Bounパーソナルインタビュー後編では、俳優になったきっかけや、Premとの出会いなど、プライベートなことをたっぷり教えてもらった。
■最初にPremと出会った時の印象を教えてください。
「ちゃんとPremに会ったのは、一緒にキャスティングに行った時ですね。でも、実はそれよりも前に、僕らがそれぞれ別の店で出店していたKaset Fair(カセサート大学のお祭り)で会っているんですよ。僕がミルクを売っている店に人がたくさん集まっていたし、Premが焼き豚を売っていた店にも人がたくさん集まっていたから、なんとなくお互いをにらんでいたんです(笑)。ある日、僕がお腹が空いて、彼の店に行き、焼き豚を買ったんです。そしたら、彼は僕が彼の縄張りにケンカを売りに来たと感じたみたいで(笑)。まぁ、若い時にライバル的存在に会ったらそうなりますよね」
■あはは。キャスティングの日に再会した時は、その話にならなかったんですか?
「ならなかったです(笑)。その日の印象は、若かったから構えた印象はあったけど、中身は自分と似ていて普通の若者でしたね。そこから時間が過ぎて、スタッフさんから「2人がペアで演技をすることになるから、話をして」と言われて、話してみたら、一気に仲良くなったんです。それからは一緒に旅行をしたり、いろんなアクティビティをしたりするうちに、自分達に似ている部分がたくさんあることを知りました」
■それから「Until Will Meet Again」(以下UWMA)で共演した時に、どんなことを感じましたか?
「得たものはものすごく多いと思います。実は、この仕事を受けた時は、有名になることを期待していたわけではなくて、毎月自分を養えればいいかなと思っていたくらいだったんですよ。でも、いざドラマが配信されたら、たくさんの人に自分を知ってもらい、たくさんのチャンスが訪れ、仕事が増えたんです。その時に、Premがパートナーだと、自分をさらに前進させてくれると思ったんですよね。彼とは仕事に対してストレスを感じることもないですし、阿吽の呼吸で仕事ができているので、すごくありがたい存在だと思いました」
■出会った時から時間が経ちましたが、今は関係性がどう変化したと思いますか?
「この3~4年、二人三脚で歩んできて、Premに感じる変化というと、彼が前より成長し、より一生懸命になり、より大きい夢を持つようになったことが大きいですね。実は、彼は「UWMA」に出演すると決めた時は、俳優になろうとは思っていなかったようなんです。ただ新しいことをやってみようと考えていただけらしいんですよね。でも、今は“いい俳優になりたい”という夢を持つようになりました」
■Premさんのどんなところが好きですか?
「自分を高めていこう、とする姿勢が好きです。それは演技だけじゃなくて、ダンスや歌など、成長するためのことを一生懸命やっているんです。今、彼に伝えたいのは“何かあったら相談して”ということかな。このまま彼と一緒に歩んでいきたいし、倒れそうになったら言ってもらって、いつでも支えていきたいです」
■今後はどんな役柄を演じたいですか?
「今はまだ思いつかないかな。ただ、やってほしいという役があれば、進んで受けたいですね」
■Bounさんはどんな子供でしたか?
「小さい頃は、社会を嫌い、ゲームばかりしていました。誰にも会いたくないし、写真にも写りたくなかったんです。小学校から高校まで、残っている写真は数えられるくらいに少なくて、たぶん10~20枚くらいかな。カメラが苦手で、まったく写真を撮らなかったんです。人が多いところも嫌いだし、人見知りだから、学食に行ってもずっと下を向いたままでした」
■ものすごく意外で驚きました。では、なぜ芸能界を目指したのでしょうか。
「ただ単に、自分を養うお金を稼ぎたかったんです。自分でお金を稼いで、母親に負担をかけないようにしたいと思っていたんですよね」
■そうだったんですね。そこから芸能界で活躍をし始めて、どんなことを感じましたか?
「僕は「UWMA」から芸能活動を始めましたが、世に出ていろんな人に知ってもらえたことで、いろんな反応をいただきました。僕を好きでいてくれる人と、そうでない人がいることがすぐに分かったんですが、当時はそこに免疫がなかったので、悪い反応を読むと、落ち込んで悲しくなることも多くて。でも、次第に自分の事を好きな人と嫌いな人がいることを理解できるようになりました。もし自分の事を好きで、自分の為を思って批判してくれるのなら勉強するけど、ただ単純に批判をしたい人のことは気にしなくていいと思えたんです。全員に好きになってもらえることは無理ですからね」
■確かに、そうですよね。そこを乗り越えたらさらに強くなったのではないでしょうか。
「そう思います」
■ちなみに、オーディションはうまくいくタイプでしたか?
「当時は俳優としてやっていく夢があったわけではなかったから、うまくいったかどうかを考えていなかったんです」
■そういう時は、どうやって気持ちを切り替えていましたか?
「昔は思うようにいかないことがあると、考え込んでイライラして、人に当たってしまっていたんです。今思い返すと、すごく子供だったなって思います。でも、いろんな人と仕事をするようになり、自分で問題を解決するようになり、人に当たることはなくなりました。ちゃんと自分をチューニングできるようになったんですよね」
■今は、芸能界で頑張ろうと思っているんですよね?
「もちろん。お芝居を続けていくうちに、挑戦出来る役をどんどんやってみたいという気持ちが溢れてきたんです。僕が今、ここで成功していると思っている人もいるかもしれないけれど、理想にはまだまだ届いていないんです。今やっていることは、理想が10点満点なら、3点くらいかな。歌もダンスもどんどん成長していきたいと思います。やっと、本当の自分自身に出会えた気がするので、このまま頑張りたいと思います」
■今後挑戦したいことを教えてください。
「裏方のお仕事に挑戦したいですね。いつも本を読んだりしていて、台本を読む時には、頭の中に画を思い浮かべているので、それをみんなに見せてみたいです」
■ちなみに、普段はどんな音楽を聴きますか?
「いろんな音楽を聴きますが、一番好きなのはエールソングです。例えば、P’Domeの「ปลายทางแห่งฝัน」は、聴くと元気な気持ちになれるんです」
■では、Premに似合う曲をあげるとしたら、どの曲ですか?
「「Best Part」かな。歌詞を見れば、この3~4年間で一緒にやって来たことがそのまま描かれていて、支え合うところ、補い合っているところもすごく分かるんです」
■では最後に、日本に関するエピソードがあれば教えてください。
「日本のエピソード、たくさんありますよ。僕は昔から日本が好きなんです。アニメやマンガが大好きなんですよね。侍や忍者も好きですし、日本の文化はすごく興味深いんです。すべてが丁寧に感じるんですよ。街も綺麗ですよね。浴衣を着るのも大好きなので、早く日本に行きたいですね」
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【共通テーマ音楽コラム「あなたにとっての癒しソング」】
ダニエル・シーザー「Best Part」
Premに、この曲の歌詞がすごくいいから一緒に歌わないかと誘われて知りました。歌詞を読みながら、メロディを聴くと、本当に入り込めて、気持ちが安らぐことができます。
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Text ⇒ 吉田可奈
翻訳=Pongsakorn Wongchankit
取材協力=千葉泰江、Mai Nanthanukul
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【プロフィール】
■Boun Noppanut Guntachai
ブーン・ノッパナット・ガンタチャイ。1995年7月10日生まれ。出演作は、「Untill We Meet Again~運命の赤い糸~」(2019年)、「7 PROJECT」(2021年)など。
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【DRAMA Information】
EvenSun
Rakuten TVにて、全話配信中
【配信サイト】
https://tv.rakuten.co.jp/special/evensun/
全6話
脚本:チョーティップ・ネートジャルーン(Chawthip Natcharern)
監督:バンデッド・ソンディ(Bhandit Thongdee)
英題 :「Even Sun Series」
邦題:「EvenSun」
出演:ノッパナット・ガンタチャイ(ブーン)、ウォルート・チャワリットルティウォン(プレム)、ロンシー・リー(ロンリー)、ナタット・タンジャルーン(トップ)、パリンヤー・アンサナン(コック)、ウィーラパット・トゥームマニーラット(テー)、パパンゴーン・サグンソン(パック)、チサヌポン・スークシリ(アース)、タナワット・ハッチャリーラハー(タイガー)、ワラゴーン・ワルンジャルーントーン(モーン)
©Studio Wabi Sabi. All rights reserved.
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★タイドラマ連載「知りタイ! 教えて! タイBL」Vol.06 「Until We Meet Again ~運命の赤い糸~」紹介記事はこちら
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https://awesomemagazine.jp/2020/08/28/