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    2023年7月3日 ホールツアー『ONE N’ ONLY ONE N’ LIVE 2023 ~Departure~』 東京国際フォーラムホールCライヴレポート

    Photo 笹森健一

    5月1日の日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール(愛知)を初日として全国3カ所で行われた自身初のホールツアー『ONE N’ ONLY ONE N’ LIVE 2023 ~Departure~』の追加公演が6月25日に東京国際フォーラムホールCで行われた。

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    結成5周年記念プロジェクト『5 N’ 5』の一環として行われた今回のツアーは、追加公演を含む昼夜2部制で行われた全ての公演が完売した最高のツアーとなったという。 5月7日に立った東京国際フォーラムホールCのステージに、再び立つことになった6月25日。彼らはまさしく、5年間の集大成とも言える最新アルバム『Departure』に込められた“出発”や“新たな旅立ち”という意味を体感させてくれる成長をしっかりと見せ付けてくれた。

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    オープニングナンバーらしい“始まり”を感じる『We’ll rise again』を1曲目に置いたスタートは前回と同じ始まりだったのだが、“Departure”をイメージした飛行機のセットの上に並んだNAOYA、HAYATO、TETTA、EIKU、REI、KENSHINの立ち姿は、放つオーラの力強さと眩しさが前回よりも増していたことが、一目で感じられた程に大きく変化していた。

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    間髪入れずに「Departure」「Set a Fire」と届けられていったのだが、この日初披露となった「Set a Fire」では、イントロで大歓声が上がっていた。「What’s Your Favorite?」「Departure」という流れで届けられていた前回の序盤の流れに変化を付け、披露されなかった楽曲も交えつつ、SWAG(ONE N’ ONLYのファンの名称)達をより楽しませようと向き合う彼らの遊び心からは、1本のライヴにとことん真摯に向き合っている想いが感じ取れた。

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    勢いよく攻め込んだオープニングの3曲を届けた後、6人は自己紹介と追加公演として迎えることができたファイナルへの想いと、“悩みやネガティブな気持ちを全部ここに曝け出してぶつけて!”“俺達がそのネガティブをポジティブに変えるから!”という自分達が存在する意味をメッセージとして届けたMCを挟み、「OPEN」へと繋げたのだった。

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    〈問いかけてはまた迷路の中 繰り返すだけEveryday〉

    激しいロックテイストのサウンドに乗せて歌われるその想いは、彼ら自身がこの場所に辿り着くまでに何度も心の中で繰り返してきた想いと重なる。

    〈立ちすくむ暇はない 未来へのSign見逃すな 一歩ずつ歩みだす Our furure〉 ロックサウンドから一変して鮮やかなメロディに乗せて歌われるこのくだりもまた、この5年という歴史の中で繰り返し自分に言い聞かせてきたリアルな言葉に違いない。

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    ヘヴィロック的な間奏を全身全霊のパフォーマンスで表現し、繰り返される“O.P.E.N.”という言葉を自らの背中を押す呪文のように叫び続けた彼らの姿に、オーディエンスは自らの苦悩をぶつけて浄化させていた様に見えた。続けて届けられた「Reflection」もまた、葛藤の中でもがく想いとそこに差し込む光を歌った1曲だ。マイナー調の心地よいメロディに乗せられた〈溢れ出した思いがほら 明日を描いていく 今 向く方へ走り出してnever go back〉〈新たな扉の先に 待ってる景色が僕らを照らしてくれている reflection〉というメッセージも、今の6人が歌うからこそ、聴く者の心に深く響いていたに違いないと思えてならなかった。

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    ディープな世界観に拍車をかける低音使いとエキゾチックなリズムが特徴的な「YOUNG BLOOD」では、力強くも艶っぽさを取り入れたパフォーマンスで魅了していった。

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    この日魅せてくれたデビュー曲「I’M SWAG」もとても印象深いものだった。経験という財産を纏って届けられたONE N’ ONLYの始まりの曲は、説得力のある年輪を感じさせられるものであったと言える。曲の最後に、次に届けられる楽曲「Dark Knight」へと導く言葉の中で、KENSHINが放った「5年前、2つのグループが1つになり、僕たちは“I’M SWAG”でデビューして確かな手応えを得た」という言葉は、未来への希望しかなかった当時の彼らの熱量がそのまま伝わってきた瞬間でもあった。

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    ライヴでは欠かせない曲、という曲紹介から繋げられた「Dark Knight」で会場を更に一つにした彼ら。攻撃力は半端ない。しかし、攻め曲が多いワンエンだからこそ、そことは対照的な位置にあるバラード曲に込められたメッセージがより深く刺さるとも感じた。

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    「5年前想像していた景色を見えているかって言ったらそんなことはなくて。だけど、それと同じく、こんなに素敵なSWAGに会えると思っていなかった。みんながいる限り僕達は何処へでも連れていくから。必ず幸せにするね」(NAOYA)

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    そんなNAOYAの言葉から繋がれた「Don’t worry」では、涙するSWAGの姿も見られた。そこには互いの無償の愛が広がっていた。お互いがお互いを強く求め合い、お互いの幸せを無償で祈るあたたかな空気がじんわりと伝わってきた時間は、とても心地よいもの。TETTA、EIKU、REIの歌唱がストレートに響く一方で、HAYATO、NAOYA、KENSHINの魂のこもったラップがぶち込まれていく対照的な魅力も、改めてONE N’ ONLYというグループの魅力を深さを感じさせていた。

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    通常運転である激しさを振り払って届けられたキャッチーな「Video Chat」では、まだまだヤンチャさが残る少年らしさを覗かせた6人。会場に響き渡った電話のコール音に“もぉ。こんな時に何!? 電話!? あ、拓弥(NAOYAの兄・超特急の草川拓弥)からじゃーん!”と、電話を取るジェスチャーから始まったこの曲では、携帯のカメラ画面に見立てたステージ下手にスタンバイしたカメラマンの手持ちのカメラに向かって、6人が代わる代わる覗き込む様にアピールし、SWAG達との距離を縮めていったのだった。「OPEN」などで魅せる戦闘的な表情のカケラはここには少しも無い。満面の笑みを向け、リラックスした表情で歌われた「Video Chat」でグループの振り幅の広さを感じさせた彼らは、SWAGと一緒に声を重ね、“see you”で繋がっていた画面を閉じたのだった。

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    「5年間、僕らはこれまでたくさんの壁にぶつかってきました。だけど、すぐそばにはSWAGがいたからここまで走って来られました。これからも唯一無二の道を突き進みます」(REI) というREIの言葉から繋げられ、中盤戦を締め括ったのは「We Just Don’t Care」だった。ファルセットでの歌唱が美しく響いたこの美しいメロディの楽曲は、どんなことがあってもずっと止まらないことを約束してくれた。

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    ステージからはけたメンバーは、「YOU???」のイントロと共にいろんな扉から客席に登場し、SWAG達を驚かせたのも、このライヴをこの先思い出す時には忘れられない瞬間となったことだろう。6人は1階2階3階の様々な扉から客席へと現れ、「YOU???」と「HOLIDAY」をSWAG達と一緒に歌って届けたのだった。「HOLIDAY」の曲中で一人ずつのメンバーコールをメンバーと共にした時間も、お互いの未来の力になったに違いない。

    終盤戦ではこの日初披露となった「Hunt」を届け会場を沸かした。「Video Chat」「YOU???」「HOLIDAY」といったお楽しみコーナー的な色を一気に払拭したワンエンらしい攻め曲「Hunt」。ヘヴィなサウンドの中で滑らかなボーカルとアタック感の強いラップが交差する勝負曲「Hunt」ではTETTAのハイトーンが素晴らしく響き渡ったのだった。


    本編ラストに彼らが選んでいたのは「Last Forever」。限られた時間の中で、世界を巻き込んでいけると確信させられる力を与えてくれる曲。6人はそれぞれの伝え方でSWAG達と向き合い、一人一人に届くようにこの曲を歌って届けていた。

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    鳴り止まなかったアンコールに応えて再びステージに姿を現した6人は、1曲目に「My Love」を届けた。手放しで出逢えた喜びを歌ったこの曲は、まさしく6人が今、SWAGに届けたい想いそのものだっただろう。“出逢えた時から全てが君でいっぱいだ”と言える出逢いは一生を通してもそうそうない。そんな存在に出逢えた6人とSWAGがとても羨ましかった。

    2曲目には「Be Alright」を弾き語りで届けた。この魅せ方は前回のライヴでは無かった演出だ。上段のステージに移動してアコースティックギターの前に座ってスタンバイしたEIKUは、そっと優しくメロディを爪弾いていった。ギターの音色に沿わせ、柔らかな歌声で大切に歌い上げていった6人の歌声に、SWAG達は物音一つ立てることなく聴き入っていたのだった。

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    激しさと柔らかさとキャッチーさを、ONE N’ ONLYという絶妙なバランスで届けてくれる6人は、REIが言う通り唯一無二な存在だ。もう5年。まだ5年。彼らにとっての5年は、間違いなく後者だろう。伸びしろしかない彼らにとっては、まだ5年でしかない。この先彼らはどんな成長を見せてくれることになるのだろう。

    レゲエのリズムで多幸感に包まれた「Call me」が会場に放たれた瞬間、壮大な景色を背負ったまだ見ぬ彼らの姿が見えた気がした。

    大きな節目となったであろうこのツアー『ONE N’ ONLY ONE N’ LIVE 2023 ~Departure~』が、彼ら6人とSWAGの絆をより強く結ぶキッカケになってくれたことを願いたい。

    (Photo■ 笹森健一/文■武市尚子)


    【セットリスト】

    【『ONE N’ ONLY ONE N’ LIVE 2023 ~Departure~』】

    2023.6.25セットリスト

    01. We’ll rise again
    02. Departure
    03. Set a Fire
    04. OPEN
    05. Reflection
    06. YOUNG BLOOD
    07. DANCE PART
    08. Get That
    09. I’M SWAG
    10. Dark Knight
    11. Category
    12. Don’t worry
    13. HAYATO Rap
    14. Shut Up! BREAKER
    15. Video Chat
    16. We Just Don’t Care
    17. YOU???
    18. HOLIDAY
    19. Hunt
    20. Step Up
    21. Last Forever
    <アンコール>
    22. My Love
    23. Be Alright
    24. Call me


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    【プロフィール】

    ONE N’ ONLY(ワンエンオンリー)

    6人組ダンス&ボーカルユニット。世界各国から注目され、4月にブラジル3都市を廻る初のラテンアメリカツアーを開催した。現在、初ライブから5周年を記念したスペシャルプロジェクト『5 N’ 5』を行なっている。



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