最新情報
interview
    2023年6月13日 橋本淳×稲葉友 映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』対談

     6月16日に公開の映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』は、引きこもりの三十路“ちばしん”と、そのかつての親友で、自称幽霊の “ながちん”による青春ロードムービー。計画性ゼロな彼らが繰り広げる珍道中にドキドキしたり笑ったり、思わずグッときたり。そんな愛と笑いに溢れる本作で、W主演を務めた橋本淳と稲葉友の対談を行なった。

    橋本淳

    ■監督・脚本を務めた猪俣和磨氏の、幼馴染との実話がきっかけで、この作品が立ち上がったと聞きました。役作りの上での肉付けとなる言葉が監督からあったのでしょうか。

    橋本「明確な言葉はなかったのですが、クランクインの前にリハーサルと本読みは全シーンやらせていただいて、そこで一緒にシーンを作りながら、細かいセリフのニュアンスとか、二人の関係性などを伝えてくださったので、都度都度話しながら、一緒に作っていきました。だいぶ委ねてくださっていたので、(稲葉と)二人で合間に話し合いながら作ったり、現場で監督に観ていただいて膨らませたりもしました」

    稲葉友

    ■稲葉さん演じるながちんは自称幽霊という不思議な設定ですが、役のスタンスが難しかったのでは?

    稲葉「立ち上がりから言うと、どんだけ“死んでる”(っていう設定)が入ってるんだろうなぁとか(笑)。大体そういうのって一人で考えるんですけど、(橋本は)昔からお世話になっている先輩なので、“どんぐらいだと思う?”って聞けちゃうんです(笑)。その時その時で絶対に言葉をくれるので、それを参考に最終的には自分で決めました。でもあんまりそこ(死)に密に接していると、ながちんにほしいエネルギーが出ないような気がして。であればどういう割り切り方をするかだなと。なので“こういうながちんにしてほしい”というところから、死を事実として認識はしていて、でも明るくいられる塩梅を探っていきました」

    ■ “こういうながちん”とは、具体的には?

    稲葉「明るさやエネルギーで牽引して、どんどん人を巻き込んでいくような。あれが自暴自棄だとキツくて。そのエネルギーの出力がトゲトゲしたり、質が違っていても、多分こういうながちんではないんです。軽やかで、伸びやかで、ちょっと蓋があいたような明るさが彼なので、そこから逆算して作っていきました」

    ■一方のちばしんは、ながちんと向き合うことでどんどん心が開放されていきます。その変化を橋本さんはどのように演じましたか。

    橋本「僕は稲葉くんやいろんな出演者の方がくださるものに応えるだけで、話の流れ上、徐々に心を開いていく流れで、撮影もわりと順撮りだったので、そこにどう身を投じられるか、ニュートラルに場にいられるかが大事で。だから現場で役を作るというより、なぜちばしんが物語の最初の状態に陥ってしまったのかに重きをおいて、そこさえ外さなければゴールまで走れると思って、準備段階の引きこもってしまった理由付けや彼の人生観をより大事にしました。大学受験に失敗して引きこもったという設定ですけど、いろんなものが複合的にあって受験がトリガーとなってしまったのかなと。そういう細かい機微は自分のなかで繊細に作っていきました。あとは委ねたら委ねっぱなし(な役どころ)だったので、そこは監督と稲葉くん、出演者やスタッフの方の協力を得ながら作ったのですが、現場ではいろんな救いがあったので、純粋に楽しくやれました」

    ■ところで、お二人は先程から仲睦まじい様子ですが、その出会いは?

    橋本「(共演した)舞台『飛龍伝』(2013年)だよね?」

    稲葉「その稽古の本読みが最初かな。だから(橋本が)25歳とかで、俺もハタチになるぐらいで、誕生日をみんなに稽古場でやってもらって。共演はそれ以来ですけどずっと定期的に繋がっていて、お互いの作品を観たり、その流れで共通の知人も一緒に飲みに行ったし、付かず離れずの距離感でずっといました」

    ■お二人の馬が合った理由は?

    橋本「上品なんですよ。(出会って)10年も経つと、いろんな経験をして歪んだり、いろんな育ち方をする人もいるんですけど、色っぽい大人の男性になったのに基盤はまったく変わらなくて。人に対しての礼儀とか優しさ、品性が変わらないところは尊敬します。それが芝居にもよく出ていて、ながちんは我が道をいくタイプですけど、たくさんの人がついてくる。そんな愛がある人を演じられるのは、稲葉くん以外あまり思い当たらないです。それにエネルギーがある人で、でもそれが邪なものではなく、汚い部分を見てもそこに絶対染まらない信念の強さがあるから10年経っても変わらなくて、それが本当に素晴らしい。そういった彼の良さがよくわかった撮影期間だったし、またぜひご一緒したいなと思いました」

    稲葉「(嬉)。今もそうだけど、あっちゃんの選ぶ言葉遣いが好きで。こだわってないふりして美学がある。大事にしているものがたくさんあって、すごい職人気質で、コツコツ研鑽を積み重ねていて。余白はあるけど、隙はない(笑)。めっちゃバランスが良くて、そこに憧れるし、お芝居もいつも魅力的で。あっちゃんは、配慮の人って感じがするんですよ。距離感の塩梅も、人に対して使う言葉の選び方も心で選んでカードを切っていて、そこにクレバーさも感じるし。カッコいいなとずっと思っている俳優さんなので、今回ご一緒できたのは嬉しかったです。ちばしんという人間を作る上でも、最初のシーンからその背景を感じられるのは、ちゃんと役の心情を汲み上げて、それだけじゃなくて俳優としての足腰の強さもあって。これは今作に限らず、稲葉友が橋本淳くんを見て感じることですけど、そういった役の作り方が俳優部として好きで。いろんなタイプの人がいて、圧倒的憑依体質で上手い!って人もるし、見せ方やチョイス、カメラの位置を完璧にわかってる人もいるし。そのなかであっちゃんは職人的というか。それがちばしんという人間を作る上でも使われていて、でもちゃんとその場で反応することを大事にしてくれるから、こっちは何言っても大丈夫という安心感があって。共演者としてこんなにありがたいことはないです」

    橋本「なんかムズムズするから、もういいよ(笑)。横にいるのよ(笑)」

    ■では最後にお二人から今作を楽しみにしている方々にぜひ一言。

    橋本「傷ついたり、嫌な想いをされることって多いと思うんです。僕自身もありますけど、そういったことで生きづらさを抱えている人も、この映画を観ることがちょっとした癒しや救いになると思うし、映画館を出た時には少し心がほっこりできる作品だと思います。純粋に楽しんでもらえたら」

    稲葉「どんな体調でも、環境でも、優しくフィットする映画だと思うので、映画館まで足をお運びいただけると嬉しいです!」

    ・・・

    【共通テーマ音楽コラム「あなたにとっての夏ソング」】

    橋本淳/never young beach
    夏ソングと言えば、僕のなかではnever young beachさんですかね。曲名は全然知らないので、どれか1曲といっても挙げられないんですけど。でも僕のなかで、外気を感じながら海沿いで聴きたくなるのが夏ソングというイメージで、ネバヤンさんの曲は、全般的にどれもオープンテラスで聴きたくなる感じではあるので、夏にぴったりかなと思います。

    稲葉友/sunsite「転がる石の夜」
    夏の前半か、後半かでも違いますけど、夏と言えばやっぱり爽やかな曲ですよね。ここ最近だとsusiteっていう永嶋柊吾がヴォーカルのバンドのこの曲です。ドライブにガッチガチにハマる曲で、これを聴くために車に乗ってもいいぐらいツボを抑えてくる曲と声とギター。みんなの頭にぼんやりある夏のドライブソングを的確に突いてきたおすすめの曲です。

    ・・・

    【プロフィール】
    橋本淳(はしもとあつし)
    1987年1月14日生まれ。東京都出身。最近の出演作は、ドラマ「波よ聞いてくれ」「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」、映画「イチケイのカラス」など。現在、日本テレビ系にて毎週水曜22:00〜放送中のドラマ「それってパクリじゃないですか?」に出演中。今後は、舞台『いつぞやは』(8月26日よりシアタートラムにて開幕)などが控える。


    稲葉友(いなばゆう)
    1993年1月12日生まれ。神奈川県出身。最近の出演作は、ドラマ「大病院占拠」「つまらない住宅地のすべての家」「みなと商事コインランドリー」映画『恋い焦れ歌え』『ずっと独身でいるつもり?』など。現在、MBS/TBSドラマイズム「明日、私は誰かのカノジョ Season2」に出演中のほか、7月25日22:00~放送スタートのNHKドラマ10「しずかちゃんとパパ」に出演。


    ・・・

    【MOVIE Information】

    ©️「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」製作委員会

    映画 『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』

    6.16(金)-6.22(木)渋谷シネクイント
    6.23(金)-アップリンク吉祥寺、kino cinéma立川高島屋S.C館、kino cinéma天神
    6.24(土)-第七藝術劇場

    監督:猪股和磨
    脚本:鳥皮ささみ
    出演者:橋本淳 稲葉友 安倍乙 森高愛 マメ山田 入江雅人 千葉雅子 中村まこと 市川しんぺー 八木響生 飴
    制作:「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」製作委員会
    ©️「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」製作委員会

    ©️「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」製作委員会

    ・・・

    【クレジット】

    Photo コザイリサ
    Text 花倉有紀子
    Hair&Make-up 橋本&稲葉:永瀬多壱
    Styling 橋本:岡本健太郎

    ・・・

    ★読者プレゼント★

    橋本淳さん×稲葉友さんのサイン入りポラを2名様にプレゼントいたします♪

    【応募方法】
    awesome! 公式アカウント @BP25th_awesome をフォロー&RTしてくださった方の中から、抽選で2名様にプレゼントいたします!

    一言感想もいただけますと嬉しいです!

    【応募締切】
    2023年6月26日(月)23:59まで

    ※発送先は日本国内に限ります。
    ※当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。当落に関するお問い合わせはお受けできません。
    ※当選者の方にはDM(ダイレクトメッセージ)にてご連絡をさせていただきます。

    ・・・