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    2022年1月28日 磯村勇斗 スペシャルインタビュー -前編-


     現在公開中の映画『前科者』で、主人公・阿川佳代(有村架純)の中学時代の同級生で刑事の滝本真司役を演じている磯村勇斗。本作や役柄への想いや、2022年の抱負などを聞いたインタビューを前後編でお届けする。


    ■この作品のオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?

    「まず、岸善幸監督とご一緒出来ることが嬉しかったですね。さらに、『前科者』ということで、なかなかフォーカスを当てにくい“保護司”という部分に触れたこの作品に対し、着眼点が面白いなって思いました」

    ■岸監督には、役に対して、どんなことを表現して欲しいと言われましたか?

    「撮影の初日に、自分が演じる“真司”は、ずっと鋭い目でいてくれと言われたんです。常に目が怒っている、というか…。感情を表に出しているわけではないんですが、目からにじみ出てしまうような人物でいて欲しい、と言われました」

    ■それがあったからか、目の芝居がすごく印象的でした。

    「ありがとうございます。目って、人の目を見ている時間もあれば、物を見ている時間がありますよね。例えば今、僕が(机上の)このペットボトルを見た瞬間にも、全部意味があると思うんです。なので、どこを見るか? 今、何を観る必要があるのか?というところは気にして演じていました」

    ■なるほど。そして、物語が進むにつれて、真司の過去が描かれていきますよね。

    「はい。その過去があるからこそ、ずっと、悔しさや苛立ちを持っているんです。さらに、連続殺人事件を追っている刑事として、常に緊張した状態であり、自分の過去も重ねて、“これ以上被害者を出したくない、何としてでも犯人を捕まえてやる”という焦りも持っていて。演じている時には、その焦りの感情をずっと持つようにしていました」

    ■となると、演じている時は、苦しみの感情のほうが大きかったですか?

    「そうですね。真司は感情を表に出す人ではないですし、抱え込み、押し殺している状態だったので、苦しい時間も長かったですね」

    ■先ほども少しお話に出ましたが、この映画では“保護司”という、日頃なかなか触れることのないお仕事について描かれていますが、どんなことを感じましたか?

    「恥ずかしながら、僕も、この作品に出会う前は、前科者の更生を手助けする“保護司”という存在を知らなかったんです。だから最初は、殺人罪や詐欺罪などを犯してしまった問題のある前科者の人達を、なぜそこまでしてやり直させようとするのか?とも思ったんですが、物語を読み進めていくにつれて、全力で更生に導いていく保護司の熱意を感じて、本当にすごい仕事だなって思ったんです。さらに、この保護司は、無給なのにも驚きますよね。客観的に、国が支えるべきなのでは?とも思うのですが、どうしても国は前科者を肯定しづらい風潮がありますよね。それが分かるから、すごく複雑なポジションなんだろうなと感じました」

    ■磯村さんは、保護司をやれると思いましたか?

    「いや~、僕はやれないですね。ここまで、知り合いでもない人のために何かをしてあげようとは思えないかもしれないです。それに、どうしても前科者ということが気になってしまうと思うんですよ」

    ■それが一般論となりますよね。

    「はい。でも、だからこそ、有村架純さんが演じた阿川は本当に力強いし、挫けても立ち上がっていく姿には、本当に勇気をもらえたんです。きっと、観てくれた方にも大きな勇気を与えられると思いますし、いろんなことに気付くきっかけとなると思うので、ぜひ観てもらいたいですね」

    -インタビュー後編に続きます?-


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    © 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会
    © 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会

    映画『前科者』

    全国公開中


    出演:有村架純 磯村勇斗 若葉竜也 マキタスポーツ 石橋静河 北村有起哉 宇野祥平 リリー・フランキー 木村多江 /森田剛
    監督・脚本・編集:岸善幸
    制作プロダクション:日活・テレビマンユニオン
    原作:「前科者」(原作/香川まさひと・月島冬二「前科者」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載))
    配給:日活・WOWOW
    © 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会

    © 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会
    © 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会
    © 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会

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    プロフィール】 

    磯村勇斗(いそむらはやと)

    1992年9月11日生まれ。静岡県出身。最近の出演作に、映画『ヤクザと家族 The Family』『東京リベンジャーズ』『彼女が好きなものは』、劇場版『きのう何食べた?』、舞台『泥人魚』など。 第45回日本アカデミー賞にて新人俳優賞を受賞。公開待機作に映画『PLAN75』(6月公開)がある。


    ★オフィシャルサイト
    https://hayato-isomura.com/

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    Photo ⇒ 大川晋児
    Text ⇒ 吉田可奈
    Hair&Make-up ⇒ 髙田将樹(Takada Masaki)
    Styling ⇒ 笠井時夢(Kasai Tom)
    Costume ⇒ ジャケット ¥71,500、シャツ ¥37,400、パンツ ¥47,300/以上すべてUJOH(M 03-6721-0406)、ブーツ ¥96,800/LITTLEBIG(LITTLEBIG 03-6427-6875)

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