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    2021年4月29日 萩原利久 Huluオリジナル「息をひそめて」インタビュー

     一貫してコロナ禍に生きる人々の姿が描かれた、オムニバス形式のドラマ、Huluオリジナル「息をひそめて」。第2話「帰りたい場所が、ずっとなかった」に出演している萩原利久に、作品への想いを語ってもらった。

    ■萩原さんは、学生寮に住む“八村陽平”という大学生役を演じています。本作では、各話ごとの主人公は性別や年代も様々で、ストーリーごとのカラーも異なるなかで、萩原さんが出演された第2話では学生寮が舞台になっていますが、その設定について中川龍太郎監督と話す機会はありましたか?

    「監督は、“学生寮”という設定に、すごくこだわりを持っていました。僕自身は、寮生活の経験がないんですけど、撮影をしてみて感じたのは、寮には、学校とも違う、そこにしかない、また新たな社会がある気がしました。僕らが撮影していた時、その寮に普通に住んでいる方もいらっしゃったんですよ」

    ■撮影で使ったのは、本物の学生寮だったんですね。

    「そうなんです。だから、リアルな“生活感”が出ているんですよね。それをふと感じた時に、(陽平を演じる上で)そういうものが必要だなって思いました。それは役になりきるのとはまた違って、そういう“生活感”みたいなものは簡単には纏えない、というか。監督が“寮生”っていう人物像にこだわったのは、そういうところもあるのかなって、初日にすごく感じました」

    ■コロナ禍で、大学生が学校に行けない問題って、当時よくニュースになっていましたよね。授業料は払っているのにオンラインだとか、小中高が再開しても大学は閉まったままだったりとか。そういったことも耳にしていたので、“コロナ禍の大学生活”を切り取っていることは興味深かったです。ご自身の周りでもそういう話は聞いていましたか?

    「それこそ、僕の同級生は、今年の3月で卒業する代だったので、最後の1年間を一回も登校せずに卒業した子もいるし、授業を前もっていっぱい取って単位もたくさん取って、社会人になる前の最後の1年を楽しむ計画だったのに、学校に行けなくなっちゃった子もいて。ある意味、コロナ禍で一番生活に変化があったのは大学生なのかなって。それまでとは劇的に違う大学生活を過ごしていますからね。でも大学生に限らず、どんな人も少なからず生活の仕方や意識することが変わっていると思うので、そこを題材にした作品にするというのは、今の状況で映像を作る上でできることの1つなのかもしれません。このような状況にならなかったら「息をひそめて」という作品は存在もしなかっただろうし、こんなふうに世の中を切り取ることもなかったと思うと、基本的にネガティブなことばっかりが見えてくるコロナ禍ですけど、ポジティブに捉えるなら、こういう作品や新しい何かを作るきっかけになったということが、コロナ禍でもまだ前向きに捉えられる変化なのかなって感じています」

    ■では、今作の見どころについて教えてください。

    「当たり前になりつつある“コロナ禍での世の中”を映しているところが見どころです。“コロナ前”の日常を描いた作品が圧倒的に多い中で、この作品は僕らが生活している今の世の中のどこかで起こっているであろう場面をたくさん切り取っていて、年齢や状況によって、コロナへの向き合い方がちょっとずつ違っているんです。題材は今の世の中っていう大きな括りですけど、その切り口が様々なので、自分にはまったく理解できない登場人物もいるだろうし、逆にとても共感できる登場人物も見つけられるだろうし、世代を選ばずに観られる作品だと思います。もっと言うと、世界中で同時にこんなに同じ状況が起きることもそうないと思うので、文化は違えど海外の人が観ても共感できると思うし、“日本ではこんなふうにコロナ禍を過ごしているんだ”って思ってもらうだけでも、とても興味深い作品なんじゃないかな、と。世代や性別だけでなく、国籍も問わず、世界中の誰でも幅広く観てもらえる作品になったと感じています」

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    【プロフィール】

    ■萩原利久(はぎわらりく)
    1999年2月28日生まれ。埼玉県出身。最近の出演作は、ドラマ「イチケイのカラス」「エール」「ホットママ」「#リモラブ~普通の恋は邪道~」「大江戸スチームパンク」「鈍色の箱の中で」、映画『花束みたいな恋をした』、舞台『お気に召すまま -As You Like It-』など。

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    Photo ⇒ 後藤倫人(D-CORD)
    Text ⇒ 花倉有紀子
    Hair&Make-up ⇒  佐鳥麻子
    Styling ⇒ 鴇田晋哉
    Costume ⇒  シャツ 30,000円、パンツ 36,000円 共にセブン バイ セブン(サカス ピーアール TEL:03-6447-2762)、シューズ 28,000円 スペース クラフト(HEMT PR TEL:03-6721-0882)、その他スタイリスト私物
    ※全て税抜価格

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    【DRAMA Information】

    Huluオリジナル「息をひそめて」
    4月23日(金)より、一挙独占配信中<全8話>

    第1話「人も場所も全ては無くなる」 夏帆、斎藤工
    第2話「帰りたい場所が、ずっとなかった」 石井杏奈、萩原利久、⻑澤樹
    第3話「君が去って、世界は様変わりした」 村上虹郎、安達祐実、横田真悠
    第4話「この町のことが好きじゃなかった」 蒔田彩珠、光石研
    第5話「たまに遠く感じる、君のことが」 三浦貴大、瀧内公美
    第6話「あなたの速さについていけないことがある」瀧内公美、三浦貴大
    第7話「誰のために歌うの?」 小川未祐、斎藤工
    第8話「この窓から見える景色が、僕の世界だ」 斎藤工、夏帆

    監督:中川龍太郎
    脚本:中川龍太郎、高田亮
    音楽:haruka nakamura
    撮影監督:上野千蔵
    エグゼクティブプロデューサー:長澤一史(HJホールディングス)
    チーフプロデューサー:茶ノ前香(HJホールディングス)
    プロデューサー:中村好佑(HJホールディングス)、佐野大(SPOON)
    制作プロダクション:SPOON
    製作著作:HJホールディングス