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    2024年11月21日 WATWING 『WATWING LIVE TOUR 2024 – Get Em Back – at 幕張メッセ』レポート!!

     今年2月、日本武道館でのワンマンライヴを成功させた6人組ダンス&ヴォーカルユニットWATWING。自身初となるホールツアーを経て、11月10日にファイナルの地、幕張にて『WATWING LIVE TOUR 2024 – Get Em Back – at 幕張メッセ』を開催した。

     客電が落ちると、ステージを覆う紗幕に映像が映し出された。それはEP『lIve』に収録されていた「DANCE NOW」のMVのラストシーン。円卓を囲み居眠りをするメンバー。その卓上から現金の入ったトランクが盗まれ、気がついた6人が慌てふためきながら最後にカメラを見つめる。そこに浮かび上がる“To be continued”の文字…。このライヴこそが“その続き”なのか?と、胸を高鳴らせる我々の前に現れたのは、MVから飛び出してきたかのような、黒いスーツとサングラス姿の古幡亮、鈴木曉、髙橋颯、八村倫太郎、桑山隆太、福澤希空。ギャング映画さながらマシンガンを撃ちまくり、「Blast Off」からダークヒーローの出現的にライヴはスタート。Windy(WATWINGのファンネーム)たちが持つペンライトは消えたまま。グルーヴィーに身体を揺らしながら歌に聴き入っている。リリックに込められた、夢に向かうためにどんな壁も壊していくという彼らの熱い想いを受け止めるために。すでに1曲目から、身体中に充満するエネルギーの放出を抑えられない、危険この上ない6人だ。

    八村倫太郎

     八村のラップから始まった「Firebird」から白いペンライトが会場を埋め尽くし、彼らのリズミックな動きとシンクロする。サビで上がったファイアーボールとも相まって美しい光景だ。「Turn it up」ではピストルを片手に、花道を走ってセンターステージへ。ホールのど真ん中で360度Windyに囲まれてダンディな魅力を惜しげもなく振り撒く。鈴木のラストボイスがセクシーに響き渡る。そして「DANCE NOW」。ここでやっと彼らの表情が綻んだ。それぞれが自由に全方向へアピールしながらも振りが揃っているのはWATWINGだからなせる業。カッコいいのにどこかコミカルでご機嫌なダンスは、彼ら自身を表している。曲の終盤に紙吹雪が舞い上がった…と思ったが、よく見るとそれはお札。あの盗まれた現金が、ここでバラ撒かれたのだ。なんてお洒落な演出!

    鈴木曉

    「今日はツアーファイナルへようこそ~!」 最初のMCは6人とも気持ちの高まりが全開。「アヒージョ~!」と叫びながら走り回る古幡。福澤はWindyの声が足りないと、「アヒージョ」で声出しを要求。WATWINGとWindyにとって、アヒージョはもはやハロー!みたいなものだ。鈴木が「めっちゃ楽しみにしてたんだけどさ、みんなも楽しみにしてたかい?」と問いかけ、レスをもらう。桑山はこの日が楽しみすぎて、髪の毛がピンクになってしまったそうだ。髙橋は高いテンションそのままの勢いで挨拶。八村は「俺らの声に負けないでよ。俺らの耳に声を届けてくれますか、Windy?」と、コール&レスポンスしながらメインステージに戻り、自己紹介曲「WATW“ing”」でさらにWindyとの距離を縮めていった。

     中盤では、2人ずつペアを組んで楽曲を披露。最初は桑山と福澤の二十歳コンビが「生き様」で魅せる。MVと同じ和柄のガウンを羽織り、刀を手に挑発的で挑戦的な歌詞のとおりの男臭いパフォーマンスを繰り広げた。 続いては白い衣装に着替えた髙橋と八村が雨の中で歌う「It’s starting to rain」。シンプルなサウンドだからこそ言葉の1つ1つが胸に届いてくる。そしてリフレインするそれぞれの〈愛してるのに〉が心の叫びのようにとても切なく響き渡った。

    桑山隆太

    「ありがとうWindy。一緒に歌ってくれて嬉しいです」(八村)
     紫のライトの中、白系のカジュアルスタイルとなった6人が「Emergency」を歌い始める。髙橋から、うつろながらも色気を帯びた声のソロリレーだ。大人なR&Bが似合うようになった彼らに対して、会場からため息が漏れているよう…。
    「It’s starting to rain」から、愛に絆される「I’m Okay」までの憂鬱ゾーンを抜けると、そこは新しい夜明け。そんなイメージのある「Only One Life」を、6人横一列になり、拳で胸をノックし、力強い声で伝えてくれた。
     そこからステージを降りてアリーナに散っていくメンバーに歓声が上がり、静かにピアノのイントロが鳴り出した。みんなが大好きなバラード曲「Shooting Star」を、Windyの傍で歌いたいと思っていたのだろう。6台のカメラが6人を大スクリーンに映し出してくれる。古幡の周りをカメラが一周したり、鈴木は自ら360度回って歌っていたり。髙橋と桑山はアイコンタクトして声を合わせる。福澤は時々微笑みながら熱唱し、八村は1人1人の顔を目に焼きつけようとしていたように思う。優しく揺れる白いペンライトは彼らを乗せた星の絨毯みたいだ。
    「みなさんの近くに行って“Shooting Star”を歌わせていただきました。ゆっくり傍で聴いてくれてありがとうございました!」(八村)
    「心強かったよ」(鈴木)

    福澤希空

     ここからは順番にお着替えをするということで、まず八村と古幡、福澤の3人がステージに残ってMCを。古幡は11月8日に誕生日を迎え27歳になったばかりということで、大喜利をしてウケたらみんなで「ハッピーバースデー」を歌うことになった。「こんな誕生日イヤだ」のテーマで面白いことを言うが、Windyは失笑、照明は暗転。もう2回チャンスを与えられて「今日からずっとバク転で歩かないと…」と言いながら側転をし、八村に突っ込まれたが、無事に歌を歌ってもらうことができた。さらに八村は「最年長の亮がこうやってイジられてくれてるからWATWINGは平和に過ごせているんです(笑)」と優しくフォロー。
     そして着替えて戻ってきた鈴木、髙橋、桑山と交代。こちらの3人は「写真でひと言」コーナーを始めるが、桑山が用意した写真はメンバーの面白写真で、「ひと言」よりも先に写真そのものにウケていた。

     衣装は個性的な6人6様のスタイル。福澤が煽り、「Waves」で後半スタート。さっきのMCでテンションがブチ上がったようだ。歌声もダンスもより攻撃的になり、会場の揺れも増幅していった。「Runway」は男っぽい表情と唸り多めの歌声。硬派なWATWINGで魅了する。
     そこからの古幡&鈴木ペアによる「Get out the way」が非常にカッコよく、大人の色気と香りを振り撒きながらのパフォーマンスに釘づけだ。向かい合ってのハモリからシャウト。いや、シビレた。歌い終わり、「やったぜ」と胸をぶつけ合う2人。
     ステージに現れた4人も「オーマイガー!」「ヤバすぎる!」「俺もやりたい!」と興奮状態。そして堪えきれずに♪Wow wow wow~と歌い出し、Get out!と叫び出す自由なメンバーたち。「生き様」の後もそうだったが、みんな“俺もやりたい”感満載で無邪気に歌い出すから思わず顔がほころんでしまう。

    髙橋颯

    八村「めちゃくちゃ盛り上がりましたね。盛り上がりはもちろん、今回のライヴでは愛を伝えたいと思っているんです。次の曲、これ愛に溢れてるよな、希空!」
    福澤「けっこうシブい楽曲ですよね。けっこうヤバイっすよ!」
    八村「しかもマイナビウェディングさんとのコラボが決まったチャペルが似合う楽曲。聴いてくれ」

     髙橋の甘い声から始まったのは「Let Me Kiss U」。それぞれのハニーヴォイスが羽根のようにホール内に広がっていく。パフォーマンスも輪になってハンドウェーブを作ったり、これまでのWATWINGにはなかったフレンチ・キスのようなラブリー感にうっとりしてしまう。

     本編ラスト4曲。ここからは弾けるしかない。「WINGS」では2台のハンディカメラを自分たちに向けながら歌う。映し出される至近距離の笑顔が、楽しくてしょうがない子供のよう。「YO MA SUNSHINE」は初めて日本武道館で聴いた時から進化していた。“キミが欲しい”気持ちがリアルに伝わり、子供っぽい“キミが欲しい”じゃなくてちょっぴりジェントルマンになって大人の遊びを楽しんでいるかのよう。「まだまだ行ける?」と、♪YO MA SUNSHINE~を何度も繰り返す彼ら。限界を突破しようとしているのか? 最初に倒れ込んだのは八村だった。気がつけばみんなヨレヨレ。でも満面の笑顔だ。

    古幡亮

     最後に新曲を披露してくれた。八村主演の映画『他人は地獄だ』の主題歌「HELL FIRE」は、これまでの雰囲気が一転、暗く湿度の高い場所に瞬間移動したかのようだ。八村の声にゾクッとさせられた後は、メタルサウンドの不気味な世界観に飲み込まれる。シャウトは、もはやスクリームにしか聴こえない。最後は6人とも跪き、仄蒼いライトの中に消えていった。
     この不思議な感覚のせいか、一瞬の間をおいてアンコールは静かに沸き起こり、ボリュームを上げていった。

     「HELLO WORLD」のイントロとともにザワザワとし始めて……。ステージには2人しかいない。他の4人は、なんとスタンド席に現れWindyは大絶叫! ここにいる全員に伝えたい気持ちはThanksとLove。アウトロが終わるまでにと♪Na-na-na-na~と歌いながら全力疾走でメインステージに戻ってくるメンバー。髙橋の美しく伸びる声で曲を締めくくると、桑山と福澤は顔を見合わせてニッコリ。みんな肩で息をしている。
    「みんなの声がとんでもなくてパワーをもらっちゃいました。ありがとうございます! シンプルに楽しいです」

     ここでWATWINGからのお知らせが。まずは、avexの新レーベル“+WHAX”への移籍と、今冬に移籍第一弾配信シングルをリリースすることを発表、来春にはEPをリリース&全国リリースイベントを開催するとこのこと。このサプライズに会場は大盛り上がり。ステージ上も盛り上がっている。

    八村「全国ツアーも来てくれてありがとうございました! いつの間にか、いつも支えてくれたWindyに返しきれない恩が溜まっています。本当にありがとう。今回のツアーは“GET EM BACK”、取り戻すという意味です。それに伴っていろんなことをみんなに伝えてきました。正直すぎるやろと思うくらいにみなさんと接してきました。でもやっぱりここまで正直にならないと、俺らの気持ちが伝わらないかな?と思ったし、こうやって伝えているからこそ俺らはもっともっと頑張らないといけなって。ここまで曝け出して信頼されるには、もっともっと俺らが力をつけてもっといろんな人を応援できるくらいの器にならなきゃいけないなって、ツアーを廻ってあらためて思いました。今回わかったことは、1人1人がWATWINGが大好きだし、何よりもみんなのことがめちゃくちゃ大好きってことです! あと2曲、愛と感謝と、溢れんばかりの想いを、重たいくらいにみんなに伝えさせてください。ずっと1つでいましょう!」
    古幡「一生一緒に、幸せになっていこうぜー!」

    「Over Now」が始まるとみんなタオルをクルクル、ペンライトもクルクル回す。その景色を観ながら仲良くセンターステージへ。6人肩を組み合うと、会場中の大合唱となり、金の紙吹雪が舞い上がった。
     大ラスはやっぱりWindyへの熱烈ラブソング「Honey, You!」。もちろんここも大合唱。金銀テープが発射されてハッピーのバロメーターがマックスに。「ありがとう!」と「愛してるよ!」が止まらない。

    鈴木「このツアーで僕は自信を持てました。みんながいるからできないこともできる。よし、やったろ!って思えるんです。本当にありがとう!」

     古幡は生声で「ありがと~~!!!」と叫び、深くお辞儀をした。そして、
    古幡「360度大好きな大好きなWindyに囲まれてステージに立たせてもらって、本当に感謝でいっぱいです。颯と2人で初めて“Over Now”という曲を作りました。ここで初披露ができました。僕も自立したくてもがいていた時期があって。どうしても乗り越えられない壁にぶつかったりしていた時が、この曲を作るタイミングだったんです。この1年を通して、颯と一緒に作れたこともそうだし、1人じゃ何もできないんだなっていうのに気づきました。みんながいるから俺がいるんだって実感しました。27歳、マジでみんなの存在を感じて、感謝して生きていきます。これからも俺たちと一緒に最高の景色を観に行きましょう。みんな本当に愛しています!」
    桑山「このツアーで、みんなと出会って強くなった気がするし、もっともっと上を目指したいって思いました。もっと上のステージを一緒に観に行きませんか? 必ずドームでワンマンライヴをします! ついてきてください!」
    福澤「本当に最高でした! この幕張でありがとうの恩返しを届けていきたいと思っていました。全力で本気で挑んだので、確実に届いたんじゃないかな? ここからもどんどん成長していくので、みなさんついてきてください。よろしくお願いします!」
    髙橋「(テンションMaxで)みんな来てくれてありがとう! 本当だよ!(誰も疑ってねーよとツッコミ入る) 本当に幸せ者です。亮も言ってたけどね、一人じゃ何もできないって。でもこうやってみんなに会えて、僕らの音楽を受け止めてくれて、マジで嬉しいって心の底から思ってます。だからこれからも一緒にいてください!」
    八村「(笑顔で)メンバーありがとう!」
    鈴木「俺、泣きそうになったよ…」
    八村「この6人のWATWINGだから、みんなついてきてくれてるんだなって思います。本当にありがとう。一生懸命ぶつかってきてわかったことがあって。みんなが来てくれることは当たり前じゃないってこと。人生の中の数時間で変わることもあるじゃん? だからみんなにポジティブなものを残したいと思って全力でやってます。今日それが100パーセントできたかどうかはわかんないけど、全国廻ってきて感じました。あ、これ1つになれてるわ。マジ最高じゃんって。遠回りしないと見えない景色と会えない人たちがこんなにもたくさんいました。確実にいえるのは、みんなと出会って人生が超最高のものになっているってこと。本当にありがとうございます。俺らはもっと大きくなって、もっと大きいステージで、もっと近い距離で、この最高の6人で音楽を続けていきます。出会ってくれてありがとう!」

     素の6人で勝負してきた全国ツアーとファイナル2Days。彼らの歌とダンスは本当に素晴らしい。でもそれ以上に素敵なのは、好きなものに対して、まるで子供のように、ピュアすぎるほど真っ直ぐなこと。これからも変わらずに、その純真さのまま突き進んでほしい。

    Photo 山下深礼(PROGRESS-M)
    Text 三沢千晶

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    【プロフィール】

    WATWING(ワトウィン)
    ホリプロ初の男性ダンス&ボーカルグループを作るべく開催された「Star Boys Audition」を勝ち抜いた6人によって2019年6月に結成された。「avex」内新レーベル『+WHAX』への移籍が決定し、今冬には移籍第一弾配信シングルをリリースする。また、来春は新EPをリリースし、それに伴う全国リリースイベントを開催することも決定してる。

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