新日本プロレス YOH連載『プロレス思考漂流』【第1回:思考実験】

■YOH選手の思考回路を覗く連載が始まりましたが、 YOH選手的にアピールしたい部分はありますか?
「筋肉です」
■イメージ的には、 頭の中と言いますか。 もうちょっと目には見えない部分をにフォ ーカスを当てたいと思っていたのですが。
「やっぱり筋肉ですね」

■YOH選手はプロレスラーなので、筋肉は試合で見せているように思いますが、それ以上に見せたいということですか?
「そうですね。僕のコスチューム的に太ももは隠れているんですよ。だから、とにかく僕は筋肉を見せたいです」
■検討します。もう少し連載の趣旨を説明させていただくと、YOH選手は趣味嗜好が、本業のプロレスにつながっていることが多くあるじゃないですか。例えば、フィニッシュ・ホールド(プロレスにおいての最大の決め技)の“DIRECT DRIVE”は、趣味のレコードがきっかけでついた名前だとか。そういった興味のある物事とプロレスが、その都度どう交わっているのかを知りたいと思っていて。
「なるほどね」
■いくつか連載のタイトルを提案させてもらいましたが、“思考実験”、“思考解体”、“思考漂流”などがあった中で、ピンとくるものはありましたか?
「“思考漂流”がいいんじゃないですかね。漂っている感じが僕っぽいなと思います」
■前に打ち合わせをさせてもらった時に、やりたい企画として“昆布になりたい”という提案をしてくださったので、“漂流”は人の想像からかけ離れていくイメージもあっていいですね。
「基本的に僕はずっと浮遊しているので。だからよく“変わってる”って言われるんですよね。俳優の山田孝之さんが、映画で星の役をやっていたんですよ(映画『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』)。主役ではないけど、そういうのが好きなんです。ちょっと画面に映り込んでいる変なヤツとか、端っこにいて変わったことをするヤツとか、学校の集合写真でも、ひとりだけ後ろ向いているヤツがいたりするじゃないですか。ああいうヤツが好きなんです。捻くれているというか」
■昆布以外では、最近、興味があることはありますか?
「今はミシンと、スケボーと、コラージュです。この3つくらいに絞っていて、それで一杯一杯になっていますね。たまに写真とか、レコードを聴いたり、DJの練習とかもしますけど、プロレスも試合数が多いので。1週間休みがあったとして、その中間くらいにポンって仕事が入ると、もう創作する意欲がなくなるんですよ」
■仕事に気が取られてしまうと。
「たぶんアーティストに近いんだと思います」

■連載の初回ということで、手始めに椅子のアレンジをお願いしましたが、まず持ってきてもらったこの椅子には、YOH選手がコスチュームで使用していたものと似た布が使われていますね。
「これは一緒にコスチュームを作ってもらっている友達がくれた椅子で、既存のものから座るところだけ変えたのかな。ミシンもその友達に教わっているんです」
■本当はもう少しペイントをしてみてほしかったのですが。
「あれ、塗りませんでしたっけ?」
■すごく塗ってそうではありました。ちなみに、仕上がりには満足ですか?
「僕は満足です。アースカラーが流行っていたので、その配色でいったんですけど、ちょっと透明色を作りすぎたのかなと。見る人が見ると、塗ってないように見えるのかもしれないです」

■人から“変わってる”と言われることが多いそうですが、ご自身をどんな性格だと思っていますか?
「子供っぽいんだと思います。あとは、シュールが好きなんです。だから椅子も最後まで塗らなかったじゃないですか?」
■“塗らなかった”って言っちゃってるじゃないですか。
「常に小規模エンターテインメントを心がけているんです。その場にいる人をいかに楽しませるか。今日はスタッフさんが4人いたので、その人たちを目掛けて、4人をもてなすことをやっただけです。でも、皆さん笑いましたよね? それで今日の小規模エンターテインメントは完了したわけです。小規模を続けていれば、その先の読者の方にも雰囲気が伝わるんですよ。“なんかアイツ面白いな”って。それがどんどんどんどん広がっていくと思ってやってます」
■それは一理ありますね。最後に、この椅子にタイトルをつけるとしたら何ですか?
「じゃあ、“思考実験”で」
■今しがたボツになった連載タイトルですが、それにしましょう!

___
Photo 稲澤朝博
Text 千々和香苗
Costume Self Styling
___
【プロフィール】
YOH
よう。1988年6月25日生まれ。宮城県栗原市出身。新日本プロレス所属プロレスラー。2012年11月19日、SHIBUYA-AXでの渡辺高章戦でデビュー。主な戴冠歴・優勝歴は、IWGPジュニアヘビー級王座、IWGPジュニアタッグ王座、NEVER無差別級6人タッグ王座、『Super Jr. Tag Tournament 2017』、『Super Jr. Tag League2018』、『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2019』、『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2022』。2026年6月7日、大田区総合体育館大会での『BEST OF THE SUPER Jr.33』決勝戦では、2年連続の決勝カードとなる相手・藤田晃生を撃破して悲願の初優勝。同年6月14日、大阪城ホール大会でIWGPジュニアヘビー級王座戦に挑戦し、第100代王者として王座初戴冠を果たした。
___
★新日本プロレス YOH連載『プロレス思考漂流』Xアカウント開設 ★
@yoh_rensai
アザーカットやメイキングも公開予定!!
随時、更新情報をお知らせいたします。
___
★awesome! Instagram★
@awesomemagazine_2010
雑誌『awesome!』『awesome! Plus』のアザーカットやメイキングを公開中!!
こちらもぜひチェックお願いいたします♪