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    2025年1月29日 「ONE N’ SWAG 2024 ¿Fiesta?」 ライブレポート




     2025年1月18日、6人組ダンス&ボーカルグループONE N’ ONLYがグループ史上最大規模となる東京ガーデンシアターにてライヴを開催。完全ソールドアウトとなった会場を埋め尽くすSWAG(ファンネーム)とともに、“Fiesta”の名にふさわしいツアーファイナルを駆け抜けた。

     ライヴの幕開けは、ONE N’ ONLYの祝祭にふさわしい「Fiesta」。カーニバルの仮面と6本の火柱を背に、羽飾りやフリルなど中南米のカーニバルを散りばめたような衣装で歌い踊り、SWAGを包み込んでいった。

     HAYATOが「今日は最高のお祭りを味わっていこうぜ!」と呼びかけ、間髪入れずに2曲目「DOMINO」へ。大胆で力強いステップと歌声で魅せ、「EVOL」でメロウにセクシーに畳みかける。

     曲中の自己紹介ではEIKUが「気持ちを込めてみんなで魂を届けます!」と叫んだ。初っ端から「YOUNG BLOOD」、「OPEN」と、彼らの強くて熱いメッセージに、SWAGたちは“もっと自由に生きていいんだ”と勇気をもらったことだろう。

    「俺たちの知ってるSWAG、まだ声出るぜ。ついて来い!」と笑顔でREIが煽り、メンバーは「Set a Fire」を口ずさみながら客席通路へと降りてきた。この不意打ちにSWAGは大熱狂。圧倒されているのか、メンバーが近くに来ると息を吞んでいるような、嬉しすぎて固まっているような。そんな健気なSWAGたちの中に満遍なく散らばり、全力でフェロモンを振り撒く彼らもまた、嬉しすぎて少し照れているような…。

     ジャングルの映像の中で始まった彼らのパフォーマンスは、赤とグリーンのライトと相まって会場内のすべての人を地球の裏側まで連れて行く。しなやかな野獣のように舞う6人を、異国の不思議な世界に迷い込んだような気分で見つめるSWAGたち…。 そこから始まったユニットコーナー。まずはKENSHINとNAOYAのフラッグパフォーマンスはダイナミックに、パワフルに。

     HAYATOとEIKUによるラップ曲「Dropped」は、世界一のデンジャラスゾーンに入り込んだような危険な香り。

     KENSHINとNAOYAにバトンタッチすると、さらに夜が深くなったかのよう。「Black Hole」の妖しく色気のあるムードに魅了されていく。

     真っ暗な夜を抜けるとステージに響くピアノ音。一筋のスポットライトの中に現れたTETTAは夜の空気を一掃し、美しいハイトーンボイスを生かして「Bla Bla Bla」をピュアに届けた。

     そしてREIはさらに明るく! コーラス&ダンスにHAYATOとKENSHINが加わって、スパンコールの煌びやかなジャケット姿でスタンドマイクに向かい、ビッグバンド風の「TALKIN’」で華麗なステップを踏む。

     6人それぞれの個性による、めくるめくファンタジートリップからふと目を覚ますと、そこには白いスーツ姿の王子様たちが。「SWAG、愛してるよ!」とNAOYAが叫び、「My Love」を届けてくれた。飾らない笑顔と優しい歌声で1人1人、ステージ上のムービーカメラに至近距離でアピールする度に、会場のペンライトも激しく揺れる。ラストはメンバー全員で作った大きなハートをプレゼント。SWAGとONE N’ ONLYの心の距離が、もっとも近づいた瞬間だった。

     ここまでノンストップのショーを展開し、初のMCコーナーへ。
    HAYATO「本日は、9月にスタートしたFiestaツアーのファイナル公演ということで、ここまで来れたのはみなさんのおかげです。ありがとうございます。このガーデンシアターは何回か立ったことがあるんですけども、こうやってワンマンで埋めることができました。本当にありがとう! ここからの景色、とても綺麗です」
     照明を落として4階席まで見渡し、無数の星のように揺れるペンライトの輝きに「ホントに綺麗…!」と見上げる6人。「あ、オリオン座!」とボケるTETTAにノリツッコミのメンバーだった。さらにTETTAは「ここからの景色がヤバくて宇宙で歌ってるみたい。ロケットで飛んで行ったみたいな…」と、メンバーやSWAGたちの笑いを誘う。「気持ちよかったんだね」と優しいHAYATO。さらにさらにTETTAは、先ほどのソロパートがKENSHINとNAOYAへの黄色い歓声がすごい「Black Hole」の後というプレッシャーに毎公演悩まされてきたことを明かした。そのユニットコーナーで様々な表情を魅せたKENSHINは「どれが(本当の)俺なんだろう?(笑)」
     先ほどまでのパフォーマーの顔とMCとのギャップがかなり魅力的な6人である。

     素顔のMCからコール&レスポンスを経て、映像は海の見える丘陵地に立つ6人。表情はどこか大人びている。「Too Much」の文字が浮かび上がると、映像と同じシルバーと黒の衣装に身を包んだメンバーがステージに。リズム主体のラテン・エレクトロ「Too Much」を、優雅に色気を振り撒くマタドールのように表現する。

     ボディ&フィジカルで攻めるEDMナンバー「R.U.S.H」、長いカウンターテーブルの上に思い思いに腰かけて始まった「FOCUS」では一瞬一瞬を切り取る写真のように変わっていくパフォーマンス。それぞれの表情は鋭く、ロックオンされた気分になる。そして「We’ll rise again」は、まさに“新たな道の扉”を開くために歌っているのだと感じられた。彼らはここであらためて決意表明をして、次の目的地へと向かおうとしているのだ。

     ダンスレクチャー動画が流れ、メドレータイムへと突入した。ここからクライマックスへ。ONE N’ ONLYとSWAGがひとつになっていくための大事な時間。ポップカラーのスタジャン&パンツスタイルでホール内を最高の遊び場へと塗り替えていく。KENSHINが自分のフルネームのレスを求めてメンバーに突っ込まれたり、みんなの笑顔がさく裂する。楽しい時間の中にしっかりと熱いメッセージも込めたメドレーは「Hook Up」で締めくくられたが、その熱量は「Burn it out」に引き継がれ、さらに高くなっていった。デスサウンドに乗って想いのままに歌い叫び、ステージ上を縦横無尽に走り回る彼らがムービーカメラで映し出されると、その体温が直接伝わってくるようだ。

     本編ラストまで攻撃的な姿勢を崩さない。6人が一丸となったフォーメーションダンスパフォーマンスと渾身の歌声。そんな「Fight or Die」を体感したことで、ONE N’ ONLYの魂に触れた気がするのだ。

     先ほどの丘陵地帯でのロケのオフショットや、ガーデンシアターでのリハーサル映像が流れるエンドロールを経て「ワンエン」コールが沸き起こった。アンコールに応え、ステージに戻ってきた6人は、達成感を味わった者だけが見せる最高の笑顔だ。

     「今夜本当にラストだぜ。みんな最後まで踊りまくれ!」と煽るHAYATO。最後の曲は、オープニングと同じく「Fiesta」。それは明らかにオープニングとは別の「Fiesta」であることを、この解放感と幸福感が物語っていた。

     そして1人1人、最後の挨拶を。

    NAOYA「一体感半端なかったです。この一体感があれば春ツアーも絶対ヤバイものになると思います。あと、僕はこのツアーを通して殻を1つ敗れたかな?と思います。またこうして会う日まで、お互いに頑張っていきましょう!」
    EIKU「長いようで短かったツアー。……体感ゼロ秒でした!(メンバーのツッコミが入る)みなさんの声援が支えになって最高のステージになったと思います!」
    KENSHIN「みんなが見せてくれたガーデンシアター満杯の景色、心に刻みます。恩返しの気持ちでパフォーマンスさせていただきました。これからも一緒に幸せな景色を作っていきましょう」
    TETTA「この景色を絶対に忘れることはないし、次はもっといい景色を見たいので、ここにいるみなさん、春ツアー、そして武道館、絶対に来てください!」
    REI「普段はライヴ直前って緊張してるんですけど、今日はすごくワクワクしていました。こんな気持ちをくれるみんなに向けて、もっと頑張らないとなと思いました。僕たち、まだまだ大きくなります。1人1人愛してます。本当にありがとうございます!」
    HAYATO「今回の“Fiesta”は、SWAGが全力で応援してくれることに感謝したいなと思ったツアーでした。こうやってたくさんライヴをやって、会話するようにパフォーマンスして、みんなの背中を押せるようなアーティストになりたい。ポジティブな気持ちを届けたい。そういう気持ちを第一に活動したいという想いが、メンバーの中で強くなっています。ワンエンのメンバーってみんな熱くて、ずっと青春してる感じなんですよ。この熱い気持ちをずっと燃やして春ツアーも武道館も、この先のワンエンが楽しみになるような時間にしたいと思います」

    「また新しいONE N’ ONLYの形が見えた気がします」と、名残惜しそうに手を振りながらHAYATOが言った。彼らは進化する自分たちを楽しみながら、ずっと青春しながら歩んでいくのだと考えると頼もしく、次に会える日が楽しみでならない。

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    【プロフィール】
    ONE N’ ONLY(わんえんおんりー)
    6人組ダンス&ボーカルユニット。2023年にはラテンアメリカツアーを廻るなど世界各国から注目されている。昨年は47都道府県ツアー『ONE N’ SWAG ~Hook Up!!!!!!~』やグループ史上最大規模のライヴツアーとなる『ONE N’ SWAG 2024 ¿Fiesta?』を開催。今後は4月15日から春ツアー『LIVE TOUR 2025 ||:ONE N’ ONLY:||』を行い、そのツアーファイナルとして5月9日・10日に日本武道館公演を控える。

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    クレジット
    Photo 笹森健一 / 小坂茂雄
    Text 三沢千晶

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    【セットリスト】

    01. Fiesta
    02. DOMINO
    03. EVOL
    04. YOUNG BLOOD
    05. OPEN
    06. Set a Fire
    07. Dropped
    08. Black Hole
    09. Bla Bla Bla
    10. TALKIN’
    11. My Love
    12. Too Much
    13. R.U.S.H
    14. FOCUS
    15. We’ll rise again
    16. Free Hug~Nice Guy~POP! POP!~HOLIDAY~Departure~Hook Up
    17. Burn it out
    18. Fight or Die

    <アンコール>
    19. Freaking Happy
    20. Fiesta