水沢林太郎 映画『うるわしの宵の月』インタビュー
二人の“王子”が運命的に出会い、初めての恋にとまどい惹かれ合う――。圧倒的美しさを誇る物語を洗練された世界観で描き、累計820万部を突破した大人気コミック『うるわしの宵の月』が待望の実写映画化。そこで“第三の王子”と呼ばれる大路拓人を演じているのが水沢林太郎だ。元より原作コミックのスタイリッシュなトーンに魅了されていた彼は、ヒロイン・宵(安斉星来)に臆せず想いをぶつける大路拓人という人物に、どう向き合っていったのか? 親友であり、主役の市村琥珀を演じた道枝駿佑とのエピソードも含め、原作ファンだからこその視点でディープに語ってくれた。
■『うるわしの宵の月』は、出演が決まる前から原作コミックを読まれていたそうですね。
「僕、やまもり三香先生の作品が好きで、ほぼ全作品読んでいます。作品の全体的なトーンがオシャレで、目線や髪型やファッションの一つひとつに惹かれているんです。なので『うるわしの宵の月』という新連載が始まると知って、ファンとして“面白い作品だな”とか“前回とは絵のタッチが一味違うな”と思いながら読んでいくうちに、どんどんハマっていました。その時から実写化しそうだなと思っていたら、実際に実写化が決まり、その主演が親友の道枝駿佑だったんです。そんなことあるんだ!?とビックリして、道枝に“通行人Aでもいいから出演させてもらえない?”という話をしてたんです。そしたら“三人目の王子”と言われる大路拓人役をいただきました」
■道枝さんにも知らせました?
「はい。すぐに連絡して“大路拓人に決まったよ”と伝えたら、本人も知らなかったのか“マジで?”と返信が来て、お互い頑張ろうという話をした記憶があります。撮影に入ってからは、現場はどういう雰囲気なのかを聞いたりしていました。出演が決まってから“三人目の王子なんだ”という意識で原作を読み返したので、見方も180度変わって、細かいコマやキャラクターのリアクション、大路が着ている服まで注視するようになりました」

■その上で水沢さんが読み取った大路拓人は、どんな人物だったんでしょう。
「今まであまり女性の方と接してこなかった男の子。その分、誰かを思い続ける力は人一倍強くて、何事にもまっすぐな青年だと思います。優しい一面もありつつ、(滝口)宵に対してストレートに気持ちを伝える男らしさもあったりして、逆に道枝が演じる(市村)琥珀は、女性の心を知っている男の子なんです。道枝本人や周りの人たちからも琥珀の見え方を聞いていたので、僕は逆に、何も知らないけど“好き”一本でまっすぐ、どっしり構えている男の子を演じれば、上手く対比が描けて互いの魅力が出るのではないかなという思いで臨みました」
■想いを寄せる宵に既に交際相手がいると知っていてもスパッと告白する、そんな大路の心臓の強さに共感はできました?
「正直、そこまで共感はできませんでしたが、学生らしい伝え方だなと思いました。“相手がいてもいなくても関係ない!”という気持ちがあるんじゃないかと思ったので、そこは丁寧にやらせていただきました。宵役の安斉星来さんからも、本当にお芝居を頑張りたいという意思が伝わってきました。撮影チームの皆さんとも寄り添って、良いシーンになるように2人で、時には道枝を交えた3人で努力しました。お芝居をする上では、とにかく道枝や安斉さんが演じるキャラクターの出方に応えていくことを主軸にしていました」
■大路とご自身に共通する部分はありましたか?
「まっすぐに努力することや向き合うところは、このお仕事をする上で僕も大切にしているので、そこは共感できる部分だったと思います。ビジュアルもみんなそれぞれこだわっていたので、僕もマンガやアニメの髪型をどこまで再現するか?というところは考えました。アニメの放送は僕らの撮影が終わったあとでしたが、先にラフ絵を見させていただいていたので、そこに寄せられるように心がけました」
■以前から原作コミックを追っていたということで、登場人物の心情の流れが掴みやすいとか、映画では描かれていない部分も想像で埋めやすいという利点もあったのではないでしょうか。
「演じる上での埋めやすさというメリットはありました。ただ、マンガは絵もあるしコマもありますが、実写化するとなると自分たちの表情やセリフ、モノローグだけで表現しないといけません。オシャレなファッションや綺麗な髪形、些細な表情に仕草と、より人間らしく描かれているマンガだったので“暗い印象にならないように”とか、“リアクションがマイナスに捉えられないように”といったことは考えてました。そのあたりの技量は我々俳優に委ねられていると思っていたので頑張りました」
■原作との整合性も緻密に考えつつ、撮影に臨まれたんですね。
「この作品には、本当に良い経験をさせていただきました。あまり恋愛作品の経験がなかったので、そこでの考え方や見え方を学んだり、何より現場の女性の意見を取り入れる意識だったり聞き方という意味でも、すごく勉強になりました。あと、道枝駿佑の横にいられる時間って、今、なかなか無いですから(笑)」

■道枝さんの他にも、共演キャストには同世代の方々が多かったようですが、撮影現場の雰囲気はいかがでした?
「僕はカレー屋にいることが多かったので、あまり生徒役のみなさんと関わることはありませんでした。でも、カレー屋に琥珀が友人たちと来てくれるシーンでは、いろいろ楽しくやらせていただいて、道枝はもちろん(桑畑春役の)阿佐(辰美)も知り合いでしたし、(茜仙太郎役の大倉)空人だけ“初めまして”だったのですが、グループ活動の話も興味があったので聞かせてもらったりしました。その後にライブにも招待していただき、すぐに仲良くなりました」
■大倉さんも人懐っこい方ですし、和気藹々とやれたんですね。
「それこそ空人がムードメーカーと言いますか。阿佐と空人がやっているお芝居って、アドリブが多いんです。アドリブでちゃんと採用されるお芝居をしていて、監督も“何かやってくれるでしょ”みたいな感じだったので、“こんなお芝居の確立させ方もあるんだ。すごいな!”と思いながら勉強させていただきました」

■では、撮影の中で特に思い出に残っているエピソードは何でしょう?
「大路がバイトしているカレー屋が、下北沢に実在する“茄子おやじ”というお店で、実際にお店で出しているメニューを食べさせていただいたんです。“中辛です”と言われたので、大丈夫だろうと食べてみたら、意外と辛くて! みんな辛いのが得意ではなかったらしく、ヒーヒー言いながら食べてました。僕も “辛いね。でも、美味しいね”とか言いながら、あっという間に食べ切ったのですが、実際の撮影では特別に甘く作っていただいたものを食べていました(笑)」
■カレー屋では、道枝さん演じる琥珀と大路がバチバチになるシーンもありましたね。
「今まで道枝と相まみえることもなかったし、彼も気を遣わずにぶつかってきてくれたので、僕も店員としてレジ操作をしながら一生懸命返しました。実は、その日が僕のクランクインだったので、そこで演じる方向性が見えたのも良かったです」
■カレー屋のオーナーである宵の父・滝口誠一役の藤木直人さんは、どんな印象でした?
「藤木さんとは以前にもドラマで共演させていただいているのですが、覚えてくださっていてうれしかったです。一緒にお芝居できる時間がそこまで多くはなかったのですが、まさしく“宵のお父さん”という感じで、“イケオジ”という言葉は、この人のためにあるんじゃないかと思いました」
■ほとんどカレー屋にいたということは、試写で全編をご覧になった時は新鮮だったんじゃありません?
「ほぼ知らないシーンでした(笑)。ちょうどカレー屋のシーンを撮影して何日か後に、みんなは撮影で神戸に行くと言っていて、撮影後に神戸の話は聞いていたのですが、僕は何のことかわかっていなかったのが、試写を観て初めて理解できました。まるで修学旅行みたいな楽しいシーンをたくさん見せてもらって、台本は読んでいたはずなのに、新鮮に楽しめたのが面白かったです」

■コミックがあり、アニメがあり、そして今回の実写化では、作品が持つどんな魅力が際立ったと感じていますか?
「まっすぐなところかなと。やっぱり、シンプルが一番いいと思うんです。誰かを好きになって、誰かと一緒にいたくて、他の人と一緒にいるところに嫉妬して……って、大人になればなるほどこじれていくものだと思います。そういったものにシンプルでいられるのが学生時代で、その魅力を存分に味わえる作品になっていると思います。メイキングだったり、裏話もたくさん出ると思うので、それらも踏まえた上で、みなさんにも楽しんでいただきたいです」
■それこそ宵だって、結構大胆な言動をしますもんね。
「大胆な人しかいないんですよね、この作品。もし、この先も描くことがあるのであれば、お互いのグループの子たちの恋愛模様も見てみたいです」
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■共通テーマ音楽コラム「MY HEART WARMING SONG」■
なにわ男子「Moonlit」
映画『うるわしの宵の月』の主題歌で、友人の道枝駿佑が歌っています! 我々が大好きな、なにわ男子の王道キラキラソングになっていて、すごく魅力的な曲なんですよ。実は本人からは“キーが高くて大変”という話を聞いていて、初号試写で初めて聞いた時には“確かに!”と納得しました(笑)。
■プロフィール■
水沢林太郎
みずさわりんたろう。2003年2月5日生まれ。埼玉県出身。メンズノンノ専属モデル。近年の出演作は、映画『君のクイズ』『この夏の星を見る』、ドラマ「九条の大罪」「冬のなんかさ、春のなんかね」「おいしい離婚届けます」「ビリオン×スクール」、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」など。現在、出演ドラマ「俺たちの箱根駅伝」と「ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班」が放送中。今後は、2027年1月8日に映画『高校生家族』『九条の大罪』が公開予定。
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■クレジット■
Photo 河井彩美
Text 清水素子
Hair & Make-Up 菅井彩佳
Styling 能城 匠
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■INFORMATION■
映画『うるわしの宵の月』
2026年10月23日(金)公開
原作:やまもり三香『うるわしの宵の月』(講談社「デザート」所載)
出演:道枝駿佑 安斉星来 水沢林太郎 星乃夢奈 鈴川紗由 大倉空人 阿佐辰美 与田祐希 藤木直人
主題歌:なにわ男子「Moonlit」(ストームレーベルズ)
配給:東宝
監督:竹村謙太郎
脚本:徳永友一
音楽:兼松衆
©2026映画『うるわしの宵の月』製作委員会 ©やまもり三香/講談社
公式サイト
https://uruwashi.toho-movie.jp/
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