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    2021年3月10日 ミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~ ゲネプロレポート

     2009年以降、何度も舞台化されてきたミュージカル「黒執事」の3年ぶりの新作公演となるミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~が、東京・天王洲銀河劇場で開幕。本公演では、セバスチャン・ミカエリス役の立石俊樹、シエル・ファントムハイヴ役の小西詠斗をはじめとし、キャストを一新。寄宿学校を舞台に、フレッシュな顔ぶれが躍動した。

     プロローグではシエルとセバスチャンの関係性が「黒執事」初心者にもわかりやすく伝えられ、今作の舞台、寄宿学校へと観客を誘う。ビクトリア女王の密命を受けたシエルとセバスチャンは名門寄宿学校に潜入することとなり……。

     ドラマティックでミステリアスな音楽の中で歌い踊る学生たち、そしてシエルとセバスチャン。紗幕に映し出すシルエットや映像を駆使した見せ方は、ホーンテッドマンション的な不気味さを醸し出し、時折浮かび上がる葬儀屋(上田堪大)の甲高い笑い声と相まって、“生執事”の世界観に惹き込まれていった。

     執事・セバスチャンを演じる立石は、その美しさと完ぺきな身のこなしで観る者を惹きつけた。悪魔的な妖しさの中にも、どこかメロウな空気を漂わせているところは立石ならではのセバスチャンと言えるだろう。また劇中では教師に扮したり、一瞬ではあるが学生に扮して制服姿にもなるのでお見逃しなく。

     シエル役の小西は少年らしさと冷めた大人の表情を持ち合わせている。学生たちの前で従順な一生徒として猫をかぶっているシエルと、セバスチャンの前で曝け出す素顔のギャップにはご注目いただきたい。

     また、学校内を取り仕切るP4(プリーフェクトフォー)と呼ばれる4つの寮の監督生からも目が離せない。

     エドガー・レドモンド役の佐奈宏紀は、歩いた後に花が咲くかのような優雅さ。クリケット大会での“紅薔薇竜巻”(クリムゾントルネード)は必見。ハーマン・グリーンヒルを演じる田鶴翔吾はラグビー代表選手にいそうな頼れるキャプテンタイプ。正義感が強い表情もグリーンヒルっぽい。シエルが属する寮の監督生ロレンス・ブルーアーを演じるのは里中将道。立ち姿といいメガネを指でクッと上げる仕草などインテリジェンス男子そのものだった。グレゴリー・バイオレットは後藤大。何を考えているのかわからない雰囲気を怪演。一方ダンスのキレが半端なくてビックリ!

     もう1人、シエルの親友?ソーマ・アスマン・カダール(岡田亮輔)の、少々うるさいほどの明るさと元気さは、重たく流れる空気を一蹴する、本ミュージカルになくてはならない存在だ。

     第二幕から物語は大きく動き出す。伝統行事であるクリケット大会は、スポーツ系ミュージカルなみの迫力で、観ている方も推しチームの応援に白熱してしまいそうだった。シエルが健気に仲間を鼓舞するシーンのレア度数は相当高いと思う。

     特筆すべきは葬儀屋(上田堪大)とセバスチャンの対決シーン。まるで演舞のように両者とも艶やかで華麗。セバスチャンは宙を斬る死神の鎌をかわしながらの攻撃には目を見張るものがあった。

     開幕に際し小西は、「大変な状況の中、みんなで力を合わせて集中してがんばってきたので、是非みなさんと楽しい時間を過ごせたらと思います」と。立石は「このミュージカルを届けることに意味、責任があると思っています」とコメント。若い新キャストたちの心からの想いと熱さが届いてくるステージであった。

     ミュージカル「黒執事」の“黒”を基調とした美しさと、魅力的な登場人物たちの世界にとり憑かれハマる理由がわかる気がする。なぜなら観終わって何日も経っているのに、あのステージの光景が脳裏から離れないのだ。しかも鮮やかに焼きつけられたままである。(Text ⇒ 三沢千晶)


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    ミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~』

    2021年3月5日(金)~21日(日) 東京・天王洲 銀河劇場
    2021年3月25日(木)~28日(日) 大阪・メルパルクホール
    2021年4月1日(木)~4日(日) 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

    原作:枢やな(掲載「月刊Gファンタジー」スクウェア・エニックス)
    脚本:Two hats Ltd.
    演出:松崎史也

    出演:
    セバスチャン・ミカエリス:立石俊樹
    シエル・ファントムハイヴ:小西詠斗

    エドガー・レドモンド:佐奈宏紀
    ハーマン・グリーンヒル:田鶴翔吾
    ロレンス・ブルーアー:里中将道
    グレゴリー・バイオレット:後藤大

    クレイトン:古谷大和
    エドワード・ミッドフォード:中島拓人
    モーリス・コール:田口司
    チェスロック:福澤侑
    ジョアン・ハーコート:内野楓斗
    マクミラン:早川維織
    デリック・アーデン:山口晃生
    ヨハン・アガレス:高橋駿一

    西岡寛修、杉山諒二、花見卓也、高橋陸人

    ソーマ・アスマン・カダール:岡田亮輔
    葬儀屋:上田堪大

    公式サイト: namashitsuji.jp
    公式Twitter:@namashitsujijp
    ©2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト

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    【千秋楽をライブ配信&ライブ・ビューイング!】

    ★ライブ配信
    配信日時:2021 年 4 月 4 日(日)17:00
    千秋楽見逃し配信:2021 年 4 月 5 日(月)0:00~4 月 10 日(土)23:59
    販売価格:3,800 円(税込)

    詳細ページ:
    Streaming+:https://eplus.jp/kuro-streaming/
    シアターコンプレックス:https://theater-complex.jp/

    ★ライブ・ビューイング

    日時:2021年4月4日(日)17:00 開演

    会場:全国各地の映画館

    ※開場時間は映画館によって異なります。

    ※大阪府では条例により、16歳未満の方は終了時間が19:00を過ぎる上映には、保護者同伴でないとご入場いただけません。

    料金:3,800円(税込/全席指定) ※3歳以上有料/3歳未満で座席が必要な場合は有料となります。

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    【Blu-ray&DVD Information】

    発売日:2021 年 9 月 29 日(水)
    価格・仕様:
    ★完全生産限定版
    Blu-ray 9,800 円+税(本編映像 BD+特典映像 DVD)
    DVD 8,800 円+税(本編映像 DVD+特典映像 DVD)
    ★アニメイト限定セット
    Blu-ray 10,300 円+税(完全生産限定版[BD]+アニメイト特典 DVD)
    DVD 9,300 円+税(完全生産限定版[DVD]+アニメイト特典 DVD)

    収録内容:
    本編映像:2021 年4月4日(日)大阪千秋楽公演の模様を収録
    特典映像:メイキング・バックステージ映像・歌唱シーン全景映像を収録予定