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    2020年9月9日 平間壮一×甲斐翔真 ミュージカル『RENT』スペシャル対談!!

    L to R 平間壮一 甲斐翔真



     世界的大ヒットミュージカル『RENT』が、11月2日よりシアタークリエほかにて上演される。日本版キャストでの公演としては、1998年の初演から8度目となる今作で、売れない映像作家・マーク役を演じる平間壮一と、マークのルームメイトでバンドのヴォーカリスト・ロジャー役を演じる甲斐翔真の初対談が実現。まるで兄弟のような2人が繰り広げる深~い話をお楽しみください!



    ■お2人が会うのはいつ以来なんですか?
    平間「今年2月のハンサム(15th Anniversary SUPER HANDSOME LIVE『JUMP↑with YOU』)以来じゃない?」
    甲斐「そうですね。でも2人だけで会うのは、今日が史上初です」
    ■えっ! そうだったんですね?
    平間「(笑)一番最初の出会いはいつだったんだろうね?」
    甲斐「それもやっぱり、2016年のハンサムの時にお見かけしたのが初めてだと思います。その時の第一印象は…」
    平間「いや、ハンサムの時の俺は、俺だと思わないでほしい(笑)」
    甲斐「いやでも、歌やダンスがすごくて! パフォーマーのイメージでしたね」
    平間「初めてちゃんと絡んだのが、ついこの間じゃない? 『デスノート THE MUSICAL』(甲斐が夜神月 役で出演)をやる前に、番組かなんかで僕に話を聞きたいって言ってくれたんだけど、僕は“たぶん言えることないよ”って言った(笑)。その時、“翔真って、真面目な子なんだな~”ってすごくいい印象でした」
    甲斐「(照)でもその時に、壮一さんから“自分らしく”って言ってもらった記憶があります。僕は初ミュージカルだったから、そう言ってもらえたことで気持ちが楽になりました」


    ■そして、今回のミュージカル『RENT』に関してですが、オーディションの時に2人で歌われたそうですね。
    甲斐「はい。もう2年前なんですけど、その時に“まさか翔真と一緒に歌う時がくるとは!”みたいなことを言われました(笑)」
    平間「あはは! そうだ、控室で言ってたね(笑)。だって、(歌う)組み合わせはバラバラで、その日に呼ばれた2人で歌うわけですよ。だからそれまで一緒に歌うことはなかったんだよね。で、また別の日には違う人と一緒に歌うっていう。…めっちゃ緊張したのを覚えてる(笑)」
    甲斐「(笑)いや~もう、ヤバかったですよ!」
    平間「2人それぞれ歌詞を間違えるしね」
    甲斐「そう(笑)。アンディ(セニョールJr./日本版演出)さんって、言葉以上のものを見ていらっしゃいますよね」
    平間「そうなんだよね。あの人は本当に怖いくらいに何かが見えていて、見透かされている感じがして、油断できないんですよ。緊張してるのもバレてるしね。でも、すごく優しいなと思うのは“力が出せてないな”とわかったら、また次があるんですよ。“コイツ、緊張したからダメ”とかじゃなくて“今できなかったよね? じゃ、もう1回やってみる?”って、その人の本当の力を見たいと思ってくれる。だから“もう1回お願いします!”って(笑)」
    甲斐「それはうれしいですよね。それにしても、あの(オーディションの)時間に、いろんなことを経験できたし、脳をフル回転させたので、あの空間は忘れられないです。僕、初めてミュージカルのオーディションを受けたのが『RENT』だったんですよ」
    平間「そうだったんだ?」
    甲斐「そうなんですよ。勝手がわからないし、歌詞を間違えたら落ちるのかな?とか(笑)、いろんなこと考えちゃって、余計に自分を追い込んでいっていました。今思い出しただけでも、怖かった…」
    平間「でも受かったじゃないですか。だから、ちょっとかわいそうなんですよ(笑)」
    甲斐「えっ!?(笑)」



    ■(笑)なぜですか?
    平間「彼はまだ若くて、これから映像とか舞台とかミュージカルとか、もっとたくさんの作品やいろんなことをやっていく中で、アンディと出会ってしまったことが早すぎて、ちょっとかわいそう。他がダメという意味じゃなく、『RENT』という現場が特殊だから、『RENT』を味わってしまうと“このやり方でやりたい!”と思うことが多くなるんですよ。だけど、他ではなかなかそうはいかないっていう想いが、毎回ついてくるんです」
    甲斐「壮一さんでもそういうことがあるんですか?」
    平間「僕の中では『RENT』がミュージカルの主軸にあるかもしれない」
    甲斐「相当、影響を受けたってことですね?」
    平間「そうだね。アンディと会ってから、人との接し方も変わってきたしね」
    甲斐「そっか…。前の時には(平間は2015年2017年版にエンジェル役で出演)、アンディさん達と一緒にご飯も行ってたんですか?」
    平間「ご飯とかは逆に全然行かなくて。海外だと、稽古の後にみんなでご飯食べに行くとかあまりないみたいだよ。半日くらい稽古で一緒にいたんだから、ご飯は他の人と行く、とかね。だって明日もまた会えるじゃん?って」
    甲斐「なるほど!」
    平間「だから、ご飯に行くのと同じような稽古をするわけ。日本だと仕事は仕事、飲みの場は飲みの場だけどね」
    甲斐「じゃあ、稽古の中で心をかなり開放していかないといけない感じですね」
    平間「だけど、僕も含めてなかなかそれができない人が多いから、心を開放する稽古をしている感じかな。セリフがどうとか歌がどうとかいうのはあまりなくて、“今日はあまり心を開いてなかったね”とか」
    甲斐「怖い~!(笑)」
    平間「(笑)怖いんだよ。僕も一番最初(2015年)の稽古中、アンディから“通し稽古の間でいいから、キミが好きなものを僕に言ってきて”って言われたけど、できなくて。“え? 稽古中だし!”みたいな(笑)。結局何も言えずに終わって、帰国する時にアンディから“キミは僕が言ったことをまったくやれなかったな”と言われて。そのままアンディは帰りました」
    甲斐「うわぁ…」
    平間「で、2回目(2017年)には、やっと自由な感じでアンディに話しかけたりできて、“キミは変わってきたね”と言ってもらえた(笑)」

    甲斐「壮一さんって、『RENT』をやる前は、人見知りだったりしたんですか?」
    平間「みんなからは人見知りしないって言われてたけど、結構ドギマギしてたし、“偽りの自分”じゃないけど“外っかわの自分”っていうのがあった気がする。『RENT』をやってからは、“あ、自然でいいんだ”って思えるようになったんだよね」



    ■甲斐さんはどうですか? 心をオープンにしないタイプ?
    甲斐「しないタイプです。プライベートと仕事は分けちゃうタイプですし。でも今の話を聞いたら、『RENT』で自分を開放できる気がしてきました。そうなると、仕事への考え方も変わるかもしれないですね」
    平間「まずは心を開放することで、無理なく演じられるようにしてくれるんだよ。スイッチの切り替えが必要ない、それが通用するのが『RENT』なんだよね」
    甲斐「なるほど…。でもそれって、役者としては一番難しくないですか? 演じるには“セリフ”があるわけで、自分とは違うキャラクターを自分の人生にしないといけない、という作業がすごい大変な気がする」
    平間「“ロジャーになろう”という気持ちが要らないんだよね。翔真が日常で感じる怒りとか悲しみを出せばよくて、“僕はロジャーです”というスイッチは要らない」
    甲斐「“ロジャー”ではなく、“僕”。結果、それが“ロジャー”だということ?」
    平間「そう。不安になるかもしれないけど、アンディが“キミはロジャーだ”と言って合格しているわけだから、大丈夫だよ」
    甲斐「そっか…。ちょっと安心しました」



    ■現時点で、お互いにロジャーっぽい、マークっぽいと感じる部分はありますか?
    平間「…わからん(笑)」
    甲斐「壮一さんは…もう、“エンジェル”のイメージが強すぎて(笑)。たぶんファンの方々もそうだと思いますよ」
    平間「そうだと思う(笑)」
    甲斐「“エンジェル”から“マーク”という、振り幅がすごい」
    平間「怖い~(笑)」
    甲斐「でも、壮一さんの“マーク”、楽しみです」
    平間「ふふっ。でも、エンジェルでいろいろと積み重ねてきて、今、マークができると思うと、うれしいです。翔真に関しては、1つ楽しみなことがあって…さっきの話じゃないけど、きっとロジャーっぽさみたいなところを翔真は持ってるから合格したんだよ。でも僕が今まで見てきた翔真のイメージでいうと、ロジャーっぽさはないんだよね。すごい真面目だし、気遣いができて優しいし、やんちゃなところをあんまり見たことがないしね。でも、どこかにあるロジャーっぽさをアンディは見透かしているんだろうなと思うから、それが見えてくるのが楽しみだな、と」
    甲斐「そうですかね。そうだとうれしいな」
    ■甲斐さんの新しい一面が開花しそうですね!
    平間「公演が終わった頃には“壮一!”って呼ばれてるかもしれない(笑)」
    甲斐「いやいやいや!(笑) でもホント、壮一さんの話を聞いていて、楽しみな気持ちが膨らみましたし、もうすぐ始まる稽古へのとても良いウォーミングアップになりました!」

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    [プロフィール]

    ■平間壮一(ひらまそういち)
    ’90年2月1日生まれ。北海道出身。近年の出演作は、ミュージカル『Indigo Tomato』(’18年、’19年)『ゴースト』(’18年)『ロミオ&ジュリエット』(’19年)『ドン・ジュアン』(’19年)、『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』(’20年)、舞台『黒白珠』(’19年)など多数。

    ■甲斐翔真(かいしょうま)
    ’97年11月14日生まれ。東京都出身。最近では、ミュージカル「デスノート THE MUSICAL」に夜神月役で主演。現在、映画『#ハンド全力』『君が世界のはじまり』が公開中。今後は、ミュージカル『マリー・アントワネット』(’21年1月28日 ~2月21日 東急シアターオーブ)が控えている。


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    Photo ⇒ 大川晋児 
    Text ⇒ 三沢千晶 
    Hair&Make-up ⇒ 永瀬多壱
    Styling ⇒ 山本隆司
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    【Stage Information】

    Photo by Leslie Kee


    ミュージカル『RENT』
    11月2 日(月) ~ 12月 6日(日) 日比谷シアタークリエ
    12月11日(金)~12日(土) 愛知県芸術劇場 

    [キャスト]
    マーク・コーエン(Wキャスト):花村想太/平間壮一
    ロジャー・デイヴィス(Wキャスト):堂珍嘉邦(CHEMISTRY) /甲斐翔真
    ミミ・マルケス(Wキャスト):遥海/八木アリサ
    トム・コリンズ(Wキャスト):加藤潤一/光永泰一朗
    エンジェル・デュモット・シュナール(Wキャスト):RIOSKE (COLOR CREATION) /上口耕平
    モーリーン・ジョンソン(Wキャスト):フランク莉奈/鈴木瑛美子
    ジョアンヌ・ジェファーソン:宮本美季
    ベンジャミン・“ベニー”・コフィン三世(Wキャスト):SUNHEE/吉田広大
    ICHI  コリ伽路 奈良木浚赫 小熊綸 吉田華奈 吉原シュート  

     

    [脚本・作詞・音楽]ジョナサン・ラーソン
    [演出]マイケル・グライフ
    [振付]ラリー・ケングウィン
    [美術]マーク・ウェンドランド
    [衣裳]アンジェラ・ウェント
    [映像デザイン]ピーター・ニグリーニ
    [日本版リステージ]アンディ・セニョールJr.
    [製作]東宝株式会社

    ※公演詳細は公式サイトにて随時発表。