原因は自分にある。 唯一無二の世界観で魅せた『LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭』 詳細ライブレポート! アリーナツアーも決定!!

原因は自分にある。の最新EP『文藝解体新書』には、文学に着想を得た新曲4曲が収録されており、それぞれ春、夏、秋、冬とイメージづけられている。ここ大宮ソニックシティ大ホールを皮切りに全国5都市17公演を廻る『LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭』でも、季節が幾度となく巡りゆくのだろう。


時計の音。モニター上の点が線になり、パルスとなり…。バンド演奏の中、黒と白い蛍光灯の立方体の上に現れた7人。ゲンジブと観測者、どちらも全身全霊で、この春ツアーを、このライヴ空間を駆け抜ける覚悟はできているとお互いに確かめ合うような1曲目、「藍色閃光」。長野の歌い出しからソロリレーで幕を開け、ここ大宮ソニックシティ大ホールという箱庭が、未知の世界へ向かう宇宙船のように動き出した。
モノクロの世界から「NOW」で色付きの世界へ。メンバーの笑顔が弾け出す。カメラをモチーフにした歌詞に合わせて映し出された彼らの生映像はファインダー越しに覗いているみたいだ。ちょっとレトロなサウンドとパフォーマンスでみんなかわいくウィンクしたりほっぺハートを作ったり。でも吉澤の「こっち向いて♡」には勝てなかった。「トレモロ」もまた爽やか青春ソング。自由にアピールしながら軽やかにステップを踏む彼らの後ろに浮かぶ手描きの歌詞が、懐かしい日々のノートをめくっていくようだ。


最初のMCでは、翌日(3月19日)に二十歳の誕生日を迎える桜木へバースデーケーキが運び込まれ、本人はバースデーソングのイントロが始まった時点で号泣。「どうした?」「泣きすぎ(笑)」とメンバーに優しく見守られながら、「20代は、実力でみんなを焦らせるような最年少になりたいなと思います。みんなを引っ張るくらいの気持ちでやりたいなと。本当にありがとうございます」と、二十歳の抱負を述べた。今日が10代最後の日、そしてこれが10代最後の涙。メイク直しを終えた桜木は「ライヴ再開しようぜ!」と煽り、ムーディーな「Foxy Grape(Remix ver.)」へ。スタンドマイクで大人っぽいゲンジブの姿を魅せてくれた。そして「疾走」は、文字どおりの疾走パフォーマンス。7人のフォーメーションも風を受けて前に進もうとしているようだ。でも一筋縄ではいかない。投げやりで少々乱暴に聴こえる歌声に混沌という言葉が浮かぶ。でも彼らの目は真っ直ぐに前を見据えている。そして気づく。「疾走」までが夏の情景だったことに。



映像では雲や木々、海が倍速で流れてゆく。季節は秋へと移り、「愛無常」では落ち葉の舞う中、ダンディなスーツに着替えた7人がスティックと椅子を用いて歌の世界を表現。都会の夕暮れ時を歩くようなサウンドに悩ましい彼らの表情。特にベースの音は彼らのセクシーさに追い打ちをかけていた。続く「魔法をかけて」の背景は、ニューヨークのネオン街風だが、輝く電飾の文字はGNJB。そのパフォーマンスは映画『華麗なるギャツビー』を観ているよう。そんなウットリソングからの「ギミギミラブ」では観測者の熱烈コールが起こる。小泉が「声出していきましょー!」と煽れば一段と声援は大きくなり、その景色を愛おしそうに見ているゲンジブメンバーたち。大倉の「せーの!」で全員ジャンプ。「ありがとー!」と、真ん中で肩を寄せてフィニッシュした。



そのテンションのまま突入したMCはまるで楽屋トーク? 中でも、杢代が出演する10月放送の池井戸潤原作ドラマ「俺たちの箱根駅伝」の流れで武藤が口にした「(杢代に)池井戸潤さんでしょ? 俺、武藤潤」には会場が湧いた。その後は武藤が朝からよく食べる話など、ほぼ武藤がいじられるトークとなったが、長野が真面目にバンドメンバーを紹介すると、「ライヴ前の円陣がどんどん大きくなってるよね」と笑顔を見せ、「みんな一丸となって春ツアーを乗り切りたいと思います!」と大倉が抱負を語った。そして杢代が「そろそろカッコいい僕たちが観たいんじゃないですか?」と期待の視線を集め、始まった曲は「パラノイドランデブー」。長野と桜木の色気のある声の揺れに溺れそうだ。杢代はニヒルな笑顔を見せ、小泉はアンニュイに。大倉と吉澤の抜け感のあるラップが心地よく、武藤の歌声が艶っぽさを楽曲全体に染み渡らせる。7人の連係プレイを観たような気がした。この流れからの「貴方に溺れて、僕は潤んで。」は、昔観た記憶の中の彼らよりも大人の恋になっていた。表情も憂いに満ち、甘くほろ苦い恋の苦悩を感じずにはいられない。



秋が深まり、季節は冬へ。衣装は皮のトップスにシルエットが綺麗なスラックス。ラブホラー並みの「Mania」から目まぐるしく展開していく。ライヴ曲として定番化しつつある「因果応報アンチノミー」は、「Mania」と同じ人たちが歌っているとは思えないほどの多幸感だ。シャープな動きながらみんな自由! 桜木の呼びかけに「JUDGE!」とコールする観測者の語尾には数えきれないハート模様がついていた。切ないアーバンポップ「Silence」では恋に悩める7人の姿があった。苦悩する歌詞とは裏腹になんと気持ちのいいサウンド。冬景色の道を歩くかのように始まったミドルテンポの「スノウダンス」は電子音のみのテクノハウスRemix。美しくシンクロするダンスが印象的…とうっとりしていると、ラストにバンドイン。すべてが華やかに色づいた。



さて、幕間の劇的なバンド演奏はやがてヴィヴァルディの「春」へ。モニターには春の大地と青空が8ミリフィルム仕様で映し出されていた。ガツンと渋めのイントロで始まったのは、『文藝解体新書』のリード曲であり春をイメージした「ニヒリズムプリズム」。衣装チェンジした彼らは、春色の花をあしらった黒のタキシード姿が眩しい。フレーズ毎に変わる表情、不意に見せる笑顔に観測者はメロメロになる。7人の躍動感と観測者が振るペンライトの草原。これぞゲンジブ流春爛漫の風景だ。シャッフルのリズムでドラマティックに描かれる「柘榴」の夜の世界が明けるとペンライトが優しく揺れ始め、花びらが舞う映像と鍵盤の音をバックに大切に歌い始めたのはバラードアレンジの「桜Ground」。“届けたい想いだけ 小さなバッグに詰め込んで…”というこの歌はツアーの出発点にふさわしいと思った。桜が香るなか、彼らが咲かせた花がここから大きな桜の樹となっていく。



「観測者のみんな、会えてよかった。うれしかった、生きててよかったと思えるそんなライヴでした。みんなも辛いことがあったら、ライヴに来てください。きっと僕たちだったら絶対幸せにしてあげるし、夢の場所まで連れていきます。これからもよろしく」
曲の終わりに杢代が放った言葉は、観測者の心を射った。
一瞬の静けさのあと、冒頭で鳴っていた時計の音が再び響き始め、現実世界へと着地した。最後は「無限シニシズム」でゲンジブらしく。1人1人の顔がカメラ目線で映され、再び最初と同じ色のない世界へ。3次元の世界が点へと戻った。



今この場所で、4つの季節が巡った。彼らが魅せる夢の中でめくるめく感情が生まれた。春ツアーの中で彼らは何度も輪廻を繰り返す。でも、1つとして同じ彩の季節はないし、同じ感情にはならないだろう。ファイナルの地で7人はどんな笑みを浮かべているのか、気になってならない。
夏には初のアリーナツアー『ARENA TOUR 2026 仮ノ現』(カリノウツツ)が開催される。そのステージこそが、輪廻の箱庭で起こった出来事が夢ではなかったと証明される時ではないだろうか。

Photo:Hanna Takahashi
Text:三沢千晶
※写真は大宮公演1日目(3/17)の1部と2部です
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【SET LIST】
原因は自分にある。『LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭』
2026.3.18大宮ソニックシティ 大ホール <2部>
1.藍色閃光
2.NOW
3.トレモロ
4.Foxy Grape(Remix ver.)
5.疾走
6.愛無常
7.魔法をかけて
8.ギミギミラブ
9.パラノイドランデブー
10.貴方に溺れて、僕は潤んで。
11.Mania
12.因果応報アンチノミー
13.Silence
14.スノウダンス(テクノハウス Remix)
15.ニヒリズムプリズム
16.柘榴
17.桜Ground
18.無限シニシズム
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ARENA TOUR 2026 仮ノ現
2026年6月27日(土) 兵庫・ワールド記念ホール
17:00開場/18:00開演
2026年6月28日(日) 兵庫・ワールド記念ホール
<1部>12:00開場/13:00開演
<2部>17:00開場/18:00開演
2026年7月4日(土) 東京・有明アリーナ
17:00開場/18:00開演
2026年7月5日(日) 東京・有明アリーナ
<1部>12:00開場/13:00開演
<2部>17:00開場/18:00開演
✅詳細は公式HPへ
https://genjibu.jp/
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