映画『るろうに剣心 最終章 The Final』がついに公開となった。

　2012年公開のシリーズ第1作『るろうに剣心』での取材の際、主役の緋村剣心を演じる佐藤健と、大友啓史監督が、今作が佐藤健の代表作と“なれたら”“なると思う”と、希望を語っていたのを覚えている。その希望が、今、佐藤が「間違いなく（自分にとっての）代表作」と断言する作品となったことを感慨深く思うのと同時に、その最終章として、まごうことなき最高傑作を届けてくれたことに感謝する。

　とにかくファーストシーンから、ONE OK ROCKの「Renegades」が流れるエンドロールまで、一瞬の隙なくカッコ良い。それは佐藤をはじめ、今作のキーパソンとなる雪代縁を演じた新田真剣佑ら、俳優陣のカッコ良さはもちろんだが、全編に渡って、1コマの隙なく、この作品に関わった人達の想いの熱さ、そのカッコ良さが伝ってくる。あまりにカッコ良すぎて、涙が出てしまった。悲しいとか、嬉しいとかではなく、“カッコ良い”で涙が出ることを初めて知った。

　カッコ良いについてだけでも、すべて語ったら数日間はかかりそうなので、ここでは厳選した3点の“カッコ良い”ポイントを記す。

　1つ目は言うまでもなく、緋村剣心と雪代縁のクライマックスの戦い。これまで剣心を演じ続けてきた佐藤が、そのすべてを注ぎ込んだような渾身のアクションと、そこへ真正面から全身全霊をかけて挑んでいく新田――何度も息をするのを忘れて見入ってしまった。

　何より、単なる動きのレベルの高さだけではなく、動きの中に心情が見えてくるのがすごい。こんなに美しくて、切ないアクションシーンがあるのか、と、ただただ感動する。佐藤の俳優としてのポテンシャルの高さを改めて感じると共に、“新田真剣佑”という俳優が、佐藤にとってのこの“るろうに剣心シリーズ”のような代表作を、今後作るであろうことを確信した。

　2つ目は、佐藤も大変だったと振り返った、“一対多人数”でのアクション。剣心一人に対して、敵が一気に襲ってくるシーンは……正直、笑ってしまうくらいカッコ良い。剣心の剣の動きに合わせて、ドミノ倒しのように敵が蹴散らされていく様は、美しさも感じる。これだけよどみのない動きができる佐藤は、やっぱりカッコ良い。

　3つ目は、これまで剣心と共に、この“るろうに剣心シリーズ”を支えてきたキャラクター達のカッコ良さだ。剣心にとって味方であろうが、敵であろうが、それぞれの強い“想い”が感じられるシーンがある。そこは素直にカッコ良いと思う。個人的にはやはり、事前には登場が予告されていなかったあの人が、剣心の危機に加勢するシーンはカッコ良すぎた。これはもう、絶対に映画館で確認してほしい。

　そしてここで付け加えたいのは、これだけ“カッコ良い”を熱弁したが、この映画はカッコ良いだけじゃない、ということ。どの部分が琴線に引っ掛かるかは、観た人それぞれだと思う。それだけに、こんなご時世ではあるが、映画館でこの作品のすべてを堪能し、6月4日（金）に公開される『るろうに剣心 最終章 The Beginning』に備えてほしい。（Text → 瀧本幸恵）

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【MOVIE Information】

『るろうに剣心 最終章 The Final／The Beginning』

るろうに剣心 最終章 The Final ／全国公開中
るろうに剣心 最終章 The Beginning ／6月4日（金）全国ロードショー

原作：和月伸宏「るろうに剣心−明治剣客浪漫譚-」（集英社ジャンプコミックス刊）
監督：大友啓史
出演：佐藤健
武井咲　新田真剣佑
青木崇高　蒼井優　伊勢谷友介
土屋太鳳／三浦涼介　音尾琢真　鶴見辰吾　原丈雄／北村一輝
有村架純　江口洋介
主題歌：ONE OK ROCK「Renegades」
製作：映画「るろうに剣心最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
制作プロダクション・配給：ワーナー・ブラザース映画
©和月伸宏／集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会 

HP https://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin2020/