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    2021年5月25日 奥平大兼 ドラマ「レンアイ漫画家」インタビュー

     現在、絶賛放送中のドラマ「レンアイ漫画家」(フジテレビ系)。恋愛下手な“レンアイ漫画家”刈部清一郎(鈴木亮平)と、ダメ男とばかり付き合ってしまうというアラサー女子の久遠あいこ(吉岡里帆)が織り成すラブコメディだ。
     奥平大兼は、清一郎の弟・純の若い頃を演じ、清一郎が恋愛下手になった一因を作るという重要な役回りを務める。自分とはかけ離れたキャラクターという純を、奥平がどのように演じたかのか聞いた。

    ■放送が始まっていますが、反響はどうですか?

    「これまで僕がやってきた役とは違う、明るいキャラクターなので、自分ではうまくできたのか、すごく不安で自信がなかったんです。だから放送が始まるのが怖くてヒヤヒヤしていたのですが、周りからはわりといい反応をいただけたので、なんとかギリギリでメンタルを保てています(苦笑)。自分では(演じる)純と僕とでは性格がかけ離れているから、なるべく僕とは違う人にならなくちゃいけないのに、僕が抜けきってないところがあって。もうちょっと振り切れたんじゃないか、と反省しています(苦笑)。一番は、観てくださる方が違和感なく楽しんでくだされば、それがいいんですけど。まずはこういう役をやるのが初めてだったこともあるので、勉強だとは思っています。(撮影は既に終わっているので)次の作品に活かせるようにします」

    ■純のキャラクターはどのように作っていきましたか?

    「純がどういう考え方をしているのかは、すごく考えました。僕は純とは違って少人数でいるほうが好きなんですけど、それは、そのほうが行動しやすい、とか、人に合わせるのが得意じゃない、とか、理由があるんです。そう考えると、純がたくさんの人に囲まれている理由は何だろう?と。“これが正解”というものはないんですけど、それでも考えていました。あとは、純は“女好き”なんですけど、そのためにはまず人と話さないといけない。でも僕自身は、純と同じ動機で人と話すことはできないので、自分にできることに置き換えて考えました。僕が人と話すことで“いいな”と思うのは、その人の意見や考え方を知ることで、自分にないものを得られるからなんです。だから、純とは違う考え方ですけど、“話したい”という結果は同じなので、僕なりの似たような感情を探して、過程は違うけど、結果は同じになるようにしました」

    ■物語の後半、清一郎が恋愛できない理由に、純が関わっていることがわかってきますが、その辺はどのように理解していましたか?

    「純に悪気はないと思っていました。シンプルに清一郎のためにやろうとしたことが、そのうち自分の気持ちが出てきてしまって、そこに精一杯になって周りのことが考えられなくなったしまったんだ、と。僕も一つのことに集中すると周りが見えなくなるから、その気持ちはわかるので、清一郎のことは考えず、ただ“純はこうしたいんだ”という気持ちでいました」

    ■大切な兄弟を傷つけることになっても、自分の思いを突き通すのはそれなりの覚悟もあったかと思うのですが。

    「僕は、その結果が純には見えてなかったんだと思います。だって、もしわかっていたとしたら性格悪いですよ(笑)。僕だったら絶対にあんなことできない、って思います。だから、純は誰かを傷つけることまで考えずに、単に自分の気持ちに真っすぐでいたら、たまたまその(傷つける)相手が清一郎さんだったんだと思います」

    ■今回は、“現在の(大人になった)純”を白石隼也さんが演じています。つまり奥平さんが演じる純からすると、未来が見えているわけですが、そこは意識していましたか?

    「特にそこは考えなかったです。客観的に見るなら考えたほうがいいとは思うんですけど、純自身は未来なんてわかるはずないから。今回に限らず、僕は役として自分が出ないシーンは逆に見ないようにしているんです。もちろん台本は読んでいるから展開はわかっているんですけど、目で見て、声を聞いてしまうと、演技をしていてそれが頭の中に入ってきてしまうので」

    ■清一郎の青年期を演じる松大航也さんとは話しましたか?

    「はい。清一郎とは違って明るい方で。ちょっと何を考えているかわからないところがあって、一緒にいて面白かったです(笑)。ドラマの話は一切せずに、プライベートな話をしていました」

    ■松大さんも、奥平さんと同じく、“過去”を演じるので、そのやり方が気になることはありませんでしたか?

    「松大さんは僕とは違って、鈴木さんがどんなふうに演じているのかを見て、それに寄せていったみたいなんですけど、そこはそれぞれのやり方だと思うので、気になりませんでした。僕なりにどう演じようか考えて、結果、そのやり方には行きつかなかったので。普段から周りの人にどういうふうに役作りをしているとか、台本を覚えているか、とかも聞かないんです」

    ■もともと周りの人にものを聞いたりはしないタイプなんですか?

    「自分の知らないことや、興味がなかったことは聞きます。自分と違うセンスを持っている人の話を聞くのは好きなんです。でも自分自身がすごく興味があって調べていることや、考えていることについては聞かないかもしれないです」

    ■自分が突き詰めていることは、自分なりの答えを出したい?

    「そうなんだと思います。自分なりにこうしよう、と決めたことに、他の人からの意見を気にしてしまうと、混乱してしまうというか。言われたことを受け止めるまではするんですけど、それを実際にやるかは、自分で考えてからにします」

    ■そのくらい、演技に真剣に取り組んでいる、ということでもありますね。

    「はい。頑張っていきたいものではあります。ただ、まだまだ難し過ぎて(苦笑)。僕はデビューして間もなくて、演技経験も少ないので、自分一人で考えるには限界があるから、そういうところでは、聞くのが正解なこともたくさんあります。ただ、自分がやる役をどう演じるのか、ということは、まず自分で考えてみないと、と思います。だから今は、いろんな役をやって、経験を増やしていきたいです」

    ■ちなみに、純みたいな人が周りにいたらどう思いますか?

    「うらやましいです。この仕事をする上で、コミュニケーション能力って大事じゃないですか?役として絡む共演者の方とは、やっぱりコミュニケーションが取れたほうがいい。僕、話題を作ることが本当に苦手で。そこは今、頑張って練習しています。仲のいい友達とは、相手が話題を見つけてくれて、それに対してしゃべる感じなので、自分で0から1にするのができないんですよ。1から10とかであれば何とかできるんですけど、会話においては壊滅的に下手クソなんです。例えば、ドラマ『ネメシス』で共演した櫻井翔さんとは、ヒップホップの話をしたんですけど、それはもともと僕がヒップホップをちゃんと聴いたことがなくて気になっていて、櫻井さんがその知識があるというのを知っていたからで。プライベートでは、狭く深く付き合いたい、と思うタイプなので、必要ない能力ではあるんですけど、能力があって使わないのと、無くてできないのとでは違うじゃないですか? だから、今回純を演じたことで、少しでも近づけたら良かったんですけど。これはもう、今後生きていく上での課題です(笑)」

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    【プロフィール】

    ■奥平大兼(おくだいらだいけん)
    2003年9月20日生まれ。東京都出身。これまでの出演作は、映画『MOTHER マザー』、ドラマ「恋する母たち」。現在、ドラマ「ネメシス」(姫川烝位役/日本テレビ系にて毎週日曜22:30~)、ドラマ「レンアイ漫画家」(刈部純 役/フジテレビ系にて、毎週木曜22時~)に出演中。

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    Photo ⇒ コザイリサ
    Text ⇒  瀧本幸恵
    Hair&Make-up ⇒  谷川一志(KIND)
    Styling ⇒ 伊藤省吾(sitor)

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    【DRAMA Information】

    ドラマ「レンアイ漫画家」
    フジテレビ系にて、毎週木曜22時~

    原作:山崎紗也夏 『レンアイ漫画家』 (講談社モーニングKC刊)
    脚本:松田裕子
    出演:鈴木亮平、吉岡里帆、眞栄田郷敦、岩田琉聖、小西桜子、白石隼也、松大航也、奥平大兼・竜星 涼、木南晴夏・片岡愛之助 他
    主題歌:佐藤千亜妃「カタワレ」(EMI Records)
    オープニングテーマ:BiSH「ZENSHiN ZENREi」(avex trax)
    音楽:末廣健一郎
    演出:石川淳一、小林義則、淵上正人
    編成企画:佐藤未郷、江花松樹
    プロデュース:小林 宙
    制作:フジテレビ
    制作著作:共同テレビ

    公式HP:https://www.fujitv.co.jp/renaimangaka/