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    2023年6月29日 あたし 新曲「イベリス」インタビュー

     現在放送ドラマ「4月の東京は…」のオープニング主題歌「イベリス」を歌っているのが、現役女子高生時代から歌い手として活躍中の二十歳のクリエイター・あたしさん。なんとこれが記念すべき初インタビューだそうです!

    ■あたしさんが“歌い手”としてSNSで発信するキッカケは何だったんですか?


    「歌うことが好きだったのはもちろん、母が歌手だったので、音楽がある環境で育ってきたんです。母のライヴに出たりもしていたんですよ。で、高校の時には軽音楽部に所属していてバンドをやっていたんですけど、2年の終わりくらいにコロナ禍になってしまってバンド活動ができなくなってしまったんですよ。その時に顧問の先生が“YouTubeにアップしてみなよ”ってことをおっしゃってくださって。それがSNSで活動を始めるキッカケになりました」

    ■音楽活動をやりたいという気持ちはずっとあったんですね?

    「そうですね。ちょうど進路に迷っていた時期で、音楽をやるべきなのか、就職するべきなのか?って。そういう時にネットに上げたことで、“やっちゃえ!”って気になったんですよ」

    ■初めて反響があった時の気持ちはいかがでしたか?

    「ネットなので、顔も名前も全く知らない人達に評価されたことが。私の中ではめっちゃ新鮮で嬉しかったんですよね。それで続けてきたところはあります。でも、自分の歌に自信がなかった時もあったんですよ。それでもこうやって(事務所から)声をかけていただけて、本当に嬉しかったです」

    ■そうだったんですね。今回リリースの「イベリス」という曲は、ドラマ「4月の東京は…」のオープニング曲ですね。原作をお読みになって、どんな感想を持ち、曲作りを始めていきましたか?

    「主人公が本当に強く相手のことを想っていて曲がらないんですね。それが純粋で美しいと思いました。原作も部読ませていただいた中で、印象的なシーンがいくつかあったんですよ。たとえば“電話した夜”とか“傘の中で”とか。そういうシーンを歌詞に落とし込んで書きました」

    ■共感ポイントはありましたか?

    「恋をしてしまうと正直になれなくなってしまうとか、もどかしい部分? 第三者からすれば“いけばいいのに!”ってじれったく思うところも、なかなか当人には難しいところもあるじゃないですか。そこはすごく共感できたので、そういうところも歌詞に反映されています」

    ■出だしの〈100万回100億回の愛してる〉がとても印象的ですね。歌詞の中でご自身が大切にされていたものはなんでしたか?

    「もどかしさとか寂しさはもちろんあったんですけど、やっぱり〈100万回100億回~〉という言葉のとおり、真っすぐな愛が伝わるように、汲み取ってもらえるように…というところは大切にしました」

    ■イベリスの花言葉が“初恋の思い出”なんですね。

    「そうなんですよ。そこはやっぱり原作の初恋×初恋っていう、初恋の相手同士というところは意識しました。イベリスは太陽に向かっていくという性質の花で、そこも主人公達の性格にすごく合っているなと思ったんですよ」

    ■レコーディングはいかがでしたか?

    「けっこうサラッと録っていけた気がします。でも…自分で言うのも恥ずかしいんですけど(笑)、サビとかは、わりと甘い気持ちを乗せたいなと思っていたんですよ。その甘い中にも切なさがあったり…そんなイメージで歌いました(照)」

    ■伝わります♡

    「あとは原作の雨のシーンが私の中ではとても印象的だったんですよ。その中に希望というか真っすぐな想いがあって…。それも意識して歌ったりしました」

    ■原作やドラマのストーリーに限らず、好きな人と一緒にしたことや見たことって絶対に忘れないじゃないですか。聴く人それぞれのシーンが蘇るような歌ですねよね。

    「そうです! 1番もそうですし、2番も具体的なシーンを入れたほうがいいかな?と思って、歌詞に落とし込んだりしました」

    ■共感する人、多いと思いますよ。出来上がった楽曲を聴いた感想は?

    「自分で歌詞を書いておいて言うのはなんですけど、すごくいい感じに仕上がったな!って思いました(笑)」

    ■MVはどんな感じに仕上がりましたか?

    「イベリスの白い花と後ろ姿の少年が描かれているんですけど、すごくキレイな絵になっていて、歌詞にピッタリなんですよ。めちゃ素敵でイメージどおりでした。そこに歌詞も出てきます」

    ■これまでのあたしさんのMVでも素敵だなと思っていたのは、歌詞も一緒に描かれていて、より伝わるんですよね。

    「ありがとうございます。動画にも歌詞を出してもらっているんですけど、詳細とかでも全部歌詞を書いて、伝わりやすいようにしています」

    ■あたしさんが普段の曲創りでこだわっていることや、大切にしていることはなんですか?

    「できないっていうのもあるんですけど(笑)、私は伝わりやすい日本語が素敵だと思うので、難しい言葉はあまり使わないようにはしています。でも、もしかしたら成長するにつれて考え方は変わってくると思うし、その変化を拒否するのはよくないと思うので、あまり決めごとはしていないです」

    ■今、二十歳ですからね。今しか書けないこと、できないことがいっぱいありますしね。

    「はい。今を大切にしたいと思います」

    ■ところで、あたしさんはけっこう多趣味なイメージがあるんですけど。

    「そうですね。好きなものは増えていきますね。勢いが冷めることはあるんですけど、嫌いになったり飽きることはなくて、どんどん増えていきます」

    ■そんな中、今もっともハマっているものはなんですか?

    「趣味と言えるのかわかんないんですけど、ネットショッピングで実際には買わずに、欲しいものをカートに入れて満足することにハマってます(笑)。次に開くと、カートに10個とか入ってて、ヤバ!と思って削除するんですけどね」

    ■なんと(笑)。

    「なんか、ウィンドウショッピングと似ているのかな? ネット・ウィンドウショッピングですね」

    ■ちなみに、どんなものをカートに入れているんですか?

    「これは買っちゃったものなんですけど、たとえば部屋を掃除したくて、でもモチベーションが上がらなかったので、かわいい雑貨を増やせば掃除したくなるかな?と思ってかわいいものをいっぱい買いました」

    ■やる気になりました?

    「なりました! めっちゃ掃除してすごくキレイになりました」

    ■それ、わかります。文房具とかもそうですよね。

    「そうそう。勉強するためにとかね。モチベを上げるためにお金を払うっていうのはやってます」

    ■では、イベリスの花言葉にちなんで、あたしさんの初恋はいつ、どんな人でしたか?

    「幼稚園の頃、通園バスの隣の席に座ってた子が好きで、3年くらいバレンタインのチョコをお家まで渡しに行ってました(笑)」

    ■かわいい! 3年後、どうなったんですか?

    「幼稚園から小学校に上がるくらいになったら、恥ずかしいという感情が芽生えてきてしまって。それで私が勝手に恥ずかしがってあげなくなっちゃって、自然消滅しました」

    ■そうでしたかー。でも、それこそちっちゃい頃って、好きなものに向かって真っすぐですよね。

    「めっちゃ真っ直ぐでしたね。恥ずかしいって気持ちが芽生えるまでは、多少の照れはありつつ、自分の気持ちに素直に渡していましたね。人は年齢とともにいろんな感情が芽生えていくんですね…」

    ■あたしさんがこれから進む方向は定まっているんですか?

    「正直、今は定まっていなくて。もちろん歌は続けていきたいと思っていますし、歌以外のところで少しでも人が喜んでくれることがあるのであれば、いろいろとやってみたいなと思っています」

    ■今、自分から発信したいものはありますか?

    「喋ることは好きなので、雑談とかでもいいので私の話を聞いてほしい(笑)。一番は歌を聴いてほしいので、“ちょっと聞いてよ”レベルの小さな感情の話を聞いてほしいんです。大きな感情は、できるだけ作品の中に入れていきたいので」

    ■ラジオ番組もやっていらっしゃますが、その中では友達とのおしゃべり感覚の“小さな感情”の話しなんですね。

    「そうなんです。年齢が近い子が多いので、共感することが多いのかもしれないですね。あと、私はまだネットで顔出ししてないんですけど、いろんなメディアさんに出てみたいという気持ちはありますし、思いつくものはなんでもやりたいですね。たとえば、写真を撮られることは苦手で今までないんですけど、機会があれば写真撮影もされたいし、ライヴもやりたいです」

    ■5月にも一度、ライヴをやっていますね。

    「はい。ライヴは楽しいですね! もともと観る側だったんですけど、やるのはもっと楽しいので、これからも続けていきたいです」

    ■顔出しのタイミングとか、考えていないんですか?

    「顔出ししてない理由が、ネットで活動するのに顔は出さなくても別にいいかな?って。出しても出さなくてもどっちでもいいっていう軽い気持ちで、あんまりハッキリとは決めてないんですけど…ここまできたらもうちょっと焦らしてもいいかな?って(笑)」

    ■それはいい考えです(笑)。では、個人的にやってみたいことはありますか?

    「1回だけ、ゴリッゴリなアイドルをやってみたいです。アイドルって女の子の夢な気がしていて、1回だけやってみたい気持ちがあります」

    ■なんで1回だけ? あたしさん、本当にかわいいですし、ずっとやれますよ。

    「…いけますかね~?(笑)」

    ■いけます(確)!

    「(笑)! 私、バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIさんっていう、神聖かまってちゃんのドラムのみさこさんがやっているユニットがすごく好きで。曲がすごくポップでかわいくて。曲の中にその人達のキャラクターが入っていて、大好きです。私もかわいい衣装を1回だけ着たい♡」

    ■そこも1回だけじゃなく。

    「(笑)」

    ■では最後にドラマを、そして「イベリス」を聴いてくださるみなさんへ、メッセージをお願いします。

    「お話したとおり“イベリス”は、物語のシーンとリンクしている部分、主人公の性格とか行動にリンクしている部分が多いので、曲を聴きながら、物語を観ながら楽しんでいただければ嬉しいなと思っています」

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    【共通テーマ音楽コラム「あなたにとっての夏ソング」】

    じん「サマータイムレコード」
    私、ボーカロイドが好きで、この曲は小学校くらいから毎年ずっと聴いてます。夏の物語で、夏が来るたびに思い出すんですよ。夏のルーティンですね。中学では吹奏楽部だったんですけど、大会で金賞を獲るために夏はずっと部活してたのが青春だったなぁと懐かしく思います。


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    【プロフィール】
    あたし
    20歳、引きこもり気味の、歌ういい女。2020年、現役女子高生あたし名義で歌い手として活動スタート。高校在学中に投稿した「グッバイ宣言/Chinozo 【歌ってみた】」が500万再生を記録し注目される。SDR「クリエイターズマッチングプロジェクト」で歌唱部門・チーム部門のW受賞をきっかけに、クリエイティブレーベルMeMeMeetsに参加。TVドラマ『東京放置食堂』主題歌を担当。2022年、あたし名義でのプロジェクトが始動、「太陽観測」でデビュー。“SNSで最も使われる音楽”を生み出す架空のアパート・MAISONdesにzumiTaと共に入居、「わかっちゃない」を発表。シンガーの母親から借りパク中のマイクで歌い続けている。


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    【CD Information】

    シングル「イベリス」
    配信中

    https://ssm.lnk.to/Iberis

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    【クレジット】

    Text 三沢千晶

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