LA DI DA
Sexy Beach Party Yes!!
DOMINO
M11:Video Chat
M12:Freaking Happy
M13:Nice Guy
M14:HOLIDAY
M15:GIFT
M16:You are
M17:OPEN
M18:Hook Up
M19:EVOL
EN1:Step Up
EN2:Call me
EN3:My Love
ONE N’ ONLY「ONE N’ SWAG 2024 ¿Fiesta?」
■東京:東京国際フォーラム ホールC
2024年9月27日(金) 開場17:30/開演18:30
2024年9月28日(土) <1部>開場13:30/開演14:30 <2部>開場18:00/開演19:00
■愛知:Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2024年10月14日(月祝) 開場17:00/開演18:00
■大阪:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
2024年11月15日(金) 開場17:30/開演18:30
■東京:東京ガーデンシアター
2025年1月18日(土) 開場16:00/開演17:00
★詳細はHPをチェック!
https://one-n-only.jp/