演出家チュ・ジョンファが手掛け、韓国で人気を博したMUSICAL『ルードヴィヒ〜Beethoven The Piano〜』。待望の日本版開幕に合わせて行われた取材会には、主演の中村倫也を筆頭に、木下晴香、福士誠治、演出の河原雅彦が登場。韓国版より劇場規模が大きいため、配役が変わっていること、オリジナルの仕掛けをいろいろ用意していることなどを報告しつつ、「倫也とやる時は、絶対に圧倒的にすごいものを作ると僕は決めているので」と語った河原の熱い言葉が印象的だった。

　その数十分後にはゲネプロを公開。始まりはある修道女が受け取った一通の手紙。綴られていたのは、死を悟ったベートーベンの想い、幾度となく吹き荒れる嵐ような彼の人生そのもの。そしてその人生には当然のように、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの生演奏が寄り添う。

　僅か5人のキャストは皆、奏でるように話し、話すように歌う。だから神様から音楽の才能という特別なギフトを与えられた故のルードヴィヒの悲しみも、喜びも、絶望も、孤独も、すがるような希望さえも、自分ごととして客席になだれ込んでくる。歌も演技も高度なスキルがなければ弾き飛ばされてしまうが、それ以上に舞台センスが試される作品で、同時に受け取る観客にもエネルギーを要する作品なのだ。

　東京公演(東京芸術劇場プレイハウス)は11月13日まで。その後、大阪、金沢、仙台にて上演。嬉しいことに11月13日の東京公演千穐楽と、30日の仙台での大千穐楽のライヴ配信が決定した。（Text 山本祥子）

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【STAGE INFORMATION】

MUSICAL『ルードヴィヒ～Beethoven The Piano～』

東京公演：10月29日（土）～11月13日（日） 東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演：11月16日（水）～11月21日（月） 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
金沢公演：11月25日（金）～11月26日（土） 北國新聞赤羽ホール
仙台公演：11月29日（火）～11月30日（水） 電力ホール
※11月13日 東京公演千穐楽、30日 仙台公演大千穐楽はライヴ配信有り

上演台本・演出：河原雅彦
訳詞：森雪之丞
出演者：中村倫也 木下晴香 木暮真一郎 高畑遼大・大廣アンナ（Wキャスト） 福士誠治
主催：MUSICAL『ルードヴィヒ』製作委員会

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