最新情報
music
    2024年8月2日 大熱狂のダンスフェス「s**t kingz Fes 2024 ももたろう」ライブレポート!!

    2024.7.28 横浜BUNTAI

    s**t kingz
    s**t kingz

     ステージ後方に設置された3つのビジョンに映し出されるアニメーションと、「むかしむかしあるところに…」なんて耳馴染みのあるナレーション。川で洗濯をしていたおばあさんは、おじいさんに食べさせたくて流れてきた大きな桃を4つも持ち帰り、包丁を入れた瞬間、ステージに置かれた桃がパッカーン、4人の桃太郎が誕生=s**t kingz登場! 大歓声を全身に浴びて、ももたろうダンサーズと挨拶代わりのパフォーマンスをクールに繰り出します。そして「鬼ヶ島へ行け!」というお告げに従い、この冒険を一緒に楽しんでくれる仲間を探しつつ、4人は鬼ヶ島へ旅立つのでした。どうやら『s**t kingz Fes 2024ももたろう』はタイトル通り、昔話『桃太郎』のストーリーを軸に展開していくようです。  

    s**t kingz
    Da-iCE

     第一仲間候補はDa-iCE。凛々しく響き渡る花村想太のハイトーンと、ハスキーなのに恐ろしく力強い大野雄大の歌声が「CITRUS」を形作り、5人のエモーショナルなダンスが5000人を魅了する。かと思えば、ウイスキーボトルが行ったり来たり、ユーモアたっぷりに「ハイボールブギ」を届けたり、ピアノを軸にしたサウンドに乗せて、「もう一度」だけと切ない想いを震わせてみたり、緩急溢れるセットリストで会場をまとめ上げていく。工藤大輝がMCで明かした「ライヴ演出も含めると、s**t kingzに振り付けをお願いした楽曲は3桁に届きそう」という事実にも驚いたけど、ご本人登場ならぬ、振付師登場でフルバージョンコラボした「FAKE ME FAKE ME OUT」の9人の見事なシンクロと、「スターマイン」での9人の悪ふざけっぷりのギャップには腰が抜けた。Da-iCEはきびだんごキーホルダーを受け取り、仲間になった。  

    Da-iCE+s**t kingz  
    QUICKSTYLE
    QUICKSTYLE

     第二候補はノルウェーを拠点に世界を駆け巡るダンスクルー・QUICK STYLE。緻密で繊細な動きが生み出すダイナミズムは圧巻。 彼らが大バズりさせた「Kala Chashma」にはs**t kingzも参加(当然、サングラス着用)。誰かが出れば、誰かが引き、全員に見せ場があって、全員が達人で、ただただニヤけてしまうのです。もちろん、QUICK STYLEも仲間になりました(以下、この下りは省略)。

    QUICKSTYLE+s**t kingz
    カズキのタネ(kazuki+Show-hey)
    カズキのタネ(kazuki+Show-hey)
    カズキのタネ(kazuki+Show-hey)

     『カズキのタネ』がYouTubeから飛び出し、オリジナルソングを披露。番組でkazukiの相方を務めるShow-heyは、犬猿雉をミックスした衣装で端からお供する気マンマンです(笑)。

     シークレットゲストのガチャピンとムックもまた「50周年記念にs**t kingzに振り付けしてもらったんだ」、「僕たちも踊れるよ」と積極的に仲間入り。メンバーが扮する「せが家」=お父さん(Oguri)、お母さん(shoji)、タカシ(NOPPO)、そしてkazukiと一緒に「歩いて帰ろう」で華麗にダンス!  

    ガチャピン・ムック
    ガチャピン・ムック+せが家
    ガチャピン・ムック+せが家
    C&K

     一方、もはや感動的とも言える歌唱力でオーディエンスのハートを鷲掴みにしたのは、シンガーソングライター・ユニットC&K。「トイレ休憩だと思って自由にしてください」とか言いつつ、掴んだハートを手放す気などございません。ヘルメットに電飾ベストというCLIEVYの現場仕事な出で立ちさえふわりと包み込み、超メロウに響かせた「みかんハート」。さらにs**t kingzに楽曲提供した「FFP feat.C&K」を、初めてs**t kingzとコラボ。6人でバチバチに散らした火花、問答無用の熱量はこの日のクライマックスのひとつだ。  

    C&K
    C&K+s**t kingz
    パワーパフボーイズ

     「私たちが本物の桃太郎です!」ともの言いをつけたのは、ピンクの衣装がトレードマークのパワーパフボーイズ。確かなスキル、迸る遊び心、3人とは思えぬ多彩なフォーメーション、ギミックの効いたステージングでキュートにポップにブチ上げる。それにしても「ツメカワイイ」で登場した金髪ギャルshoji & Oguriとのネイル自慢ダンスは、コミカルを突き抜けてクセになる可愛さだったな。

    パワーパフボーイズ
    パワーパフボーイズ+s**t kingz
    髙橋海人(King & Prince)+NOPPO

     ステージに照明が点いて、2組目のシークレットゲスト髙橋海人(King & Prince)とNOPPOの2人が姿を現すと、大きな歓声と拍手が湧き上がる。それでも髙橋は耳にそっと手を添え聴こえないよアピール、場内のボルテージはもう2段階上がった。セトリに目を下ろせば、スパニッシュなギターが鳴り響く1曲目には「オリジナル楽曲」と書かれていて、今回のために用意された特別な曲だということがわかる。実は髙橋は中学生の頃にNOPPOのダンスレッスンを受けていた師弟の間柄。続く「Tatake Narase」、「二人の間」は、曲ごとにビートも世界観もガラリと変えながら、お互いの個性を尊重しあいながら、合わせるべきところはピタッと合わせ、隙あらばアイコンタクト&ニッコリ。時を経て肩を並べた2人のパフォーマンスは、オーディエンスの心も身体も思いきり躍らせた。

    髙橋海人(King & Prince)
    髙橋海人(King & Prince)+NOPPO
    ももたろうダンサーズ
    ももたろうダンサーズ
    三浦大知

     「シッキンのフェスには三浦大知が来てくれなきゃヤダー」とs**t kingzが語れば、三浦もまた「仲間、家族、友達、戦友、ライバル、とても大切な4人です」と、ど直球に返す。シッキンバンドの分厚い演奏をバックにスタートした盟友・三浦大知のステージは圧倒的だった。1曲目「能動」の〈動け 動け ただ能動 人生は一度の大勝負〉歌い出し1ライン目でぶちのめされた。一切の無駄がなく、渾身の一撃を放ち続けるかのような集中力で、歌い、踊り、楽しんでいる。となれば、曲の後半に登場し、2曲目の「Unlock」と続けて共にパフォーマンスするs**t kingzの気合いも半端ないわけで。大人気ない大人の本気って、最っ高にワクワクするギフトみたいなもので。三浦からは大きなギフトがもうひとつ。パリ2024オリンピックに挑むTEAM JAPANの公式応援ソング「心拍音」をシッキンフェスで初披露。配信を含めて、フェスに参加するひとりひとりの人生に寄り添うべく、しなやかに丁寧にエールを手渡した。

    三浦大知
    三浦大知
    s**t kingz
    s**t kingz
    s**t kingz

     ラストを飾るのはもちろん、s**t kingz! オープニングナンバーはフェスに先駆けて配信リリースされた新曲「MORECHAU feat. edhiii boi, Janet 真夢叶(ぺろぺろきゃんでー)」。声やら笑いやらため息やら涙やら体中からいろんなものがもれちゃう会心のコレオは、ステージから客席へ一気にもれ出して、気がつけば5000人がとぼけた顔して〈もれちゃう〉してるのでした(笑)。その勢いのまま全力ジャンプゾーンへ突入。「TRASH TALK feat. Novel Core」、「衝動DO feat.在日ファンク」まできたところで、改めて4人のタフネスに感服。他のアーティストのステージで踊ったり、別枠でも踊ったり、ミニコント、ミニクイズコーナー他、いろいろやっていらっしゃいましたよね?

    s**t kingz
    s**t kingz
    s**t kingz+RIEHATA
    s**t kingz

     しかし、観客が灯すスマホの小さなライトが優しく揺れて、世にも美しい景色を生み出した「Live like you’re dancing feat. ZIN」の後は、ギアをさらにググッと上げます。RIEHATAを呼び込んで、今回のフェスのために作ってきた「Turn Up The Love」を華やか艶やかに情熱的にコラボパフォーマンス。「No End」では三浦大知が再登場。アグレッシヴなヴォーカルとダンス、緊迫感と熱量を一瞬たりとも崩すことなく辿り着いたエンディングにあったのは、強靭な一体感だった。「Oh s**t!! feat. SKY-HI」では、このタイミングでまさかのフルスロットル・パフォーマンスを魅せつせる! 私たちは今日最大のクライマックスを、4人が全力で命を燃やし、挑み続ける姿を目に焼き付けた。そしてラストは出演者全員を呼び込んで、オーディエンス全員も巻き込んで、「KID feat.LEO(ALI)」。タオルをぶん回して、踊って、ジャンプして、横浜BUNTAIの床を本気で揺らして大団円。

    s**t kingz+三浦大知

     日本のダンスパフォーマンスグループが、横浜BUNTAIで音楽フェスを主催するなんて。しかも2DAYS、上の脇の端の席まで埋め尽くした1万人を熱狂させるだなんて、10年前、いや、5年前だって夢として語っても、実現するとは思わなかった。けどこれはオリンピック競技になるくらいダンサーが市民権を得たからじゃなくて、s**t kingzだから実現できたのだと、この日痛感した。最高の音楽と最強のダンスと最大のリスペクトと最上の愛と、そして優しい笑顔に満ち溢れた、唯一無二のフェスだった。  



    ※初掲時に、記事中の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。


    【クレジット】

    Photo 

    タマイシンゴ(Team SOUND SHOOTER)
    SARU(Team SOUND SHOOTER)
    木下マリ((Team SOUND SHOOTER)
    高田真希子(Team SOUND SHOOTER)

    Text

    山本祥子


    セットリスト

    ■OPENING

    s**t kingz
    ももたろうダンサーズ  

    ■Da-iCE
    1.CITRUS
    2.DREAMIN’ ON
    3.Clap and Clap
    4.ハイボールブギ
    5.もう一度だけ
    6.TOKI
    7.FAKE ME FAKE ME OUT
    8.スターマイン  

    ■QUICKSTYLE
    1.Black Moon
    2.Dowain Narnia
    3.きらり
    4.Kala Chashma  

    ■カズキのタネ
    1.ナイトゥミ  

    ■ガチャピン・ムック
    1.歩いて帰ろう  

    ■C&K
    1.C&K IX
    2.へべれけ宣言
    3.パーティ☆キング
    4.みかんハート
    5.愛を浴びて、僕がいる
    6.FFP feat.C&K
    7.入浴  

    ■パワーパフボーイズ
    1.ウチらの勝ち
    2.気分上々↑↑~Bling-Bang-Bang-Born
    3.ツメカワイイ  

    ■髙橋海人(King & Prince)
    1.(オリジナル楽曲)
    2. Tatake Narase
    3.二人の間  

    ■ももたろうダンサーズ  

    ■三浦大知
    1.能動
    2.Unlock
    3.好きなだけ
    4.Pixelated World
    5.心拍音
    6.Blizzard  

    ■s**t kingz
    1.MORECHAU feat. edhiii boi, Janet 真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)
    2.TRASH TALK feat. Novel Core
    3.WINNING feat.Serocee
    4.Live like you’re dancing feat. ZIN
    5.Turn Up The Love feat.RIEHATA
    6.No End feat. 三浦大知
    7.Oh s**t!! feat. SKY-HI
    8.KID feat. LEO (ALI)  

    ■ENDING
    all artist


    ・・・
    【プロフィール】

    s**t kingz
    シットキングス
    shoji・kazuki・NOPPO・Oguriの4人で構成される世界が注目するダンスパフォーマンスグループ。今後は、MBS・TBS系列『情熱大陸』(8月4日日曜23時〜放送)、新作舞台『See』(2025年2月1日~9日 新国立劇場・中劇場)が控えている。

    公式HP

    http://shitkingz.jp