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「明日」インタビュー
初めてのツアーのスケジュールに中国の4都市が組み込まれるという、異例にしてとびきりの事態が起きたのは、コロナ禍に始めたカバー動画毎日投稿を機に、その歌声が世界中の早耳音楽ファンを魅了し、今やYouTube登録者数25万人を超える野田愛実ならではと言えるだろう。『1st Asia Tour “time”』で得た確かな手応えを胸に、野田愛実がこれから描いていく未来を、一緒に見て、聴いて、感じていきたいと思った。
■全11ヵ所を廻った『野田愛実1st Asia Tour “time”』の感想を聞かせてください。
「この間始まった印象だったので、本当にあっという間でした! 何より、自分にとって初めてのツアーで、毎回同じセットリストのライブをやること自体が初めての経験でした」
■なるほど。
「これまではいつも単発で、今日しかないっていう状態でやっていたので。もちろん今回のツアーでも変わらず、毎公演、真剣勝負で挑んでいたんですけど。この部分はこうしてみようかなとか、回を重ねるごとにいろんなチャレンジをして、ちょっとずつブラッシュアップしていけるのが面白いなと思いました」
■ライブを育てていく感覚でしょうか?
「まさにそういったイメージです。セットリストは同じでも、会場の雰囲気も、オーディエンスの反応も、公演する都市ごとでまったく違う。そこも含めて、楽しみながらやっていました」
■ファーストツアーだからこそ、全部が新鮮で、全部が楽しい。
「ライブで行ったことがない場所も多かったので、あっ、大阪のお客さまはこういう感じなんだ!みたいな、0から1の発見も多くて。さらにアジアツアーということで、すごくたくさんの体験をさせていただきました」
■Xに「最高の初日でした」と横浜公演の感動を報告した後に、「次は北京~」って。こんなふうに当たり前にアジア公演が組み込まれたツアーは、あまりない気がします。
「日本各地を巡ってから海外へ行くんじゃなくて、間に入るのはあまりないですよね。スケジュール的にも、横浜でライブをした翌日に中国へ移動したので、かなりパツパツでした。中国の中でも、北京、上海、深圳、広州と4ヵ所行かせていただいて。北京と広州は北海道と九州ぐらい離れているので、もう大移動ですよね。当然、海外でのワンマンライブも初めてでしたし、今回の中国でのライブは、これからの野田愛実としての活動に大きな影響を与えたライブになったと思います」
■影響を受けたところを言葉にしていただくことはできますか?
「日本語の歌詞を理解して聴いてくださる方も結構いたのですが、基本的に言葉が通じないからこそ、みなさんの想いがよりダイレクトに伝わってくるというか。中国の方は非常に熱い声援を送ってくださるんですよ。バラードを歌い終えた後も、“フー!”みたいな」
■毎曲、歌声にシビれてくれるんですね。
「はい!こういう表情をしたらそんな反応をくれるんだとか、逆にここはあまり反応がないなとか、言語が違う者同士、お互いにリアルタイムで感じ合えると言いますか。そしてそこで気づいたことを、1つ1つ次に活かしながらライブをすることができました。中国から帰った後の日本の公演では、昔から観てくださってるファンの方に、“表情や指先の使い方が全然違ってびっくりした”とお言葉をいただくこともありました! パフォーマンス面においてかなり刺激を受けました。」
■コミュニケーションツールが音楽って、実は言葉以上に雄弁なのかも!?
「そうなんです! 行く前はずっと不安で。まず、どういう人達が聴いてくれているのかまったく分からなかったですし、本当にライブに来ていただけるんだろうか?とか、考え始めたら不安が止まらなかったんですけど、北京のステージに上がった瞬間みなさんがもうキラキラした笑顔で、目一杯の大きな声で愛を伝えてくださって。全身で感じ取って帰って来れて、とても幸せでした!」
■ツアーでの想い出深いシーンをお聞きしようと思っていたのですが、今回は中国でのライブにかっさらわれますね。
「一番驚いたのが、最新曲“明日”をリリースする 約2週間前、北京公演の4日前に “ties”という楽曲をリリースしていて。北京公演のアンコールで、マイクを使わず、弾き語りで “ties”をパフォーマンスしたら、一緒に歌ってくれたんですよ!」
■会場にいたら泣いちゃいそう。
「えーっ!となったと同時に、思わずうるっときてしまいした。3日前に出たばかりの新曲を、しかも日本語で覚えてきてくれたのが信じられないくらい嬉しくて。それだけで、来て良かった。また来る、絶対!と、中国公演は初日から思いました」
■その感激は、続く上海、深圳、広州へ向かう野田さんの気持ちを少しラクにしてくれたんじゃないですか?
「とは言え、日本でも、大阪、東京、名古屋と都市ごとでリアクションが違うので。アテンドしてくださる中国の方に“次の上海はどんな感じですか?”って聞いたら、“上海が一番アツいですよ!”と言われて。実際、ものすごい歓声をいただいて めちゃくちゃ楽しくて。ただ上海が一番ってことは、深圳、広州はおとなしくなっちゃったりするのかな?なんて密かに心配していたんですけど、どんどんヒートアップしていったんですよね。北京と上海のステージの模様をSNSで見て、ライブへ来てくれたり、評判が評判を呼ぶ形で、ライブの熱量が上がっていったので。みなさんのおかげで、どのライブもドキドキワクワクしながら挑めました」
■前回のインタビューでバタフライエフェクトな出来事をうかがったら、「YouTubeで毎日配信を始めた2020年11月20日」と即答されました。外出もままならないコロナ禍を経て、今や文字通り、海を越え、歌声を直接届けに行ける。ご自身では、野田愛実の現在地についてどのように感じていますか?
「私にとってのバタフライフェクトだったカバー動画の投稿で野田愛実を知って、好きになって、ライブに来てくれた方が、日本にも、中国にも、たくさんいたのを自分の目で見て、積み重ねてきた1曲1曲が、4、5年経って、大きな流れを生み出している。今いる場所は、今までの築いてきた道の先にあるんだなっていうのを強く実感できたタイミングでもありました」
■いいですね。それをちゃんと確認しに行けたことも含めて。
「中国ではサイン会もあったので、ちょっとですけど、ファンの皆さんとお話する時間がありました。“4年前にカバー動画を観てから、ずっと応援していました”と言ってくださる方がいたりして。モニターを飛び越して来てくれたんだ、会いに来られて本当に良かったなと思いました。なので、日本と中国で開催した今年のアジアツアーが、 数年後には新たなバタフライフェクトになっているんじゃないかと思いますし。パフォーマンスとしても、次のステージに行けるように、もっともっとブラッシュアップしていけたらなと思っています」
■ツアーを無事完走、新曲「明日」が主題歌を担当するドラマ『わたしの宝物』も佳境に入り、気がつけば2024年が終わりそうです。
「早いですよね、本当に!」
■早いけれども、濃いですよね。
「濃かったですね。“butterfly effect”とか、遥か昔に感じるけど今年リリースだったんだ、まだ半年しか経ってないんだっていう。でも年末ギリギリまで歌える機会を作れたらいいなと思っていますし、来年もツアーをやりたいです。今回行けなかった場所も細かくまわりたいな。あとは中国だけではなく、他のアジアの国々、さらに広く世界中でライブができたらなと考えています!」
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【プロフィール】
野田愛実
のだえみ。現在YouTube登録者約25万人、総再生回数8,000万回以上を誇る女性アーティスト。1つのジャンルに収まらないクリエイティブな才能と独自の世界観が特徴。多くの人々を魅了し続ける圧倒的な歌唱力、そして卓越したソングライティング能力と熱量の高いパフォーマンスは類を見ない、唯一無二のアーティストである。
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【クレジット】
Photo:大川晋児(Sirius)
Text:山本祥子
Hair&Make-up : 齋藤美紀
Costume
tops,onepiece,boots : MAISON SPECIAL necklace : SENTIMENTS ring,bracelet : 本人私物
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【CD Information】
Digital Single 「明日」
2024.10.31 Release
フジテレビ系10月期木曜劇場『わたしの宝物』主題歌
配信URL:
https://avex.lnk.to/ashita
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