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    2023年9月21日 小関裕太 「賭けからはじまるサヨナラの恋」インタビュー

     現在、U-NEXTで配信中のドラマ「賭けからはじまるサヨナラの恋」。ウソの告白と知りながら、そのウソを利用して片想いの相手と期限付きの恋を楽しもうとする主人公・奈央(山崎紘菜)の姿をコミカルに描く物語。小関裕太が演じる里村紘一は、先輩に脅されて賭けの対象とされ、奈央に嘘の告白をしてしまうものの、自分の予想に反してOKされてしまい、戸惑いながらも付き合ってしまうという人物。人当たりが良く、顔も良いので社内一モテるが、何に対しても断ることができない優柔不断な里村を、小関がどのように演じたのかを聞いた。

    ■先日、『awesome!61』でお話を聞いた際に、里村のことを「原作を読んだ時“自分やん”って思いました」とおっしゃっていましたが、具体的にどんなところをそう感じたのですか。

    「僕は自分の笑顔や、周りから“真面目だね”と言われることをコンプレックスに思っていた時期があったんです。褒め言葉として言われていたのかも知れないのですが、真面目=面白みがないとか。だから周囲から持たれている印象となりたい自分の間にギャップを感じている里村と、当時の、10代の頃の自分がリンクして、似ているなと思いました」

    ■そのコンプレックスは今も?

    「今はもうないです」

    ■克服できたきっかけなどがあったのですか。

    「これと言った明確なものはないのですが、いろいろな人との出会いがあったからかなと思います。 “自分はなんでこう思ったんだろう”“何で相手はこういうふうに受け取ったのだろう”とか。そういうことがわかるようになると、気にしていたことも気にならなくなって、自由に生きられるようになりました(笑)。振り返ってみると、自分の意思があるようで、なかった10代だったなと思います」

    ■現在の小関さんから見ると、里村はどんな人だと感じますか。

    「人と人の意見の間を取って、白黒をはっきりさせずにグレーゾーンを目指している人で、それがいい時もあるけれど、もし彼がそのまま30、40歳と年を重ねた時には、人を動かす言葉を持たない人になるんじゃないかと。誰かに嫌われてもいいから、自分はこうしたいという想いがある人のほうが、人はついて行きたいと思いますよね。そういうところは、外側からツッコミを入れたくなる感覚がありました。ただ、今の僕だったらツッコむけど、10代の自分だったら里村の気持ちがわかるだろうなとも。1話で里村が先輩の鈴木(坂口涼太郎)からの要求をうまく断れなくて、奈央に告白してしまうところは、里村自身は奈央がOKするはずない、自分が傷付けばいいと思ってやっているから、そういうのはわかるなって思いました」

    ■里村は奈央と一緒に過ごす時間が増えていく中で、奈央への恋心を自覚していきますが、その辺りはどうでしたか。

    「友達だと思って一緒にいたらじわじわ好きになっていくってことがないので、あの感覚は里村のものだなって思います」

    ■ストーリー展開についてはどんな印象がありましたか。

    「じれったいなって(笑)。里村に対して“もう、そこは行けよ!”とか“押せよ~”“言えよ~”“受け入れるなよ~”とかって思っていました。奈央に対しても“好きなんだからいいじゃん”とか“自分なんてって、そんなに思わなくてもいいのに”とか。二人に対して“両想いなんだからくっつきなよ”って思う場面はたくさんありました」

    ■わかります(笑)。ただそこがこのドラマの面白いところですよね。奈央のキャラクターについてはどう思いましたか。

    「じれったいなとは思っていましたけど、山崎さんが演じた奈央は、表情がすごくかわいらしいですよね。恋する時の表情とか、びっくりしたり、キュンとしたり、もがいたりする姿が愛おしいし、面白いし、ほっこりする人だなと思いました。普段は仕事もできて、決断力もあるのに、自分のこととなると不器用な部分が多くて。それこそ人に対しては優秀なのに、自分に対しては上手くいかないところは、里村も奈央も一緒ですね」

    ■奈央を演じた山崎さんの印象は?

    「最初からすごく話しやすい方でした。優しさの面で言うと里村と似ていて、現場を明るくしてくださるし、共演者やスタッフの方々を気遣って、この場に居づらくないかなって考えてくださったり、そういう優しさを初日から感じました。二人で話していてもツッコめるし、ツッコんでもくれるし、いい関係性を早めに構築できました。だから、役としても相談しやすかったです。奈央の中の妄想の里村を演じる時は“どういうイメージですか”って聞いたりもしました。ただ聞いたところで“全然、やりやすいようにやってください”と言われてしまって、僕としては“聞きたかったのに~”って(笑)。けど僕が考える感じでやってみたら“大丈夫”と言ってくださいました」

    ■妄想の里村は奈央の心はもちろんのこと、視聴者の心もつかまないといけないところですよね。

    「普段の里村より1段階くらいテンションが高めで、笑顔が多めのところを意識しました。妄想とはいえ、わざとらしい、キザな感じは、求められてないと思ったんです。例えば、口元についた食べ物を取ってあげる場面だと、取ってあげて、満面の笑顔で“ついてたよ!”とかって言われたら、僕なら“えっ?”ってなるなって。逆にさらっと“ついてたよ”って言われたら、“この人、どう思ってるんだろう?”って考えるとも思ったし。それに、里村までコメディに寄り過ぎてしまうと、テンポは出るとは思ったのですが、観ている方が自分自身に投影しづらくなるとも思ったんです。人の喜ぶようなことを何も考えずに勝手にできてしまうところが、里村のいいところだから、思わせぶりな仕草とかはナチュラルに、なるべく意思を見せないようにすることを心がけていました」

    ■そうやってナチュラルに人が喜ぶことをできるところは、里村と小関さんが重なるなと。いつも自然に周りの人の変化に気づいて声をかけたり、動いたりされている印象があります。

    「そうですかね(笑)。でも撮影現場とかだと、自分が主演だったりすると特に、やりたいようにやってくださいとかって、言われることも多いんです。ただ僕はその距離感があまり得意ではなくて。お互いに遠慮のない関係性になりたいなと思うんです。みんなにとって嫌と感じる瞬間がない、居やすい環境を作れたらとは思っています。あとは階段を使っている時は自分が下のほうを歩くようにするとかは、紳士的な行動と言われがちですけど、相手が子供だったら当たり前って思いますよね。自分から言うことではないけど、僕、わりと体幹がしっかりしているし、体も大きいほうなので、単純に自分が下のほうが倒れる危険性が少ないって、合理的に考えてるだけなんです。効率性を重視していたら、それを紳士的と言われたりするから。だって子供だったら、絶対に下にお父さんがいてくれたほうが安心しますよね。荷物をたくさん持っている人がいたら、それを持ってあげることも、そのほうが危険じゃないし、僕も見ていてソワソワしてないのでやっているだけなんです(笑)」

    ■奈央の友人・理子役の筧美和子さんや、里村の友人・宗佑役の飯島寛騎さんとは、里村と奈央も含めて4人でキャンプに行くシーンなどもありましたが、印象に残っているエピソードはありますか。

    「4人一緒のシーンは多くはなかったんですけど、キャンプに行く時の車の中のシーンは印象深かったです。音が入ってしまうので窓を閉めて、クーラーも消して撮影するので暑くて。その日は、天気も良かったうえに、梅雨の時期で湿気もすごかったんです。カットがかかった瞬間に冷房を入れて、ラジオをつけて。で、流れてくる音楽に合わせて歌を歌うみたいなこともして、楽しかったです。あと物語の後半、7、8話とかは、里村、理子、宗佑はわりと長台詞のあるシーンが多くて、結構しびれる場面がありました。長回しでもあったので、みんな1回で決めるためにお互いが集中してやっていました」

    ■撮影は梅雨の時期だったんですね。

    「フランスに行く直前に撮り終えました。(6月17日放送『ヨーロッパ街角中継 4Kで旅する パリ きらめく花の都へ』NHK総合、他。現地からの生中継のためにパリを訪問)それで、帰国してすぐに(現在放送中の日本テレビ系ドラマ)『癒やしのお隣さんには秘密がある』の撮影に入りました」

    ■パリは観光できましたか。

    「1泊しかできなかったんです。現地に着いてリハーサルをして、寝て起きて本番に出て、ちょっと観光して飛行機に乗って帰ってくるという(苦笑)。ルイ・ヴィトン財団がやっている美術館(フォンダシオン・ルイ・ヴィトン)はどうしても行ってみたかったので、そこだけは行けたんですけど、次に行く時の予習って感じでした。今度またゆっくり行きたいです」

    ■里村は自分を変えなくちゃいけないと思いながらもそれができずにいたところ、奈央の存在によって変わっていく人物でもあります。“自分を変えなくちゃ”という想いは理解できましたか。

    「“自分を変えなきゃ”という想いは、僕もずっとあります。変化が好きなのでどんどん変わっていきたいし、年齢による変化も楽しんでいきたいと思って過ごしています。だから新しい自分になりたいと思う里村の気持ちは理解できました」

    ■ご自身が変化するために心がけていることはありますか。

    「これまで挑戦したことのないような作品に挑戦して、あえて大変な選択をすることですかね。その作品をやりきったあとに、自分がどれだけ変わっているのかを楽しみにしながらやっています」

    ■変化は実感していますか。

    「最近で言うと、(2023年2~5月まで上演された舞台)『キングダム』はわかりやすかったです。お芝居をするということに対しての覚悟がより強まったと思いました。変わったところを全部言うと長くなってしまうんですけど、例えば、これまで自分がやったことのないような役でしたし、体力勝負なところもあって。日によって空気が乾燥しているとか、食事を摂るタイミングがずれてしまうとか、そういうことが原因となって体調が左右することって誰しもあると思うんですけど、今回、それがなくできたんです。体力面での波がなくできたのは大きな成果でした。“こういう感覚ってあるんだ”ってことを知って、次はまたその先の感覚を味わいたいなって。新しい自分がベースになるということを繰り返して、これまでの自分にはなかった自分になっていけるのは楽しいです」

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    【共通テーマ音楽コラム「あなたにとっての旅ソング」】

    ナオト・インティライミ「Catch the moment」
    <シェイシェイ>とか<トュリマカシー>とか、いろんな国の言葉で「ありがとう」を言っていく歌なんです。旅って挨拶をきっかけに会話が始まるワクワク感があるじゃないですか。そういう言語をたくさんもって旅に出る感じが表された歌だなと思って。この曲を片手に旅に行きたいです。フランスもリベンジしたいし、フィンランドももう1回、行きたいですね。あと、この間(舞台『キングダム』で)共演した朴璐美さんからドイツ演劇を勧められたので、それを体験しにドイツにも行ってみたいです。


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    【プロフィール】
    小関裕太(こせきゆうた)
    1995年6月8日生まれ。東京都出身。子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、様々のドラマや映画に出演。最近の出演作はドラマ「来世ではちゃんとします」、ミュージカル『四月は君の嘘』、舞台『キングダム』、現在はW主演ドラマ「癒やしのお隣さんには秘密がある」(日本テレビにて毎週金曜24:30〜24:59放送)に出演中。今後は舞台『ジャンヌ・ダルク』が、11月28日より東京・大阪にて上演される。



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    【DRAMA Information】

    ©U-NEXT

    ドラマ 「賭けからはじまるサヨナラの恋」

    配信中

    脚本:ニシオカ・ト・ニール
    監督:有働佳史 住松拓三
    出演:山崎紘菜 小関裕太、筧美和子、飯島寛騎、坂口涼太郎、優希美青、林和義、湯川尚樹、阿瀬川健太
    製作著作:U-NEXT
    ©U-NEXT

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    【クレジット】

    Photo コザイリサ
    Text 瀧本幸恵
    Hair&Make-up MIZUHO☆(Vitamins)
    Styling 吉本知嗣
    Costume シャツ¥31,900/CULLNI(CULLNI FLAGSHIP STORE)、パンツ¥45,100/VALAADO(Sakas PR)

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